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香りと馴染んでいく時間。

明日まで、鎌倉です。
今回、滞在先の友人に「嗅いでみたい!」と頼まれていたシャネルのNo.5を持ってきていて。普段はつけない香りなのだけれど、この1週間、せっかくだからつけて過ごしてみた。

わたし実は、No.5、ずっと苦手な香りだった。

No.5のキーとなるアルデハイド(アルデヒド)。
この香りがどうしてもダメで。
なんでみんな、この香りをいい!って言うんだろう、ってずっと思っていた香り。香水の勉強を始めて、アルデハイドと言う香料を知って。No.5の香り自体はダメじゃなくなったのだけれど、じゃあ自分の香りとしてつけたいですか??と言われると、そうではなかったから。時々気になって、香りを試してみる、そんな感じの香りだった。

No.5をつけた初日。あー、No.5だわって感じがした。
最新の香水によくある「〜っぽいイメージ」といった軽さの全く無い、存在感のある香り。ふとしたときに自分から香るその香りに、「あ、これ、わたしから香っているのか」って我に帰る感じが何度かあったのだけれど。

今日もNo.5をつけていて、その感じが全くなくなってたことに気づいた。
ふと香ってくる香りが、とても心地よくて。
あぁ、馴染んだなぁって思った。

リップを買ったら毎日塗り方を変えたりして工夫するように、
洋服を買ったら色々なアイテムと合わせてコーディネートしてみるように、
香りも、すぐに「これ私の!」ってなるのって難しい。
色々工夫して楽しんで、ふと気づいたら自分のものになっているような。
馴染むまでの時間ってある。

まるで人との付き合いにも似てるって思う。
出会って、試行錯誤して、やがて無意識の領域に心地よく馴染んでいく。
その時間って楽しい。
香水ともそんな時間を育んでいくと、より一層愛おしくなるよね。

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今日はお出かけをしたから、お洋服とメイクもNo.5をちょっと意識してみた。
お洋服は、先日Patriciaで買ったお気に入りのワンピース。メイクは、赤みの強いローズのリップ。いつもはポンポン塗りだけれど、今日はエッジをきっちり出して。
こういうのって楽しいよね。

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今日の海。穏やかで綺麗だった。


調香師・優香

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