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夏の星座を通して見るフィレンツェの作品 3


こと座。


ルカ・デッラ・ロッビア 「オルフェウス/音楽」 1437-39年
大聖堂附属美術館 ジョットの鐘楼を飾ってたパネル


ジャンボローニャ 「アポロン」 1573年頃 ヴェッキオ宮殿、フランチェスコ1世の書斎 琴に寄りかかっている。この琴はメルクリウスが亀の甲羅から作ったものを譲り受けたもの。


この琴はリラと呼ばれ、音楽の神アポロンが息子のオルフェウスに贈ったものです。彼は琴の名手で、 美しい妻エウリディケと幸せに暮らしていました。しかしある日、エウリディケは草むらに隠れていた毒蛇にかまれて死んでしまいます。

彼女なしで生きる意欲をなくしたオルフェウスは、妻を取り戻すべく死の国へ赴きます。琴を奏でたところ、冥土の王プルートと妻のペルセフォネは美しい音色にたちまちの内に心を打たれ、ある条件でエウリディケを帰してくれることになりました。


バッチョ・バンディネッリ 「オルフェウス」 1517年頃 メディチ・リッカルディ宮殿
後ろにいるのは地獄の門番ケルベロス。オルフェウスの演奏は獰猛な怪物さえも懐柔したという

二人が地上に出るまで、オルフェウスは決して妻の方を振り返ってはならない。

言われた通り、オルフェウスは不安に駆られながらも後ろにいる妻を見ずに歩いていましたが、地上に出る直前、嬉しさのあまりつい振り返って妻を見てしまいます。約束を守れなかったため、 エウリディケは再び死の国へ引き戻されてしまいました。悲しみに暮れたオフフェウスはその後非業の死を遂げ、彼の琴は川に打ち捨てられてしまいます。主を失った後も音を奏で続けた琴を見つけたゼウスは哀れに思い、オルフェウスの琴を天に上げて星座にします。

一説によると、オルフェウスは死後も琴の演奏を続け、冥土で奥さんと再会できたとか。


これがこと座として、夏の空に輝き続けています。西洋では愛の星座として知られ、こと座を形成しているベガは日本では織姫として有名です。


フィレンツェにいらっしゃる時の参考になさってみてください。

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