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雨の日に自分にできることは何だったか考える

バイト先でドアを開けて天気をみたとき、うちの店が外に出しっぱなしだったイスに座って、雨に打たれている人がいた。目が合って、びっくりしてすぐドアを閉めてしまった。でも、ずっと心にひっかかった。私は、なにかしてあげられたんじゃないか、するべきだったんじゃないかと感じて。

私は従業員だから、無料で食べ物や飲み物をあげてよいのか判断に迷ってしまった。以前に、「お金はないけど○○をください」と言われたことがあって、その際にあげてしまったのだけど、あとで上司に、「もし、閉店間際で食べ物が余っていたりする場合は、あげる可能性もあるけど、通常は、お金を払って購入している他のお客様もいるのだから、あげるべきではない」と言われてしまった。なので何もできず、自費で購入してあげるべきかの判断もつかずにいた。(この判断は上司の考え方にもよる気がする)

すると数分後、あるお客さんがその方を伴ってお店に入ってきた。そしてその人に「何が欲しいですか」と聞いて、買ってあげていた。
自分で何もできなかった私がいえることではないけど、私はそれをみて、ほっとした。外で雨に打たれていた人が中に入ることができたし、食べ物も飲み物ももらうことができたから。(結局買ってもらった後、また外の椅子にすわっていたので、外が好きな人だったのかもしれないけど…)

この町ではそういう、外で暮らす人に、食べ物を買ってあげたりする人が結構いる。私もそういうふうにサッとできる人になりたいと思うのだけど、いまだにできずにいる。金銭的な余裕もないけど、、。私の知る限りでは、日本ではそういうことはあまり見なかった気がするけど、これは何の違いなのだろう。


町の人と距離が近く、彼らのふるまいをすこし見ることのできるこのバイトは興味深い。同僚と話すことも、様々な背景を持つお客さんと話すことも、ときには疲れるけど大事な経験になっている。
デザイナーとして働くうえでも、この町の生活の仕方や人の考え方を知って、何に興味があるのかとか、風習的なところを垣間見る良い機会になっている。価値観の激変、みたいなことはまだあまりないけど、自分を多文化に浸して、しみるものだけしみこませていく。歳を重ねても偏見をできるだけもたず、あたらしいことに「へーそうなんだー」と思える自分でいられたらいいな。

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