パートナーと良い関係性を築けない人は、自己責任なのか?

こんにちは!株式会社すきだよのあつたゆかと申します。

「パートナーと長続きしない」「つい自分の言いたいことを我慢してしまう」など、日ごろからカップルや夫婦のお悩み相談に乗っていると考えてしまうことがあります。

それは「パートナーとの関係性を維持できない人は自己責任なのか?」ということ。

パートナーについ自分の意見を押し付けてしまう、パートナーに対して不満を言えない、パートナーと良い関係を築けたことがない。それは果たしてその人が悪いのでしょうか。

パートナーとの関係性を保つのが難しい3つの要因

私はこの問題を、個人の責任ではなく社会構造の問題として捉えているのですが、パートナーとの関係性を維持するスキルが育ちにくい構造的な要因が3つあると思っています。

①義務教育で話し合いの仕方や、他者を尊重する方法を習わない

いちばん大きな要因だと考えているのが、日本の教育において議論や話し合いを学ぶ機会がないこと。

実はDESC法だったり、Iメッセージだったり、意見が違う相手に対してどう自分の気持ちを伝えるかというフレームワークは存在しているのですが、義務教育の場で習うことはありません。

むしろ「みんなと同じことが正」という教育を受けているため、違う意見を持つことと人格の否定をごっちゃにして考えている人も多く、「相手と違う意見を持つことは失礼だ」「嫌われてしまうかもしれない」といった不安を抱えています。

そんな中でパートナーとの交際が始まると、価値観の違う相手にイライラしたり、自分の不満を溜め込んでしまいがちになったりする、といった現象が起きます。

②漫画やドラマで描かれるパートナーシップが、現実と違う


少女漫画で、思っていることを言えずにパートナーとすれ違ってしまうシーンをよく見かけませんか?

例えば、彼がクリスマス前なのにメッセージすら返してくれずそっけない。「もう私のこと好きじゃないのかな?」と主人公は不安になるが、実は彼はサプライズでプレゼントを贈るためにアルバイトをめっちゃ頑張っていたことが発覚! みたいな展開が用意されていたりします。

「相手のことを喜ばせたい」という気持ちは素敵なことですが、一方が不安や不満を溜め込んでふたりの仲が悪くなってしまったら本末転倒ですよね。

もしくは、ケンカして「もう嫌!」と主人公が飛び出したらパートナーが追いかけてギュッと抱きしめてくれる、なんてシーン。読者が思わずときめく場面ですが、現実世界だったら相手はなぜキレられているのかわからず混乱してしまうのでは。

こんなふうに、漫画やドラマでは「言わなくても想いが伝わる」という前提でストーリーが進んでいってしまいがちです。そして、両思いになったり結婚したりしてめでたしめでたし、と物語が完結。

そんな物語を小さい頃から見ていると、「言わなくてもわかってくれる」「不安になっても相手が自分をケアしてくれる」といった過剰な期待が生まれ、実際のパートナーシップで苦労しやすい構造になっています。

③恋活や婚活のサービスはたくさんあるのに、交際後のパートナーシップを支えるサービスが少ない

教育や漫画などの影響に加え、交際後のパートナーシップを支えるサービスが少ない問題も大きいです。

今って恋活アプリには月額3000〜4000円払い、結婚相談所にも10万円以上のお金を払い、結婚式には何百万もかけるのに、そのあと関係性をよくするために定期的にカウンセリングに行くとか、本を読むとか、そういうことをされてる方って少ないですよね。

アメリカと違って、夫婦カウンセリングもまだ普及していないので、パートナーとの間で問題を抱えたときに第三者に相談する習慣もありません。

義務教育で他者と向き合うスキルを習わず、漫画やドラマでも対話しないパートナーシップばかりを学ぶ。そしてパートナーとの対話を学べるサービスもない。

こんな社会構造の中では、パートナーとの関係を維持するスキルは極めて育ちづらく、苦労する人が多いのは当然と言えます。今パートナーとの関係性で悩んでいる人は、決して自分を責めたりする必要はありません。

“建設的な話し合い”を支える仕組みをつくりたい

教育体制は今すぐに変えられないし、育った環境や人間関係など、今までの人生での体験をひっくり返すのは難しい。だからこそ、パートナーシップスキルが育ちづらい現状を仕組みで解決したいと思っています。

運営している「ふたり会議」は、カップル・夫婦で気軽に価値観を共有でき、対話を支援するサービスです。

「お互い意見が違っても、前向きに話し合える経験が初めてできた」「価値観の深い話を初めてできた」などの声を多くいただいています。

自分の不安を相手に伝えられないまますれ違ってしまうのではなく、「自分の意見を伝えてもいいんだ」「意見が違っても、ふたりで乗り越えていけばいいんだ」と実感できることがパートナーシップに必要な第一歩だと思います。

教育や社会の仕組みを変えるのは時間がかかるけど、話し合いの成功体験なら生み出していける。『ふたり会議』を通して、継続的に話し合える仕組みをつくっていきたいなと思っています。

カップル・夫婦の対話を支える『ふたり会議』

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