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仕事も結婚生活も、誰のせいにもしない「無責」で考えるとうまくいく話

パートナーとの関係に悩んでいる方のお話を聞いていると、「自分のせいだ…」と自分を責めてしまったり、「相手が悪い」と対立構造で問題を捉えてしまっているケースが非常に多いと感じます。

私はこんなとき、自責でも他責でもなく、誰のせいにもしない「無責」の考え方でアプローチしてみては、とよく話しています。

パートナーとよく意見がぶつかってケンカになってしまう人はもちろん、仕事やほかの人間関係に悩む人においても、無責の概念を取り入れると人生めちゃくちゃ過ごしやすくなると思うので参考になれば嬉しいです。

自責でも他責でもない、「無責」とは?

問題が発生したときに、責任を個人に求めるのではなく、全体の構造から根本的な課題を捉えるようにするのが「無責」の考え方。

無責については、こちらの記事がとてもわかりやすいです。

青野:ビジネスの世界では、「他責ではなく、自責で考えよ」とも言われますが、僕は「無責」が好きなんです。

(中略)

青野:
たとえば、顧客からのクレームが発生したとき、「開発のせいだ」「営業のせいだ」と自分や誰かのせいにするのは無意味だと思っています。複雑なさまざまな要因が絡み合っているから、犯人探しをしたらきりがありません。起きるべくして起きたと「無責化」すれば、チームでおたがいを責め合わずにすみます。

熊谷:そうですよね。犯人を追い詰めて罪を償わせることよりも、無責化して分析することの方が大事なのではないかと。

自分や相手にはそれぞれの価値観があって、それは違っていて当たり前。だから、「どちらが悪いか」を追求することには意味がありません。

ただ、もちろんお互いの意見をぶつけ合っているだけでは、ふたりにとっての最適解がいつまで経っても見つかりません。

仕事やパートナーシップの問題を「無責」で考えてみる

では、どうすれば周りの人とうまく問題解決していくことができるのか。

仕事やパートナーシップで起こりがちな問題を具体例に分析してみます。

仕事のケース:新人の電話対応がイマイチで、顧客からクレームを受けた

▼個人の責任として考えてしまうと…
・問題:新人のスキル不足、学習不足
・視点:ミスをした新人が悪い
・解決策:「新人に非を反省させる」「個人の能力を向上させよう」という着地になりがち

この考え方だと、ミスをした新人のスキルは改善されるかもしれません。ただ、どんな年次の人でも同じようなミスをしないとは限りませんし、また部署内に新人が入って来る可能性を考えると、組織全体としてはミス再発の恐れが残ってしまうのではないでしょうか。

▼「無責」で組織全体の問題として捉えると…
・問題:ミスを防げる仕組みがないこと
・視点:誰も悪くない、全員にミスは起こり得る
・解決策:部署共通の電話対応マニュアルをつくる など

ミスを個人の責任だと非難するよりも、「失敗は誰にでもあるから、電話対応のマニュアルや研修を充実させよう!」という前提で問題を捉えたほうが建設的なアプローチができそうですよね。

結婚生活のケース:お互い仕事が忙しく、パートナーと家事分担で揉めた

▼個人の責任として考えてしまうと…
・問題:
パートナーが家事に非協力的、もしくは仕事への理解がないこと
・視点:自分の状況を理解してくれない相手が悪い
・解決策:どちらかが折れて家事を多くやる など

パートナーとは1対1の関係なので、つい自分か相手のどちらかに責任の所在を求めてしまいがちです。ですが、結局どちらか一方に負担がかかりすぎたり、我慢したりしなければならなくなってしまう可能性が高い。

こちらのケースも、「家庭全体の問題」として構造から考えてみると、問題解決がしやすいと思います。

▼「無責」で組織全体の問題として捉えると…
・問題:
お互い仕事が忙しく、家事に割けるリソースが不足していること
・視点:誰も悪くない、お互いが満足するためにはどうするか
・解決策:家事代行などでアウトソース、お掃除ロボット導入、などふたりの家事総量を減らせる方法を検討する

家事を自分がやるか/相手がやるか、の二択にして役割を押し付け合うのではなく、家庭内のリソース不足が問題だと捉えることで、新たな視点や解決策が生まれる可能性があります。

パートナーシップにおける問題は、「ふたりのせい」ではない

パートナーシップでも仕事でも、トラブルが起きた時は大抵わざとではなく、お互い事情がある場合が多いです。自責しすぎても辛くなってしまうし、他責にしても何も解決しない。

一度「どっちも悪くないとしたら?」と考えてみると視点が変わってきます。

お互い仕事が忙しくて余裕がなくなってしまいそうなときは、「だれしも、負荷がかかってたらイライラしちゃうのは当たり前だよね」と捉え、どうしたらお互いが少しでも快適に過ごせるか暮らしの仕組みから考える。

ふたりの相性やコミュニケーションの問題にせず、
「根本的な課題はなにか?」
「どうやったらそれを取り除けるのか?」
と無責化して、ふたりで一緒に課題の解決方法を探っていけるといいですね。

お知らせ:
「家庭運営やライフイベントの知識を学んだり、対話スキルを磨く場所がほしい」というお声をいただいたので、パートナーとの対話を大切にし、長期的な関係を築きたい人のための会員制コミュニテイ「ふたりの教室」を運営しています。こちらもよかったらのぞいてみてくださいね!


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