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正社員ならなるべく辞めないのが吉。

「人事部勤務ワーママが書く保活ガイド」をお読みいただきありがとうございます。

今回は、保活を前提にした働き方の選択についての話です。

子育てをしながら働き続けるといっても、その”続け方”にはいろいろあると思います。新卒で入った会社に勤め続ける人もいれば、転職しながらキャリアを作る人、正社員から派遣へ、あるいはパートへ(またはその逆など)と就業形態を変える人もいるでしょう。ひとりの人の、人生の選択という意味においてはどれが正解ということはありません。その人の、そのときどきの状況をトータルで考えて、現実的に選べる中からなるべく良いと判断した選択肢を取るだけです。

ですが、こと保活を有利に進めるという観点からは、もしあなたが今、どこかの企業の正社員として働いているなら、なるべくならその職場を辞めない方法を選ぶことをおすすめします。

保活の土俵に乗るには"夫婦ともフルタイム"が必須条件という現状

認可保育園の利用調整の仕組みは、大まかに言えば、各世帯の状況を"保育園による保育の必要性が高い度合い"に応じて指数(点数)化し、高い順に希望する園へと割り当てる、という仕組みです。

"保育園による保育の必要性が高い"状況とは、その世帯に、就学前の子どもの面倒を日中見ることができる大人がいるかいないか、ということです。具体的には、働いている・病気である・障害がある・他に介護/看護しなければならない人がいる・配偶者がいない・・・などです。 夫婦はそれぞれについてこの条件に該当するかどうかを見られます。

このnoteを読んでいる方はおそらく「働いている」(シングルファザー・マザーを含め)に該当する方が多いと思いますので、以下、その前提に立って話を進めます。

一言で働いていると言っても、その就労形態や労働時間などはまちまちです。認可保育園の利用調整においてはそれを、主に「労働時間の長さ、およびその時間が固定的であるかどうか」という観点で見て点数化していきます。私の住む東京都墨田区の基準は以下の通りです。(2019年12月時点)

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夫婦1人ずつの点数は20点が最高で、その条件は「週5日以上、週40時間以上の就労を常態」となっています。そして、共働き世帯が増えて認可保育園の利用希望者がかつてなく多い現在では、特に首都圏では夫婦それぞれが20点の持ち点(世帯合計40点)を持っている、つまりフルタイムで働いていないと、認可保育園の利用調整の俎上にそもそも乗れなくなっているのが実態です。(状況は自治体によって異なりますので、詳しくはお住まいの自治体に問い合わせて確認することをおすすめします)シングルファザー・マザーの場合は、配偶者がいないという事実をもって20点になるので、それに自身の就労状況に応じた持ち点を加えます。

(なお墨田区の場合、この「週40時間」には60分の休憩を含めてよいことになっていますので、労働時間という意味では週35時間=1日7時間でよいことになります)

さらには、会社に在籍して育児休職を取得していると”育休中”の加点がつきます。これに該当する世帯が多いためでしょう、実質的には夫婦フルタイム40点+育児休職加点(墨田区の場合2点)がスタートラインになっている自治体が多いのです。保育園に申し込みを出す時点で会社を退職していた場合、育児休職の扱いにはならず、この加点がつきません。

このような理由から、企業で働いていて育児休職を取得できる状況であれば、できる限り辞めない方がよいということになります。

転職のタイミングにも要注意

転職や起業を考えている方は、そのタイミングにも注意を要します。育児休職中であるというステータスで保育園の申し込みを行った場合、認可保育園に入園できた暁には、育児休職を取得している会社と同じ会社に復職することが必要になります(墨田区の場合)。

もしも育児休職中に転職活動あるいは起業をして、育児休職の終了と同時に退職して新しい仕事で復職しようとすると、せっかく出た認可保育園の内定が取り消しになることがありますので要注意です。転職や起業を考えている方は、必ず自治体の認可保育園入園の要件を確認しましょう。

オマケ:正社員でいることが、住まい選びの選択肢を広げるという現実

日本企業の終身雇用制が終焉を迎えつつあることは、だんだんと共通認識になってきているように感じますが、人事部で働いている・働いたことがある人にはよりリアリティを持って感じられることだと思います。トヨタ自動車の社長が、終身雇用制を維持するインセンティブが企業側になくなってきているという趣旨の発言をして話題にもなりました。

もとより、日本に限らず先進国においては人生100年時代ということが言われるようになり、ひとつの企業に勤め続けて狭い世界の中でのみキャリアを築くことのリスクもかつてなく大きくなっています。

しかし一方で、日本社会に暮らす上では今なお、企業の正社員として1ヶ所で長く勤め続けることが高いメリットをもたらすのも事実です。企業が社員の身元保証人になってくれるようなもので、大企業の正社員が住宅ローンの審査に通りやすいのはその典型です。住宅ローン審査においては勤め先、年収の他に勤続年数も重要な審査項目ですから、単に正社員であるだけでなく、ひとつの企業に長く勤めることにまだまだメリットがあるのが現状です。

保活において、住む場所選びが初めの一歩であることを繰り返し述べていますが、住む場所選びの中には当然ながら、"借りる"選択と"買う"選択があります。その"買う"選択肢においては今でも、正社員が有利なのです。

特にこどもが生まれると、住んでいる自治体やコミュニティとの関わりが生まれるため、ひとたび保育園に入ったあとでは、転園を伴う引越しにはハードルが生まれます。また、保活の観点においてはそもそも、その自治体に長く居住している(=住民税を納めてその自治体に貢献している)こと自体が有利に働くため、自治体からの転出入には慎重にならざるを得ません。

それなりにその地域が気に入って、長く住まうことを考え始めると、それまで賃貸住宅で生活していたとしても、購入するという選択肢が浮上するのは自然なことです。そしてそれがしやすいのは正社員です。もちろん夫婦のどちらかが正社員でもよいのですが、夫婦とも正社員であればそれぞれが独立したローンを組むことができるので、選択肢はより広がります。

少し話が逸れましたが、このようなやや周辺的な観点から見ても正社員でいることは有利に働きます。ですから、会社を辞めることを考えている人は、(よほど労働環境が悪く、身体的・精神的につらいような状況でない限り)少なくとも保活がうまくいって、就学までの保育環境を確保したあとで検討することをお勧めします。

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日系企業の人事部で働くワーキングマザー。最近、日系企業に居ながらにして外資カルチャーなグローバル人事になりました。会社同僚であるオット、5歳♂、1歳♂の4人暮らし。会社から兼業許可を得て週末起業とのパラレルワークをしています。日本FP協会AFP認定者。

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