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認可・認証・認可外・・・結局のところどう違う?

「人事部勤務ワーママが書く保活ガイド」をお読みいただきありがとうございます。

前々回の記事で、結婚する、または結婚を前提にパートナーとの同居を始める際には、そのエリアの保育園の有無だけでも調べておくことをお勧めしました。

ところで、保育園には認可保育園と認可外保育園があるということは、なんとなく知っている方も多いでしょう。でも実際何がどう違うのかよく分からない、というのが、保活を始める前の人の本音ではないでしょうか。私自身がまさにそうでした。

そこで今回は保育園の種類とその違いを整理しておきたいと思います。

認可保育園=国が定める基準を満たした保育園。申込みは各自治体へ

保育園の設置は各自治体または社会福祉法人などが行いますが、その認可は国=厚生労働省(以下厚労省)が行っており、定員や保育士の人数、施設の広さなど、厚労省が定めた基準に従って判断されます。

自治体が設置したものは公立の認可保育園、社会福祉法人などが設置したものは私立の認可保育園ということになります。中には自治体が設置し、運営を民間に委託している「公設民営」の保育園もあります。いずれも自治体が利用調整を行っているため、入園したい場合は自治体の定めた手順に従って自治体に申し込みを出す必要があります。個別の園に対して入園を申し込むことはできません。

一般に4月からの入所を希望する人がもっとも多いため、どの自治体も、4月入所の申込みについては前年11-12月頃に一斉に受け付けて、まとめて利用調整を行っています。この時期は役所の担当部署にも問い合わせが増えて忙しくなりますし、また認可保育園側にも見学希望者が集中するため、役所も園も、問い合わせや見学が思ったスケジュールでできないこともあり得ます。ですから、少なくとも一斉申込みの時期はなるべく避けて、ゆとりをもって早めに問い合わせや見学をしておくのが得策でしょう。(激戦区では見学だけで半年待ちなんてこともあるようです・・・)

認可保育園の良いところは、何より全国統一の設置基準を満たしていることです。保育士の人数や施設の広さも確保されています。また、認可保育園は、私立も含めて基本的には公費で運営されるため、保育料も自治体毎に決められており、認可外の保育園と比較すると安いのが一般的です。

細かい運営内容は各認可保育園によって異なるので一概には言えませんが、上の子の保活をした際に10園以上見学した私の所感としては、公立の認可保育園は施設が充実している(園舎が大きい、園庭があるなど)のに対し、私立の認可保育園はサービス面で柔軟に対応してくれる(延長保育が遅くまで可能、家庭で用意するものが少ないなど)傾向があるように思います。

なお、認可保育園はその自治体に居住している人が優先的に利用できる仕組みなので、自宅から距離的には近いけれど自治体としてはとなりの市区町村になってしまう認可保育園とか、職場に近い認可保育園を使いたいという場合は、その保育園を管轄する自治体に問い合わせるか、該当の市役所・区役所等のホームページなどで利用の可否をあらかじめ調べるのが良いと思います。

認可外保育園=認可保育園以外全部。申込みは各園へ

厚労省の設置基準を満たさないものは全て認可外保育園です。「東京都認証保育所」「企業主導型保育所」なども認可外保育園に含まれます。

東京都認証保育所・横浜保育所などのように、厚労省の基準とは別に各自治体が独自に基準を設け、その基準を満たす園についてお墨付きを与えているものがあります。厚労省の基準には満たないものの、各自治体の地域特性などに合わせて作られているため、部分的には認可保育園よりも良い条件になっている場合もあります。これらはあくまでも自治体から"お墨付き"を受けているだけで、利用契約や保育料の設定・支払いも含めて完全に各園で運営されています。

企業主導型保育所は、企業が主に従業員の子を受け入れる目的で設置する保育園で、国(=内閣府)が整備費や運営費について補助金を交付しています。こちらも、厚労省の基準には満たないものの、各企業が自社の働き方などにマッチするように独自に設計できるため、必ずしも認可保育園と比べて劣るとは限らないでしょう。利用契約や保育料の設定・支払いといった運営は全て各園(企業)にて行われます。

その他に、上述のどれにも当てはまらない、純粋な「認可外」の保育園もあります。このように、一口に認可外保育園といってもいくつかタイプがあり、また保育の内容や特色は園によってまちまちなため、利用可能性のある保育園について調べる時には、まずはどのタイプに該当するのかを確認しつつ、Webサイトを見たり実際に見学したりすると良いでしょう。

東京都認証保育所など、自治体独自の基準に合致するように作られた園は、認可保育園の激戦区においては特に人気がありますが、申込み手続きの方法やスケジュールなどは園によりまちまちです。また認可保育園のようにある時期に一斉に申し込みを受け付けるのではなく、先着順になっている場合が多いようです。よって、見学や問い合わせに優先順位をつけるのであれば、このタイプの保育園を優先的に調べたり申し込んだりすることをおすすめします。

企業主導型保育所については、国による助成が始まったことで、今後増えることが予想されます。自分やパートナーの職場が保育所を用意しているか(用意する予定があるか)確認しておいて損はないと思います。
一般的に、企業主導型保育所は職場近くに設置されるケースが多いため、子どもの預け先のすぐ近くで仕事ができる安心感はあるでしょう。子連れで通勤電車に乗って職場近くまで行き、保育園に立ち寄ってこどもを預けて出社することになるので、子連れでの通勤が現実的に可能(ラッシュアワーの混雑がさほど酷くないなど)であれば、使いやすいかもしれません。

なお、企業主導型保育所は、従業員の子どもの他に、その地域住民の子どもを受け入れることもできるので、自分やパートナーの職場の保育園だけでなく、自宅近くにある企業の保育所についても調べてみると良いかもしれません。

私は、自分(とオット)の勤務先が設置している保育園に下の子を通わせて、今月から復職します。ただ、上の子が自宅近くの認可保育園にすでに通っているため、一時的に2人をそれぞれ違う保育園に送り迎えをしなければならず、決してラクではありません。なので、来年4月には上の子と同じ認可保育園に入れるよう、引き続き保活をするという状況です。

このように、保育園の種類を理解した上で下調べを始めると、保育園探しはよりスムーズになるかと思います。参考になれば幸いです。


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