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ジェーン・スーが聞く「音楽と私」 宇多田ヒカルさんインタビュー その3

こんにちは。自己満足な毎日をすごしたいです。


今回は、先日発売されたVOGUE JAPAN 7月号に掲載されている宇多田ヒカルさんのインタビュー紹介のその3です。


その1、その2はこちら👇



【In My Mode 宇多田ヒカルが語る、「今の私」に至るまで】

「コーチェラ・フェスティバル」参加の数日後に、宇多田さん自らが対談相手に指名したジェーン・スーさんとのロングインタビューです。

<シングルだった長い期間が自分と向き合うきっかけに>

スー:プライベートの変化に伴う気づきは、ほかにあった?

宇多田:こんなに長期間恋人がいなかったのは初めて。初めてちゃんと自分と向き合った。それまでは、誰かの気持ちを必死に考え続けることが、自分の気持ちを考えないでいる理由になっていた。そこで初めて自分との関係を持った気がして。シングルの長い期間が、一番手応えがあった理由かな。


スー:「time will tell」のときからずっと、宇多田さんは常に他者が平穏でいられるよう心を砕いている印象だったが、今作からはそれをあまり感じなかった。現時点で、宇多田さんは誰に向けて歌っているんだろうと思って。

宇多田:自分でもずっと疑問だった。「誰かに向けて歌う」という感覚がわからなくて。強いて答えるなら、「そこにはいない誰か、ここではないどこかに向けて歌ってる」としか言いようがない。集中して歌えてるときは、私もここから消えてるような感覚で気持ちいい。


スー:思いが作品になるまでに、どんな工程がある?

宇多田:歌詞は最後に書く。楽曲は思考とは別で作っていく。メロディーのアイデアを考えながら歌っていて、歌詞がない状態でもすごい泣いちゃうときもあるし、とても表には出せないけれど、仮の歌詞が自分の深層心理とリンクしたと感じた瞬間に、泣きながらしばらくそれを歌っていることもある。歌詞から書くのはできない。コードとトラックをある程度作って、メロディーとの関係性の中に私の感情がこもっていて、それを自分で分析するというか。バラバラになった時計みたいなパーツがうわーってある中から、部品をまとめていって、こういうものになりうるんだと、また組み立てていくような。

スー:最初に出てくるのは、無意識の断片ということ?

宇多田:そう。その中から良いメロディーを選んでまとめて構築していく。テーマや気持ちを描写する上で、状況や設定があやふやだと、どうしても核心に迫ることができないので、自分の気持ちとリンクするキャラクターを考えたり、複数の人の視点を歌詞に入れるのが好き。シンプルな内容に見えても、何人かの関係、あの人の気持ち、あの人のあの視点入れちゃおうとか、この状況、この時期、とか結構混ぜてる。歌詞においては、「私の視点」と「他者の視点」も、実体験とフィクションも、同等。

スー:俯瞰して作詞する



楽曲の作り方、歌詞の書き方に言及していますね🥰


「宇多田ヒカルの言葉」でも、歌詞については書かれています。

まえがきより☝️

(この本では、)当時までに書いた日本語詞を三期に分けていて、初期は「自分の無意識にあるものを表面にすくい上げる行為」を無意識にしており、第二期は、それを意識的に行うようになり、すくい上げるというより潜りに行くようになった。そうすると、表現の密度も増して物書きとして新しい段階に入った手応えがあった。第三期では、活動休止とともに一個人としての止まっていた時計が動き出し、自らに課していたさまざまな検閲を取り払うことで表現の幅も広がり、それまでになく己をさらけ出すような作品もそれまでになくフィクション性の高い作品も登場する。一貫しているのは、作品の世界に作者の自我の痕跡を残さないような作風と、アルバムごとに日本語とより真摯に向き合ってきたことだろうか。


それまでのインタビューなどでも、歌詞は最後に書く、というのは宇多田さんご本人が言われていましたが、書籍として出てくると、一層深みが増す気がするな😊


「宇多田ヒカルの言葉」の発行とそう変わらない時期に放送されたNHK「SONGS」では、芸人の又吉直樹さんとお話をしています。さらに「プロフェッショナル」では「夕凪」という曲の歌詞を書く場面がありました。詩を読みながら涙を流してという場面が印象的でしたね❤️


今回のインタビューでも、これまでのことでも、ファンとしては新たな作品を楽しみにしていることに嘘偽りはないんだけれど、ゼロから生み出すって、産みの苦しみではないけれど、ものすごい時間とエネルギとが必要なんだろうな🤔

そんなものに触れさせてもらえるって幸せだ❤️❤️❤️


というところで今回はおしまい☝️


最後まで読んでいただき、ありがとうございました🙇


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