ファイナルファンタジーが怖い話

ファイナルファンタジーが怖い(特にⅦとⅩ)。


これだけ言っても伝わらないと思うので、しょうもない話ではあるが説明しようと思う。



僕は父親の影響で昔からドラクエが好きだった。特に"Ⅷ"がお気に入りで、ひとりっ子だったこともあり小学生の頃はプレステ2と過ごす時間が長かった。
なのに、ファイナルファンタジーにはほとんど触れずに生きてきた。唯一プレイしたことがあるのが"Ⅹ"で、それ以外はなんとなくのストーリーすら知らない状態だ。


国民的RPGであるFFがなぜ怖いのか。その原因は唯一プレイしたことのある"Ⅹ"にある。


FFXはゲームファンなら誰もが知る名作で、(当時)最高峰のグラフィック、そしてFF史上初のキャラクターボイスと共に描かれる壮大なストーリーは小学生の僕にも分かるほど面白かった。今思うと「異世界転生モノ」の走りみたいな内容だが、おそらく当時の男性はユウナに、女性はシーモアに惚れに惚れまくったことだろう(偏見です)(ルールーも好きです)(ワッカもイケメンです)


魅力的なキャラ、壮大なストーリー、革新的なバトルシステム。そんなFFに、僕にとって唯一にして最大のプレイへの障壁となる欠点があった。


めちゃくちゃ時間がかかるのである。


さすが毎度毎度ファイナルなファンタジーを謳うだけあって、話がめちゃくちゃ長い。ポケモンはジムリーダーを8人倒すとチャンピオンに挑戦できるが、感覚としてはジムリーダーが30人いるくらいの長さである。
もちろん、「長く遊べる」という観点で見れば素晴らしいことだし、その長さが好きな人もいるだろう。しかしこの長さは僕にとって、新たな作品をプレイする大きな障壁になっている。

"Ⅹ"プレイ中も、何度も心が折れそうになった。ようやくシンが見えたと思ったら「シンの体内」というグロテスクなステージに飛ばされ、最後の方は何と戦っているのかとよく分からなかった。


もちろんファイナルファンタジーシリーズ、特に名作と言われる"Ⅶ"にはすごく興味があるし、プレイしたいとも思っている。ただ、長すぎて最後までプレイできない。


そしてこの長さ、そしてそれにより未だプレイしていない数々のファイナルファンタジーシリーズが、前述の「怖さ」につながるのである。

FFXは紛れもない名作で、記憶の中にハッキリと残っている。だがそれは断片的で、正確に全ストーリーを覚えているわけではない。だからもう一度プレイしたいのに、その断片的な美しい記憶を埋めてしまうのが怖いのである。もし記憶してたほど面白くなかったら嫌だな、感動しなかったらどうしよう、曖昧な記憶を上書きしたくないな、という怖さが、プレイする手を止めるのである。

先日もプレステを起動してFFXをプレイしようと試みたが、ビサイド島(ポケモンでいうところのニビシティ)に着いたところで手が止まってしまった。

Ⅹと同様の理由で、他作品にも怖さを感じる。特にシリーズ屈指の名作とされるⅦも、今の自分が「FFⅦ」に寄せる期待を期待のままにしておきたいという恐怖心からプレイできない。最近はリメイク版のCMをよく見るが、それを目にするたびに胸を掴まれるような思いになる。


以上、長々と話したが、だからといってどうということはない。これからもよっぽどのことがない限り、FFをプレイすることはないだろう。それでも僕はFFが好きだし、RPGが好きだ。それだけのことである。

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