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コロナ収束に向けた医師たちの挑戦 〜あなたのワクチンの不安に寄り添いたい〜

不安が押し寄せるコロナワクチン

新型コロナウイルス感染症のパンデミックが始まって早くも1年が過ぎようとしています。

私たち医師もこの1年間は常にコロナウイルスと向き合う時間を過ごしてきました。

手洗いやマスクなど、感染予防策の確立や治療薬の開発が進んでいる一方で、未だ感染流行の収束の目処は立っていません。

そんな中、希望の見えるニュースが届きました。

「ワクチンが95%の有効率を示した。」

想像を超える有効率の高さに驚く間もなくいち早くワクチン接種の機会をいただき、昨年12月と今年1月、医療従事者としてアメリカの病院にてワクチンを接種しました。

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今回誕生したワクチンは、mRNAワクチンやウイルスベクターワクチンと呼ばれる新しい技術を用いたワクチンです。これらの新技術には、過去10年や20年以上の叡智が詰まっていますが、同時にこの新しい技術への不安や危険性を懸念する声も高まっています。

また、それに伴ってSNSなどでは心ないデマ、誤情報の拡散が見られます。

これまで受けたことのないワクチンを接種することに、もちろん不安もあるでしょう。また、多くの方々が、コロナ罹患のリスクとワクチン接種のリスクを天秤にかけて、悩んでいらっしゃるかもしれません。

プロジェクト誕生まで

そんな不安に溢れる状況を打破すべく、業務外の時間で、私自身もSNSやメディアを通じて、より科学に誠実で忠実な情報を幅広く拡散したいと、寝る時間も惜しんで取材を受けたり、記事を執筆してまいりました。

しかし、1人の医師でできることには限界があります。どれだけ原稿を書いても、私のSNSや質問箱には山のように質問が寄せられました。誤情報との戦いへの勝算は見えてこず、途方にくれるような気持ちにもなりました。

また、ここニューヨークでは、日本より先んじてワクチン接種が始まり、ワクチンの相談窓口となるコールセンターもできましたが、たちまちパンクしてしまいました。

多くの相談は、接種前の質問や接種後の副反応(発熱や関節の痛みなど)についてです。

その後、「コールセンターに電話が全くつながらない」「予約もできない」といった不満の声が次々と、私の耳にまで届くようになりました。

こうした負の感情の高まりは、感染者診療に追われる医療機関にも大きくのしかかり、日々コロナ患者の治療に追われる中で、ワクチン接種後の対応にも追われています。

このような状況は、できるなら日本では経験してもらいたくはない。なんとか日本の医療現場を助けられるような方法はないだろうか。

頭を悩ませる中、日米の有志の医師で集まり意見交換を行いました。

何か私たちにできることはないだろうかーー。

そんな中、知恵を絞って最初に誕生したのが、ワクチンのための「コロワくんの相談室」LINE botです。

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これならば、皆様の疑問に医師が直接回答できる。そして少しでも身近に情報にアクセスしてもらえるかもしれない。

こうして我々のプロジェクトはスタートしました。

約2週間でサービスを立ち上げ

プロジェクトを発足したものの、医師だけではサービスの開発はできません。そこで、知り合いの会社にお願いをし、約2週間でLINE botは完成しました。

毎日のようにオンライン会議を行い、たくさん議論を交わしたので、皆さまにとって少しでもお役に立てるサービスになるだろうと期待しています。

また、botでの返答について、予測のできる問い合わせについてはカバーしているものの、何かしら状況が変化したり、カバーしきれていないものについては、随時、医師メンバーが確認し、更新する予定です。

本来であれば、利用者からサービス料などを取ることで資金を調達し、運営していくべきかもしれませんが、どうしても多くの方々、年齢、性別などに関係なくご使用いただきたいと思っており、無料提供させていただくことにしました。

現在は、チームメンバーが出資し合って、運用を開始している状況ですが、運営費用のために、今回初めてクラウドファウンディングにも挑戦することにしました。

コロワくん・予防接種の輪を広げたい

さらに、コロワくんの輪を広げる取り組みとして、SNSフレームの配布を始めました。予防接種を受ける前の方、予防接種を受けた後の方がそれぞれ使えるよう3種類準備をしましたので、ぜひ写真に取り付けていただき、輪を広げてください。

▼予防接種への感謝をこめて
#ThanksVaccine フレーム
www.facebook.com/profilepicframes/?selected_overlay_id=1022380934951848

▼予防接種を待つあなたへ
#予防接種を受けよう フレーム
www.facebook.com/profilepicframes/?selected_overlay_id=359062411770545

▼予防接種したら皆に伝えよう
#Vaccinated フレーム
www.facebook.com/profilepicframes/?selected_overlay_id=448213729700381

最後に

私たちにできることは精一杯やりたいと思っています。何か気がついたことなどありましたら、気軽にご連絡をください。

少しでも皆さまのお役に立てることを願っています。

最後に、このプロジェクトに参画いただいた全てのチームメンバー(コロワくんサポーターズ)および支援をいただいた家族、友人に御礼を申し上げたいと思います。


山田 悠史

コロワくんサポーターズ一同

〈医療サポーター〉
代表:山田 悠史(マウントサイナイ医科大学 老年医学・緩和医療科)
副代表:高橋 宏瑞(順天堂大学医学部 総合診療科)
内科一般担当:原田 洸(岡山大学病院 総合内科・総合診療科)
感染症担当:小林 孝照(アイオワ大学 感染症科)
呼吸器担当:田中 希宇人(川崎市立川崎病院 呼吸器内科)
小児・アレルギー担当:堀向 健太(東京慈恵会医科大学葛飾医療センター 小児科)
公衆衛生担当:仁科 有加(OECD 雇用労働社会政策局 医療課)
免疫学担当:石原 純(インペリアルカレッジロンドン バイオエンジニアリング専攻 講師/免疫創薬研究室主宰)
産婦人科担当:稲葉 可奈子(関東中央病院 産婦人科)
国際保健・看護:友居 葉奈(ロンドン大学 衛生熱帯医学大学院)

<技術開発サポーター>
金子 穂積(Sun Asterisk CTOs’)
坂元 麻貴子(xenodata lab. CDO)
大山 晋輔(Spir CEO)


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