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クリエイターエコノミーとは?インフルエンサーが中心となる新たな経済圏

昨今米国シリコンバレーで話題の「Creator Economy(クリエイターエコノミー)」という言葉をご存知でしょうか?

昨今日本でも有力スタートアップを中心にクリエイターエコノミー協会が設立されるなど大きな注目を集め始めています。

この記事ではそんなクリエイターエコノミーについての概要を説明するとともに、クリエイターエコノミーにまつわる注目サービスなどをまとめてみました。

※時間ある際に追記していきますので、駄文拙文お許しください。

クリエイターエコノミーとは?

「クリエイターエコノミー」とは、クリエイターがコンテンツや情報を発信し、それらを収益化することで形成される経済圏のことで、すでに1,000億ドル(日本円にして約10兆円)以上の市場規模になっているとも言われています。※2021年現在

ニューヨーク・タイムズの一文を要約すると、

The creator economy, which provides digital tools to influencers and helps them run their businesses, is a huge, largely unexplored market.

クリエイターエコノミーは、活動するインフルエンサーに便利なデジタルツールという「武器」を与えることで彼らの活動を支援することでこれからも市場が拡大すると期待されています。

欧米の著名ベンチャーキャピタルも活発に投資しており、今後ますます注目を集める領域になるでしょう。

クリエイターエコノミーが形成される要因・背景

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昨今はFacebookやTwitter、YouTube、Instagram、TikTokなどのSNS、すなわちソーシャルメディアが盛んとなり、個々人が情報を発信したりコンテンツを作って発信することが容易となりました。

その結果、人々の可処分時間がTVや雑誌などの大衆に影響力を持っていた媒体からSNSに移り、その中でも特に人気を博した「インフルエンサー」と呼ばれるある種メディアに匹敵する影響力を持つ個人が誕生しました。

しかし、市場が急激に拡大してしまったため、インフルエンサーやクリエイター周りには課題が山積でした。

例えば、活動の総務や経理業務、SNSデータの可視化、ルーティンの自動化、自社ショップの立ち上げ、活動の認知拡大など、これまでにはなかったような課題が生まれました。

そこで彼らの課題を解決するべくさまざまなサービスが生まれ、「クリエイターエコノミー」が形成されてきました。

クリエイターエコノミーのもたらすメリット・デメリット

クリエイターが主役となってお金を稼ぐ経済圏が出来上がった際にはどんなメリットやデメリットがあるのでしょうか。

まず大きな流れとして把握しておくべきなのは、プラットフォーマーや事務所からクリエイター個々人にパワーが移るということでしょう。

というのも、これまではクリエイターが個人的にお金を稼ぐことは難しく、どうしても中間者の存在が不可欠でした。

仕事の営業や調整、クライアント探しなどの業務を代行し、ある種ブラックボックスのような形で手数料フィーを中間者が得るということが往々にしてあったはずです。

しかし、クリエイターエコノミーにおいてはSNSや便利なツールを駆使して自分達で仕事を完結させることが容易になってきたため中間者の介在価値が著しく低下しています。

※サービスイメージがわかない方は、「主要SNS以外にクリエイターエコノミー関連のどんなサービスがあるのか?」の章を読むとイメージが湧きやすいかもしれません

さて、前置きが長くなりましたがその前提でメリット・デメリットを整理すると、

▼メリット

・数字のあるクリエイターは立場が強くなり、交渉力を得やすくなる

・中間者を挟まずクリエイターに直接仕事の依頼ができるため、適正単価になる

・コラボレーションツールなどによって、さまざまなチャンスや露出が得られる

▼デメリット

・ツールを使いこなせないクリエイターは現状維持、取り残される

・中間者(主に事務所)は介在価値が薄まるため、体制変更・価値創造を強いられる

など、実力や数字の伴ったクリエイターにはハッピーな世界、一方でツールを使いこなせないクリエイターや中間者にとっては良いことばかりではない世界が到来すると思われます。

主要SNSによるクリエイターエコノミー支援

クリエイターエコノミーが生まれる主たる原動力となったSNSですが、彼らがすでに提供しているサービスや機能をご紹介します。

※2021年7月時点

Twitter

Super Follow(スーパーフォロー):月額課金をすることでクリエイターの特別なコンテンツにアクセスできるようになる機能。フォロワー1万人から利用可能、一定つぶやきが必要。

Revue(ニュースレター機能):メルマガを無料、有料で配信できるような機能。

Spaces(スペース機能):従来のテキストのつぶやきに加えて、音声配信ができる機能。2021年1月-2月に流行ったClubhouseのような機能です。

YouTube

SuperChat(スパチャ):ライブ配信中に使える投げ銭機能。

動画投げ銭機能:投稿者がUPした動画に対して投げ銭できる機能。

メンバーシップ機能:月額課金で特定コンテンツにアクセスできる機能。

Isntagram

ショッピング機能:投稿内に商品リンクを張ってショップ連携できる。

※一部インフルエンサーには投げ銭機能、限定公開ライブ、アフィリエイト機能など提供

TikTok

投げ銭機能:クリエイターに投げ銭ができる機能。※一部クリエイターに提供


主要SNSはクリエイターエコノミーの土壌形成に関わっているだけでなく、活動サポートにおいて必要な機能を今後も複数リリースする意向のようです。

主要SNS以外にクリエイターエコノミー関連のどんなサービスがあるのか?

現在ベンチャーキャピタルによる投資が盛んなクリエイターエコノミー分野ですが、主要SNS以外に実際にどのようなサービスがあるのか具体的な例を欧米、日本から代表的なサービスを記載しました。

完全に網羅はできないので、目立った調達などを行っているメインサービスのみ掲載しているのでご容赦ください。

クリエイターブランドショップ立ち上げプラットフォーム

Pietra:クリエイターのブランドショップを簡単に立ち上げられるサービス。コスメ、アパレル、香水、ジュエリー、CBD、水着など高級品の取り扱いが多め。倉庫や物流、決済もパッケージに入っている。

Base(JP), STORES(JP):オンラインショップを気軽に立ち上げられるサービス。

クリエイターの経理・総務代行プラットフォーム

Stir:クリエイターやインフルエンサー活動上の収益をひとまとめに管理できる。コラボや動画編集代金の支払い、税務管理、チーム活動の場合簡単に収益分割などスムーズに行える。

SNSコラボ支援サービス

pearpop(US):ソーシャルメディアコラボサービスで、著名人とのコラボを購入できるプラットフォーム。クリエイターはコラボによって知名度UPやフォロワー数UPを狙える。

サブスク型ファンクラブサービス

OnlyFans(UK), Patreon(US) :月額課金でクリエイターを支援できるサービス。月額課金したユーザーはクローズドな環境でクリエイターの特別なコンテンツにアクセスできる。

fanbox(JP), fantia(JP), Ci-en(JP) :同上。ファンボックスはイラストレーターに、ファンティアやシエンは同人系クリエイターが多い。

リンクまとめホームページ作成サービス

Linktree, Beacons:散らばったソーシャルリンクをワンページでまとめられる便利なサービス。

クリエイターエコノミーの未来

急成長を遂げるクリエイターエコノミーですが、これは一過性のバブルなのかそれとも今後も拡大していく成長産業なのか。

その未来について様々な意見が現状飛び交っています。

私個人の見解としては、多少の市場のトレンドの揺れはあるもののクリエイターエコノミー市場は今後ますます拡大していくと考えています。

誰もが気軽に情報やコンテンツ発信でき、かつそれを簡易にマネタイズできるとなった時、どう考えてもこの市場以前のお金の稼ぎ方に戻ることは無いと思います。

一部ギルド的な思想でインフルエンサー同士が情報共有のための小規模な事務所を設立して、事務所が群雄割拠するなどはもうすでに一部起こってたりします。

スタートアップ業界に目を向けると、この拡大する市場に対して多くのツールやサービスが日夜開発リリースされています。

今後数年はしのぎを削った市場競争が活発となり、いくつかのサービスのみが生き残るようなそんな未来が待っているような気がしています。

弊社でもライブ配信拡張ツールや、クリエイター向けのサービスをローンチしているのでこのクリエイターエコノミーという市場で生き残れるよう日々研究を欠かさず邁進していきたいと思います。

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