靴下を集める本当の理由 第47回 月刊中山祐次郎
靴下を集めている。
それを履き、写真に取り、ツイッターに公開するようになってもうずいぶん経つ。その不思議な行動に、いろんな人がいろんな反応をした。ツイッターのフォロワー数は、靴下公開を始めてからぐっと増えるスピードが上がった。月に300人ずつくらい増えていたのが、倍の600人になったのだ。
多いのは、「面白い」「どうやって集めてるの」というものだ。ふつう人々は、靴下には「足を保護する」機能しか求めない。面白い絵柄とか、新しい別の機能、例えばあるけば気分が上がるとかお腹がいっぱいになるとか、そういうものは求めないのだ。
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なんとなく面白い靴下を集めるようになったのは、医者が良く行く学会のお土産に苦慮した時からだった。私を含む医者の多くは学会と称して年に数回、国内外へ泊まりがけで行く。その度に留守番になる医師に、当地の土産を買っていくのだ。
多いのは食べ物だ。しかし、私は旅で荷物が重いのを極端に嫌う。頼まれていたりしてどうしても買わねばならない場合は、郵送するくらいである。だから私は食べ物を買いたくなかった。
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