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【無料】お笑い賞レースはオリンピックと違うんやわ

過去最高クラスのコントが乱打されたキングオブコント2021。
今回の空気階段は神懸かり級にズバ抜けていたとしても、全組のファイナリストがおもろすぎました。

盛り上がったがゆえなのか、キングオブコント関連のネットニュースも多い。
それだけ話題になるのは素晴らしいことだと思うのですが、1つだけ気になることがあるので文章にしておきます。

いちいち言わんでいいことなのは百も承知なのですが、
お笑い賞レースってオリンピックとは違うんよ。って話です。
2000文字くらいなので最後まで読んでください。

お笑い賞レースってバラエティ番組なんです。
分かっとるわい!と言われそうですけど、意外と分かっていない人が多くて驚きました。

今回、順位的には最下位になったニューヨークが、審査終わりの松本人志さんのコメントに対して噛みつくように返す場面がありました。
そのクダリを切り取ったネットニュースがちょこちょこ上がっていたのですが、あえてニューヨークを無礼者のように見せるタイトルをつけているネット記事も散見しました。
気のせいでなければ記事のタイトルに「責任転嫁」って文字も見えましたが…

ん?正気か?さすがにそのミスリードはアウトでしょ。

当たり前の話ですけど国民の全員が全員キングオブコントを観ているわけじゃないので、そのネットニュースの見出しだけ見る人も多いわけです。
見出しだけを見た人にとっては、ニューヨークのイメージが悪く映って終了ですよ。
記事の中身を読んだところで、文字だけでは伝わりきるはずもない。
所詮はネットニュースなんて言われ方はされますけど、もうさすがにやめときましょう。
品もなければセンスもない。せっかく神回キングオブコントって言われてるのに、ネットニュースがセンスゼロでどうすんの?

この現象はニューヨークが売れたことの裏返しですし、良くも悪くも話題に上るのは注目されている証拠でもあります。

ただ、褒めるにせよ叩くにせよセンスがないのは辛い。
もう一度言いますが、お笑い賞レースってバラエティ番組なんです。

もちろん、出場芸人が全てを賭けるほどに真剣なガチンコ勝負のリングです。
審査員だって人の人生を左右する役目なので目がバキバキになるくらい本気です。
そういった緊張感も込みで面白いわけで、その絶妙な塩梅がお笑い賞レース最大の魅力です。
笑いは緊張の緩和なんて言われますが、ある意味では究極の緊張の緩和。
その最高峰を一点に閉じ込めている賞レースこそが権威と共にソフトしても最高の強度を持ちます。

どれだけ人生を賭けていようと、どれだけ張りつめた空間であろうと、その場で繰り広げられる全てのシーンが「お笑い」であること。
ここだけは絶対に分かっておくべき。

出場芸人もプロの笑かし屋です。審査員もプロの笑かし屋です。
選ばれし笑かし屋たちが全員で作り上げて一組の勝者を決めるお笑い祭りが賞レースなんです。

点数が出て最下位になる。これはその時の流れも審査員の好みもあるので仕方ない。順位を決める以上、誰かは最下位になります。

そこでニューヨークは咄嗟のパフォーマンスとして審査員長である松本さんに噛みつくような発言をしました。
これがミスリードを誘発するようなネットニュースに上がったりして変な叩かれ方をする流れを作られるのですが…
あれ、全て本番中のやりとりなんですよ。

全部が生放送中に起こった出来事であり、プロとプロの絡みをカメラの前でやっているわけです。
それってダメなことなんですか?あれは本番中ですよ。

じゃあ点数出て最下位になった時は落ち込んでショボンとしてたら正解なの?
別にそれも人それぞれだとは思いますけど、カメラが回ってるうちは全部キングオブコントです。
ネタの最中もプロですけど、平場の最中もプロですから。
何か仕掛けたっていいのでは?
こんなことまで叩かれだしたら、お笑いの楽しみ方が奪われます。

これが例えば、審査員に向かって履いてる靴を脱いで投げつけたりして本気でキレたならば最低最悪です(やらんでしょうけど)
本番後にSNSなどで審査員への罵詈雑言や批判を発信するなど陰湿極まりない行為をやったならば完膚なきまでに叩き潰されるのは当たり前。

審査員だってやりたくてやってるわけじゃないのは重々承知なはず。
若手の夢のために一肌脱いでくれていることは、よっぽどのバカじゃない限り出場芸人側だって理解しています。

だけど、本番の最中にプロとプロとして芸人同士が絡むのは全てお笑いのパフォーマンスですから。
お笑いの賞レースはオリンピックと違いますからね。
アスリートじゃなくて、お笑い芸人ですから。
体操選手とかフュギュアスケートの選手が出た点数に文句言ってるのとは違いますよ。
バラエティ番組なので、平場も込みでバラエティですからね。

意外と分かっていない人が多くてビックリしたので、一応文章として書かせていただきました。

お笑いの賞レースって終わってから水を差すことが非常に多いですけど、日を追うごとに水を差す種類がどんどん増えているような…もう、これはメガトンパンチマンにやっつけてもらうしかないのか…

しかし、空気階段のコントは歴史に残るくらい面白かった。
いくらなんでもおもろすぎた。悶絶するくらい笑ってしまったなあ。

それもこれも全部お笑いやからね。

結局、水を差す力よりも笑いの力のほうが強いんだわ。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

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