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史上最高のM-1王者がブラックマヨネーズである理由

M-1グランプリの2020が始まっている。
今のご時世なので、異例の大会になることは間違いない。

昨年が神回だったのは周知の通り。
偶然か、必然か、全ての要素がバチっと音を立ててハマり、最高のM-1グランプリを作り上げた。

神回だったこともあるのか、2019年は決勝出場コンビ全組が恩恵を受けたと思われる。

優勝したミルクボーイは言わずもがな
準優勝のかまいたちさんも明らかに売れっ子の仲間入りを果たし、3位のぺこぱも今年から旬な若手の代表格になった。

最終決戦に上がれなかった他のコンビも、全員何かしらの恩恵は受けている。

やはりM-1には夢がある。それは間違いない。

今年はまだまだ何が起きるか予測不能。
賞レースにおける観客の有無は、結果も内容も根こそぎ覆すほどの影響力がある。
それどころか、本当に無事開催されるのか…?
といった、諸々の不安要素はあるにせよ
M-1グランプリの別格さは変わらない。

そして、今回はM-1グランプリ史上最強の王者について語ってみたい。

2001年にスタートしたM-1グランプリ。
途中休止期間を挟んではいるが、およそ20年の歴史になる。
大会全体として最も素晴らしかったのは、もしかすると昨年の2019年かもしれない。
もしくは、サンドウィッチマンさんが優勝した2007年。
劇的な展開やドラマチックさに関しては、2019年と2007年の2大会が群を抜いているかもしれないが、最強の王者はどのコンビ?と聞かれれば、答えは各々違うだろう。

好みの世界なので、完全なる持論にはなるのだが…
2005年の王者、ブラックマヨネーズこそがM-1史上最高だったのでは?という説を私は持っている。

ブラックマヨネーズさんがM-12005で披露したあの2本の漫才。あれがM-1史上、最大にして最強の瞬間最大風速を記録したと私は思っております。

あの2本の漫才。
何がそこまで桁違いの強さだったのか?
3つの理由と共に言及していきたい。

①ネタであってネタっぽくない

ご存知の通り漫才はネタである。
基本的には決められたセリフがあり、それを舞台の上で漫才師が実演していくのが漫才だとは誰もが知っている。

しかし、私が思うに漫才には大きく分けて2パターンある。
練習量が垣間見える漫才と、練習量を感じさせない漫才だ。

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