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【無料】M-1準々決勝で披露した滝音の漫才は完璧すぎる

…これで準決勝いけなかったの…?

それは一旦言いっこなしにして、とにかく圧巻の漫才。
M-1グランプリ2021準々決勝の舞台にて披露した滝音の漫才が何もかもにおいて完璧すぎた。

ネタの構成、話運びのテンポ、ボケの精度、ワードセンス、言い方の妙、掛け合いの上手さ、巧みな話術、人間味の溢れ方…

とにかく完璧すぎる。
これが仮に稽古場でのネタ見せだったとしても、ダメ出しの箇所が一つも見つからない。

滝音は独特なツッコミワードに注目されがちだが
この漫才の凄いところは、決してワード先行になっていないところにある。
もちろん、大きく笑いを取るポイントはツッコミワードなのだが、独特なワードの数々が決して浮いておらず全く異物になっていない。
ネタの中に自然と溶け込むツッコミワードになっており、「それ言いたいだけやん!」に全くなっていないのだ。

少し意地悪な目線かもしれないが、ネタでもエピソードトークでも「あっ、それが言いたかったのね」と気づいてしまう瞬間がある。
決してそれがダメなわけではないのですが、どこか冷静になってしまうのも一方で事実。

何も気づかせないこと=雑念ゼロで笑わせること。

派手さはなくとも、"しらこさ"を消すことは相当ハイレベルなのだ。

動画を観てもらえれば一目瞭然ですが、滝音の漫才は爆発的な笑いの渦にお客さんを巻き込んでいる。
ん?ウケすぎてる?と思う人も中にはいるかもしれないですが、このウケ方をするのは至極当然。

以前書いたももの記事でも言及しましたが、言葉をはめ込んでいく音が全て正解なのだ。

ズバズバ音が気持ちよく入ってくるからこそ、次の展開がどんどん見たくなる。
その上で、言葉を落とし込む間を外さない。
一番欲しいタイミングで捻ったワードの高音ツッコミが飛び込んでくる。
しかも、そのワードセンスが毎回予想の一個上に来る。
様々踏まえ、とにかく笑わざるをえない。

かなり理想的な漫才だと思っていますが、これも私の個人的な好みなのかもしれない。
誰よりも敗退に一番驚いたのは滝音の2人だと思うが、実際に準決勝に駒を進めることはできなかったので、これは好みの問題なのだろう。

お笑いをジャッジする基準は「好み」や「主観」でしかないのが真実だとしても、この滝音の漫才が素晴らしいことに変わりはない。
やはり、力のある漫才師がM-1に向けてゴリゴリに磨き上げてきた漫才はハンパじゃない。
通過も敗退も関係なく、良いものを見させていただけたと心から思える。
それもM-1グランプリの魅力の一つだと改めて理解できました。

ネット配信などが皆無だった一昔前なら、この漫才を見られる場所は現場以外になかった。
これは良いものが手軽に届けられる時代になったネット社会の素晴らしい部分でもある。

ネット社会は息苦しいけれど、ネット社会だって時には悪くない…
そんなことを教えてくれた滝音には阿吽の呼吸困難を駆使してワイルドカードから決勝まで勝ち上がってもらいましょう。

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