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タイ料理で覚えるタイ語(1)―トムヤムクン

お久しぶりです。ずいぶん間が空いてしまいましたが、今日は前からずっとやってみたかったことをやってみます。

みなさん、タイ料理はお好きですか?僕は大好きです。特にトムヤムクンが大好き。

タイ料理屋さんに行くと、メニューにタイ文字も一緒に併記されていることが多いと思います。このタイ文字、読めるようになったら楽しいと思いませんか?

実はタイ文字っていろいろとルールが複雑で、読めるようになるまでがなかなか難しいのです。子音字は42種類、母音は子音字に各種記号を付けて表します。子音の場合は ก = [k] というような文字と音の関係がありますが、母音の場合は [a] に対応する文字、というような1対1対応の関係ではなく、短母音・長母音の場合、末子音がない・ある場合…という形で同じ [a] の音でもつく記号が変わってきます。さらに、[ia] のような二重母音の場合はまた違った記号がついたり、[ai] の場合は特別な記号が用意されていたりと、母音を正しくつけて読むだけでもなかなかハードルが高いです。

さらに、タイ語には声調が5つあり、どの声調で読むかを示す記号が別にあります。さらにさらに、なんともややこしいことに「この記号だったらこの声調」という1対1対応ではなく、最初の子音(頭子音)が「低子音・中子音・高子音」の3つに分類され、頭子音がどのカテゴリかによって、同じ記号がついていても声調が変わります。「低子音・中子音・高子音」は覚えるしかありません。ややこしすぎんか、これ。

ということで、一つ一つ覚えるのは気が遠くなりそうなので、よく使う身近な単語からタイ文字に親しもうというのがこの企画「タイ料理で覚えるタイ語」です。タイ料理名のタイ語表記を覚えたら、タイでも好きなタイ料理を注文し放題!最高!ということです。

第1回の今日は「トムヤムクン」。

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発音は以下を参考にしてください。(トムヤムクンと言っているところから再生します)

ต้ม が「トム」、ยำ が「ヤム」、กุ้ง が「クン」です。ローマ字+声調で表すと tôm yam kûng でしょうか。

まずは ต้ม 「トム」から。ต は [t], ม は [m] の音です。ต は中子音なので、 ้ (ไมัโท マイト―)がつくと下声(âa = 高いところから下に落ちる声)になります。余談ですが、アルファベット表記のときの声調の記号と読み方が、中国語の場合と微妙に違ってすごくこんがらがる…。

続いて ยำ「ヤム」。ย は [y] の音で、ำ がつくと [am] の音になります。この読み方はよく出てくるなぁという印象。ย は低子音なので、声調符号がない場合は平声(aa = 高すぎず低すぎず、平坦な声)になります。

最後は กุ้ง「クン」。ก は [k] の音。42ある子音字の中で最初に出てくる文字ですね。ก ไก่ 「コーカイ = ไก่(鶏)のコー」です。ง は [ng] の音。鼻にかかる音です。ก の下についている ุ は [u] の音を表します。そして、 ก は中子音なので最初の ต้ と同様、 ้ がつくと下声(âa)になります。

さて、これで全部合わせて ต้มยำกุ้ง = tôm yam kûng が読めました!すごい!

ちなみにต้ม「トム」は煮る、ยำ「ヤム」は混ぜる、กุ้ง「クン」はエビです。タイ料理の名前は食材+調理法で表されるものが多いので、他の料理名にも同じ単語が使われていたりします。例えば ต้มข่าไก่「トムカーガイ」(鶏肉とココナッツミルクのスープ、ไก่ は先ほど出てきた「鶏」です!)とか、ยำวุ้นเส้น「ヤムウンセン」(春雨の和え物)とか。こうやって関連する言葉を見つけていくのも楽しいですね。

こんな感じで、のんびりとタイ料理でタイ文字を覚えていきたいと思います。次回はカオマンガイ。お楽しみに。

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