<ラグビー>2024年シーズン(6月第一週)
(どうでもよい「話の枕」です。関心ない方は飛ばしてお読みください。)
〇 豊洲のいつもの立ち喰い(といってもテーブルと椅子がある)蕎麦屋「箱根そば」で天玉そば¥600を食べた。いつも思うのだが、テーブルの壁には、禁煙と携帯電話使用不可のピクトグラムが貼られていて、その携帯電話のデザインが未だにガラケーになっている。これはここだけのことではないだろうが、携帯電話のデザインと形態は加速度的に進化しているので、そのうちこのピクトグラムの意味がわからなくなる日がやってくると思う。
〇 先週はダービーがあった。実家のTVで相撲中継を見ようとしたら、競馬中継だったので、なんとなく見ていた。しかし、寺山修司と山口瞳が死に、武豊から始まった騎手がアイドル化した時から、私が好きだった競馬はなくなってしまった。競馬場には、ミュシュランのレストランではなく、鉄火場に相応しい安っぽい立ち食いの焼きそばなどが似合っている。英国の競馬を真似しているとはいえ、英国の競馬は上流階級のものと庶民のものと二層に分かれている。それが日本では、無理矢理に上流階級あるいはブルジョア階級の娯楽に特化させているように思う。それはとても哀しいことだ。庶民の娯楽はあくまでも庶民が楽しむものなのだから。
1.スーパーラグビー第15週結果
クルセイダーズ43-10モアナパシフィカ
クルセイダーズ12番CTBに大ベテランのライアン・クロッティが入り、これが最後の試合となった。一方、モアナに大勝して、一時は8位に浮上したものの、その後ドルアがレベルズに大勝したため、クルセイダーズのプレーオフ進出は消滅した。ゲームは、HOコーディ・テイラーがモールから2トライ、クロッティもトライを記録するなど、クルセイダーズの元及び現オールブラックスのベテランが実力を見せつけた。
ワラターズ26-27レッズ
ワラターズSOはジャック・ボウウェン、レッズはローソン・クレイトンで、それぞれ来季を見据えた陣容となった。試合は、レッズが終始リードしていたが、72分のワラターズのトライで、26-24と逆転される。しかし、75分に、ワラターズの控えSOトム・ライナーがこの試合唯一のPGを決めて、辛勝した。
フィジードルア40-19レベルズ
ホームではめちゃめちゃ強いドルアが、ここでも勝つだろうという予想どおりに、ドルアは前半を19-19と折り返したが、後半は一方的に攻め、最後に大勝した。これでドルアは、クルセイダーズのみならずレベルズも抜いて7位に浮上した。今季限りでスーパーラグビーから除外されるレベルズは、大敗したものの、8位を維持してプレーオフ進出を確定した。
ハリケーンズ41-14ハイランダーズ
ハリケーンズHOにアサフォ・アウムアが戻ってきた。ゲームは、ハリケーンズが前半を29-14とリードし、後半はハイランダーズを無得点に抑えて圧勝した。この結果、ブルーズをポイント差で抜き1位に返り咲いた。11番WTBサレシ・ラヤシがハットトリック、7番FLデュプレッシー・キリフィーが2トライを記録した他、SHのTJ・ペレナラがスーパーラグビーの自身の持つトライ記録を更新した。また、HOアウムアも期待に応える活躍を見せた。
ブルーズ31-17チーフス
ブルーズは、前半を12-7とリードした後、後半も終始リードを維持してチーフスに完勝した。しかし、ポイント差でハリケーンズに抜かれ、2位でレギュラーシーズンを終えることになった。なお、両チームのオールブラックスたちは、期待通りの活躍をしており、テストマッチでのプレーが楽しみになっている。
フォース19-24ブランビーズ
フォースはSOにマックス・バリーという、来シーズンに向けた若手を試用した。試合は、実力に優るブランビーズが前半を7-17とリードし、後半もリードを維持して順当に勝利し、オーストラリア勢でトップとなる3位を維持した。フォースFBカートリー・ビールは、負けたとはいえ良いプレーを見せていたので、ワラビーズ復帰の可能性が出ている。
最終週終了後の順位とプレーオフの組み合わせは以下の通りとなった。
順位(1位から12位の順で記載)
ハリケーンズ、ブルーズ、ブランビーズ、チーフス、レッズ、ハイランダーズ、フィジードルア、レベルズ(以上がプレーオフ進出)、クルセイダーズ、フォース、モアラパシフィカ、ワラターズ
プレーオフの組み合わせ:
ハリケーンズ対レベルズ
ブルーズ対ドルア
ブランビーズ対ハイランダーズ
チーフス対レッズ
2.マドリードセヴンズ結果
2023―24年シーズンの最終戦かつグランドファイナルという特別な名称がついている大会となった。既にシーズン優勝は、男子がアルゼンチン、女子がブラックファーンズセヴンズに決まっているが、下位チームには来シーズンのコアチーム残留、また下部リーグのチームには昇格をかけた戦いとなった。
そして、男子は、アメリカ、ケニア、ウルグアイ、スペインが来シーズンのコアチーム入りとなり、女子では、中国、スペイン、日本、ブラジルがコアチーム入りとなった。一方、男子では、サモアとカナダがコアチームを外れ、女子では南アフリカが外れることとなった。なお、オリンピック出場権を賭ける最終予選が、6月21~23日にパリで開催される。
シーズンを通じて好不調の波が大きかったNZは、マドリード大会では、女子が3位、男子が4位と残念な結果になってしまった。特に男子は、フィジーにプールマッチ及び3位決定戦と連敗したのが心配される。一方、男女ともに勝利及び敗戦のいずれも接戦となっているため、全体の実力差は縮小している。来るパリオリンピックでは、男女ともにNZ勢が輝かしい金メダルと獲得することを願ってやまない。
女子
チャレンジマッチ(来シーズンのコアチーム入りを競う):
日本32-0ポーランド、日本14-17中国、日本26-14スペイン、日本26-12アルゼンチン
チャンピオンシップ(シーズンの上位12チームによる対戦)
NZ49-14英国、NZ17-26カナダ、NZ38-5アメリカ
準決勝
オーストラリア21-19NZ、 カナダ17-19フランス
3位決定戦
NZ26-14カナダ
決勝
オーストラリア26-7フランス
男子
チャンピオンシップ(シーズン上位12チームによる対戦)
NZ26-28フィジー、NZ33-24南アフリカ、アイルランド17-22NZ
準決勝
フィジー14-21フランス、アルゼンチン21-14NZ
3位決定戦
フィジー17-10NZ
決勝
フランス19-5アルゼンチン
3.その他のニュースなど
(1)リーグワンの各賞発表で、モウンガが複数受賞。
リーグワンの各賞が発表され、ブレイブルーパスのSOリッチー・モウンガがMVPとベストフィティーンなどの複数を受賞した。リーグワンについては、「コーチや選手など外国人ばかり」と揶揄する人もいるが、今や世界から注目されるラグビーのハイレベルのリーグ戦として、高額の給与のみならず、日本のラグビーが培ってきたラグビー精神や日本文化の奥深さが、海外からのコーチや選手を呼び寄せる遠因となっていることを誇りにして良い。
また、「外国人選手ばかり」ということでは、金満リーグであるフランストップ14がその代表であるが、一時はフランス代表資格のある選手がクラブのゲームに出場できないために、フランス代表が弱体化する弊害が出た。しかし、昨年の地元開催のRWC直前からは、日本の多くのメディアが絶賛するほどにフランス代表の実力が戻ってきている。その理由は、なんといっても厳しいコーチングをする監督に交代したことであるが、これに加えてフランス代表選手が世界トップレベルの選手と国内リーグで(自チーム内での練習を含めて)もまれた(切磋琢磨した)ことが、多少の時間を要したものの良い成果につながったと言える。
日本代表が世界の強豪に伍して戦うようになった2015年RWCでは、当時の監督エディー・ジョーンズの功績だけを評価する論評が多数を占めるが、一方、日本協会会長であった故宿沢広朗氏の尽力による、地域リーグから日本全体のリーグへと発展したトップリーグの創設、そしてそれをさらに改訂したリーグワンへ至る過程で、多くの外国人コーチ及び選手が各クラブに加入した効果を適切に評価すべきであろう。その先駆けとなったのは、NECで選手としてプレーし、その後無能かつ有害であった監督ジャンピエール・エリサルドによって崩壊させられ、史上最悪最低の状態にあった日本代表監督の仕事を、2007年RWCまでの時間が僅少となった中で快く引き受けてくれた、伝説的オールブラックスであるサー・ジョン・カーワンであったこと忘れないで欲しい。また、エディー・ジョーンズを評価したいがために、前任者であるカーワンを悪しざまに述べる如きの評論は、評論の名に値しないと考える。
(2)日本代表のイングランド戦に向けたトレーニングスコッド35人を発表
6月22日に予定しているイングランド戦に向けて、宮崎で合宿する日本代表候補35人を日本協会が発表した。また、33名のバックアップメンバーも発表している。なお、キャプテンは現時点では未定となっている。怪我によりFL姫野和樹が対象外となった他、WTB松島幸太朗は疲労などを理由に辞退している。一方、リーグワンでの活躍振りから代表入り濃厚と見られた、ワイルドナイツの(万能)WTB竹山晃暉が選外となったのが惜しまれる。
(3)U20世界大会のプール分け及び試合日程が決まる。
6月29日から、南アフリカのケープタウンを主会場として開催されるU20世界大会のプール分け及び試合日程が決まった。なおこの大会では、スーパーラグビーで試行されている、レッドカードによる退場の20分後に、処罰を受けた選手から別の選手に交代できる等の試行ルールを採用する。
プールA:フランス、NZ、スペイン、ウェールズ
プールB:オーストラリア、ジョージア、アイルランド、イタリア
プールC:アルゼンチン、イングランド、フィジー、南アフリカ
6月29日
フランス対スペイン、イングランド対アルゼンチン、アイルランド対イタリア、オーストラリア対ジョージア
6月30日
南アフリカ対フィジー、ウェールズ対NZ
7月 4日
アイルランド対フィジー、ウェールズ対スペイン、フランス対NZ、イングランド対フィジー
7月 5日
南アフリカ対アルゼンチン、オーストラリア対イタリア
7月 9日
アイルランド対オーストラリア、アルゼンチン対フィジー、フランス対ウェールズ、ジョージア対イタリア
7月10日
南アフリカ対イングランド、NZ対スペイン
7月14日
9位準決勝:10位対11位、9位対12位
5位準決勝:5位対8位
準決勝:2位対3位
7月15日
5位準決勝:6位対7位
準決勝:1位対4位
7月19日
11位決定戦
5位決定戦
9位決定戦
3位決定戦
7月20日
7位決定戦
決勝
(4)レベルズがスーパーラグビーから除外
オーストラリアのビクトリア州メルボルンを本拠地とするレベルズが、今シーズン限りでスーパーラグビーから除外されることを、オーストラリア協会が発表した。スーパーラグビーには、過去日本からのサンウルヴズや、オーストラリアのパースを本拠地とするウェスタンフォースが参加していたが、いずれも財政問題等を理由に、スーパーラグビーから除外されている。一方、オーストラリアカンファレンスにフィジーを本拠地とするフィジードルアを、NZカンファレンスにトンガ及びサモア出身者で構成されるモアナパシフィカを、それぞれ新規参入チームとして迎え入れているが、いずれも興行的に大きな成果には至っていない。
なおレベルズは、プレーオフに進出する8位に入ったため、来週1位のハリケーンズとウェリントンで準々決勝を戦うことになった。一方、来年にオーストラリアへ遠征してくるブリティッシュアンドアイリッシュ・ライオンズと対戦する可能性は残されている。
(5)NZ協会理事9人のうち3人が州代表協会理事から選出する案が臨時総会で可決
NZ協会は、一部の州代表協会及び選手組合などが支持していた外部監査会社から提案のあった、NZ協会理事全員を州代表協会理事とは別に選出する提案を拒否した一方、9人の理事のうち3人(現在は5人)を州代表協会理事から選出する提案を可決した。
この結果、州代表組合のNZ協会への影響を好まない選手組合としては、何らかの対抗措置を執る可能性が心配されている。その一つとして、選手の肖像権が想定されており、NZ協会が、オールブラックスの選手たちの画像などを独自に管理・使用できなくなる可能性が言及されている。
(6)マオリオールブラックスのコーチ陣などが決まる。
日本へ遠征して、6月29日と7月6日にジャパンXV(ほぼ代表と同格)と対戦するマオリオールブラックスのコーチ陣が発表された。NZでは、オールブラックスXVというチームが結成されるシーズンもあるが、オールブラックスが結成される以前は、NZネイティヴズと称したマオリオールブラックスの前身となるチームが、NZの国代表相当としてプレーしていた。
また、現在ではNZの先住民であるマオリを代表するチームとなっているが、オールブラックスと他国代表とのテストマッチに次ぐ、準代表としての試合を数多く他国代表と行っており(他国代表チームがNZへ長期遠征した場合は、必ずマオリとの試合がテストマッチ同等レベルで組み込まれた)、実績及び実力を客観的に判断すれば、オールブラックスに次ぐ準代表チームと見るのが自然である。そのため、国代表ではないためテストマッチとはならないものの、ほぼ日本代表となるジャパンXVとテストマッチ同等の試合を日本で行う。
その主要コーチ及び略歴は以下の通り。なお、マオリオールブラックスのメンバーについては、オールブラックスが発表された後、そのバックアップを兼ねた構成かつマオリの血統を勘案して、後日選出される。例えば、SHのTJ・ペレナラがオールブラックス入りしない場合は、マオリオールブラックスのメンバーになる(しかもキャプテンの可能性大)だろう。
ヘッドコーチ:ロス・フィリポ
現チーフス・アシスタントコーチ。元ワイカト州代表ヘッドコーチ。元マオリオールブラックス及びオールブラックス。
アシスタントコーチ:ロジャー・レンドル
チーフス、ワイカト、マオリオールブラックスでアシスタントコーチ。
アシスタントコーチ:グレッグ・フィーグ
現ブルーズのスクラムコーチ。9年間アイルランドのクラブでコーチ。前オールブラックスのスクラムコーチ。
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