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<ラグビー>2024年シーズン(10月第一週)

(どうでもよい「話の枕」です。関心ない方は飛ばしてお読みください。)

 子供時代、貧相な借家に住んでいたが、すぐ近くの空き地が草ぼうぼうだったので、夏はやぶ蚊が大量発生して、いつも身体中は掻き壊しの後で傷だらけだった。また、当時エアコンはかなり高級な電気製品だったから、窓を網戸にして開け放し、扇風機を使うだけが酷暑対策ということも理由だった。そして、関東商工(現関東第一)高校から近い場所っだったので、昼はブラスバンド部の練習する音がよく聞こえ、夜になると、当時盛んだった盆踊り大会が各町内会主催で行われ、関東商工のグランドを借りてやることが多かったため、夜は盆踊りの賑やかな音がずっと聞こえていた。
 
 また、盆踊りがないときでも、狭い借家で、妹が歌とかアニメのTVを大音量で見ていたので、家の内外は私にとって「騒音」に満ちた環境になっていた。そうした中で、私は好きな読書を必死にしていたのだが、その当時の「訓練」のためか、今でも何かに集中すると外の声が聞こえなくなることがある。たとえば妻から話しかけられても気づかないことがあるのだが、それはこうして集中しているときで、その対象の世界に私の全精神が入り込んでいるので、声が聞こえなくなっているのだ。
 
 一方、「では騒音には慣れているのか」と言われれば、正直大きな音は非常に苦手だ。特にバイクや自動車の排気音、カラオケ、クラシック以外の音楽、街頭演説、ドラマやバラエティー番組の絶叫などは、生理的に受け付けられないものとなっている。


1.WXV(第二週)

ウェールズ5-8イタリア
マダガスカル7-38香港

日本13-19スコットランド
 日本の失点は、自らのミスを相手につけ込まれたものが大半だった。一方、日本のアタックは何度か得点チャンスがあっても、サポートプレーの遅れからターンオーバーされて終わっていた。さらに、日本は相手陣ゴール前のモールで、スコットランド選手がオフサイドの位置にあっても、レフェリーが反則を取らなかったことに最後まで対応できなかった。これらは全てコーチの責任である。レスリー・マッケンジー監督は、日本がアジアで安定して勝てるチームにしたが、その理由は、一部の選手が海外でプレーした経験が大きかったためで、コーチングだけの成果ではない。来年のWRWCまで契約は残っているが、これ以上の良い成果は期待できないと思うので、もっと適任のコーチを探すべきではないかと思う。

フィジー17-45サモア
南アフリカ26-33オーストラリア
オランダ0-20スペイン
アメリカ14-22フランス
カナダ21-8アイルランド

ブラックファーンズ31-49イングランド
 ブラックファーンズは、前半を12-22と先行された後、後半51分には12-39まで離されたが、その後65分には24-39と点差を縮め反撃機運となった。しかし、再び失点をしてしまい、最後にトライを返したものの、トライ数5対9と乱打戦に打ち負けた。アイルランド戦同様に些細なミスが多く、チームとして成長途中という結果になった。

 女子ラグビーの世界も男子同様に、イングランド(男子では南アフリカ)を筆頭にしたパワーとフィジカルで相手を圧倒するプレーが中心となれば、ラグビーとしての面白さが半減してしまうので、将来的な(エンターテイメントビジネスの世界市場での)発展は難しくなるように思う。ブラックファーンズ(男子はオールブラックス)のような、ラグビー本来の楽しさ・面白さを堪能できるようなラグビーに発展・進化して欲しいと切に願っている。

2.その他のニュース

(1)ペレナラの次にハカをリードする者は?

 ペレナラは、今シーズン終了後に日本のリコー・ブラックラムズへ移籍してしまうが、32歳という年齢から、オールブラックスに戻ることはないだろう。一方、ペレナラはこれまでハカをリードする役割を担ってきたが、もともとハカのリードは、マオリの血統を持つ選手によって行われてきた。このほか、タナ・ウマガやアーディ・サヴェアという(マオリではないが、近縁である)ポリネシアの血統を持つ選手が担うこともあった。

 そのペレナラの後継者となるハカをリードする選手に誰が適任かについて、メディアの取材を受けたペレナラは、これまでの実績からすれば、HOのコーディ・テイラーかCTBのリエコ・イオアネになるだろうと述べた。しかし、既にハリケーンズでハカをリードしているCTBのビリー・プロクターに、ペレナラとしては後継者になって欲しいそうだ。

(2)ローリー・メインズ元オールブラックス監督は、SOミラーに注目

 元オールブラックス監督のローリー・メインズは、1995年RWCで伝説的な怪物となったジョナ・ロムーを見出したコーチだが、現在のオールブラックスで最適なSOは、ボーデン・バレットだと見ている。メインズによれば、世界最優秀選手に二回選ばれたバレットは、ここ数年調子を落としていたが、現在ベストの状態に戻りつつあるという。

 また、バレットに次ぐSOはダミアン・マッケンジーとなるが、この二人以外では、怪我から復帰するスティーヴン・ペロフェタや最近スコッド入りしたハリー・プランマーがいるものの、いずれも物足りないという感想を持っている。メインズとしては、ハイランダーズのSOであるキャメロン・ミラーの優れたランニングスキルに注目しており、将来SO争いに出てくる可能性に期待している。

(3)ジョニー・セクストンの自伝とリエコ・イオアネの反応

 アイルランドのSOとして長くチームをけん引してきたジョニー・セクストンは、昨年のRWC終了後に引退をした。そして、この度『オブセッション(強迫観念)』というタイトルの自伝を10月10日に発売するが、その中で、最後の試合となったRWC準々決勝オールブラックス戦のノーサイドとなった瞬間を回想している。

 セクストンによれば、このRWC優勝の夢がついえた試合は、決してビデオを見る必要がないくらい、全てのプレーをことごとく記憶しているが、特に最後のプレーとなったアイルランドがオールブラックスのゴール前に攻め込んだとき、レフェリーのウェイン・バーンズが、オールブラックスLOサムエル・ホワイトロックが正当にジャッカルをしていないのにも関わらず、アイルランドにノットリリースザボールの反則を取ったことが強く残っているということだ。

 そして、この時セクストンが(判定に疑問がある)レフェリーのバーンズを凝視していると、オールブラックスのCTBリエコ・イオアネがやってきて、「10メーター下がれ」と言い、続けて「ペナルティーだ、10メーター下がれ」と言った後、「明日の飛行機に乗り遅れるな、引退生活を楽しむんだな、糞ったれ」と暴言を吐いたと述べている。セクストンとしては、オールブラックスは謙虚さをモットーとしているようだが、私は(謙虚さが微塵もない)イオアネを追いかけて「偽りの謙虚野郎」と反撃した、とイオアネの言動を強く批判している。

 これに対してイオアネは、しばらくの間は無視していたが、今回自らのインスタグラムに、イオアネとセクストンが写っているRWC準々決勝のノーサイド直後の画像を掲載し、アイルランドがRWC時に非公式応援歌として使ったアイルランドの歌手による「ゾンビ」という曲の、「頭の中で」という部分を繰り返し流した。この「ゾンビ」は、その後優勝した南アフリカのサポーターたちによって、「ラッシー」と曲名を変えられて、監督ラッシー・エラスムスを称える歌として使われたもので、優勝できなかったアイルランドへの皮肉になっている。

<参考>
 セクストンは、アイルランド代表キャプテンも経験した著名な選手だが、試合中の感情をむき出しにした多くの暴言の他、メンバー外となった時の下品な言動によるレフェリー批判で、長期の出場停止処分を受けた前科がある。そのため、この自伝で書かれていることに同意や賛意を示す反応は少ないようだ。また、世界的な人気チームであるオールブラックスの選手を批判することで、自伝の販売促進を意図したのではないかと憶測している人は多い。

 なお、セクストンが言及している、オールブラックスの勝利を決めたホワイトロックのジャッカルについては、ホワイトロックの代表最後の試合を飾る値千金の名プレーと絶賛する声が圧倒的に多い一方、バーンズのレフェリングを批判するものや、ましてホワイトロックの方が反則を犯していたという意見はあまり聞こえない。また、誰が見てもお手本のような見事なジャッカルだったので、これはセクストンによる偏見と言われても仕方ないだろう。

(4)クルセイダーズが、ジェイムズ・オコナーと契約

 リッチー・モウンガの日本行きとファーガス・バークの怪我などにより、SO不在に悩むクルセイダーズは、来シーズンのスーパーラグビーで、元オーストラリア・ワラビーズのSOジェイムズ・オコナー、34歳と契約したことを発表した。オコナーは、ワラビーズ64キャップを持つ他、オーストラリアのスーパーラグビーチームで120試合をプレーしている、経験値の高い選手だ。

 一方、オコナーがクルセイダーズに来たからといって、自動的に10番が約束されるわけでもなさそうだ。現在苦戦しているが、若手のライヴェズ・ライハナとタハ・カマラが成長すれば、彼らに先発の座を譲ることになるだろう。また、クルセイダーズとしても、オコナーが入ることで、若手への刺激になることを最も期待している。

 オコナーは、17歳の時にウェスタンフォースと契約してスーパーラグビーにデビューし、その後ワラビーズへ史上二番目の若さで抜擢された。代表から外れた後は、スーパーラグビーのレベルズやレッズでプレーした後、フランスのツーロンやイギリスのセイルシャークスでもプレーしていた。なお、オコナーの両親はNZ人のため、オコナー自身もNZのパスポートを持っており、ビザの問題はない。

<参考>
 オコナーは、若くしてスターになったため自分を見失い、ワラビーズの試合後、酒に酔って飛行機に搭乗しようとして関係者と大きなトラブルを起こしたことで、一時的にオーストラリア協会から謹慎処分を受けた前科がある。その後、プレーする場を求めてフランスに移籍していた。数年後にオーストラリア協会の処分が解けたことから、オーストラリアのスーパーラグビーチームに復帰し、ワラビーズにも一時的に戻ったが、全盛時のようなプレーを見せられずにいる。そのため、今回クルセイダーズに加入しても、あまり大きな活躍は期待できそうもないが、選手としては高い経験値を持つので、若手選手に対するプレーイングコーチとしての役割が中心になると思われる。


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