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<ラグビー>イアン・フォスター監督のコメントなど

参考とした記事
https://www.nzherald.co.nz/sport/rugby-thats-a-bad-man-out-there-tj-perenaras-praise-for-richie-moungas-special-all-blacks-performance/VSJVFGYPBVKONHTWVIKIWWPJOU/
https://www.nzherald.co.nz/sport/bledisloe-cup-rugby-2020-all-blacks-coach-ian-foster-reveals-significant-change-to-all-blacks/ENF54TIPQGMAUGZ2GJ5EZPDRGY/

完勝したブレディスローカップ第3戦について,オールブラックス監督イアン・フォスターが,以下のようにコメントしている。

1.リッチー・モウンガについて
「過去数年の間,雨のコンディションでも無理にオープンプレーをやろうとして失敗してきたが,今回のような成功例はなかった」
「我々は常時ボールを持ってアタックするチームだが,特に雨のコンディションではあまりできていなかった。そういう観点からは,モウンガは非常に繊細なゲームをやっていたと思う。また我々の期待に良く応えてくれた」

「モウンガの周囲の選手には,良くコミュニケーションを取れるように要請していた。ジャック・グッドヒュー,アントン・リエナートブラウン,ボーデン・バレット,アーロン・スミスらは,プレーの重要な部分を担っていた。その結果,モウンガが良い判断をすることを良くサポートできたと思う」
「また,モウンガは自分の直感を信じてやっていた部分もあった。もし必要な場合は,キックも使っていたが,良くコントロールされていて,良い仕事をしていたと思う」。

2.リーダーシップグループについて
オールブラックスは,2004年のサー・グラハム・ヘンリー監督時代から,数人のリーダーシップグループを指名して,キャプテンを助ける体制を作ってきた。2019年RWC後には,このリーダーシップグループであった,キャプテンのキアラン・リード,ベン・スミス,ソニービル・ウィリアムス,ライアン・クロッティが引退してしまったため,その後継グループが必要だった。

その中で,新キャプテンであるサム・ケーンは日々成長し,良いキャプテンに成りつつある。

「ケーンの仕事ぶりは誇れるものがある。彼はグランド外でもチームを良く牽引しているし,チームメイトを鼓舞している。チーム内でダイナミックなリーダーシップを発揮していると言える。以前よりは人数が少なくなったが,新たなリーダーシップグループとして,ケーンの他に,サムエル・ホワイトロック,アーロン・スミス,ボーデン・バレットを指名し,皆キャプテンを助けて良くやっている。」

「ケーンの最初の仕事ぶりは大変に良かった。グランドでのプレーを見れば,すぐにわかると思うし,そこからなぜ彼がキャプテンなのかもわかると思う」
「昨シーズンからは5人(のリーダー)を失ったが,現在はそのまま後任を置くのではなく,縮小して指名している。コーチ陣が新しくなった他に,新たな選手も加わったため,少人数で掘り下げて調整すべきだからだ。ただし,これから更に人数を増やす方向でいる」
「リーダーたちは効果的にチームをリードするプレッシャーをよく実感してくれて,その成果を見せてくれた。さらに,必要なところで沢山働いてくれている。そうしたことを高く評価している」。

オーストラリア・ワラビーズは,第3戦でテストマッチデビューとなる20歳のSOノア・ロレシオを起用したが,いきなりの大舞台で機能しなかった。一方,オールブラックスは,新人のWTBカレブ・クラーク,NO.8ホスキンス・ソツツ,PRアレックス・ホッジマン,LOツポウ・ヴァアイを,無難にテストマッチにデビューさせている他,クラークはいきなりスターになる活躍をした。

さらに,オールブラックスには,これからテストマッチデビューを待つ,FLカレン・グレイス,WTB/FBウィル・ジョーダンがいる。彼らは残るトライネーションズの試合で,プレーするチャンスがあるだろう。

オールブラックスは,コーチはもちろん,こうした新人のテストマッチデビューには十分な準備をしているが,一方リーダーシップグループは,試合メンバーが能力を発揮できるように心掛ける他,新人や経験値の浅い選手には特に慎重にサポートしている。

こうしたことに対して,SHのTJ・ペレナラは,以下のようにコメントしている。
「このリーダーシップグループには,スーパーラグビーでキャプテンを経験している選手やリーダーシップグループにいる選手が沢山いる。彼らは,毎週毎試合で成長しているし,キャプテンのケーンを良くサポートしている。その結果,チームが求めるレベルでプレーできていると思う」。

【個人的見解】
オールブラックスが,2011年及び2015年RWCを連覇した原動力は,まさにリーダーシップグループの存在であり,特に2015年RWCでは,リーダーシップグループの活躍により,監督のスティーヴ・ハンセンは,全体のマネージメントに専念すれば良いだけだったと回想しています。2019年RWCでは,こうしたリーダーシップグループが入れ代わり,さらに偉大なリーダーであったリッチー・マコウが引退したため,チームが弱体化したのが敗因とも分析されています。

ハンセンの後を継いだフォスターとしては,新たなかつ強力なリーダーシップグループを作ることが懸案となっていましたが,ブレディスローカップの戦いを通じて構築に成功し,その成果が第3戦で出たと言えるでしょう。

一方ワラビーズは,経験値の浅い選手で構成されていることから,デイヴ・レニー監督の手腕を持ってしても,いかんともしがたい状況にあるのが苦戦している原因の一つと思われます。

モウンガの活躍により,SOモウンガ,FBボーデン・バレットの体制は,これからも固定されそうです。さらに,12番CTBに良いプレーメイカーが入れば,オールブラックスのBKは完成されます。他方,FWについては,ケーン,ホワイトロックに次ぐ良いリーダーが欲しいですね。HOダン・コールズもリーダー的存在ですが,年齢の関係から2023年まで持たないかも知れません。そういう観点では,LOパトリック・ツイプロツやFLアーディ・サヴェアに期待したいですね。

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