<ラグビー>オファ・トゥンガファシは,3週間の出場停止処分
参考とした記事
https://www.nzherald.co.nz/sport/tri-nations-rugby-all-blacks-prop-ofa-tuungafasi-banned-for-three-weeks/6P265DR6R5NYCKTWMKICXE2VTA/
https://www.nzherald.co.nz/sport/tri-nations-rugby-all-blacks-legend-sir-john-kirwan-calls-for-red-cards-to-be-axed-from-the-sport/MXU6GBVE6LYAX5WKTAD6IUNGO4/
先週のオーストラリア・ワラビーズ戦で,ワラビーズWTBトム・ライトの顎にハイタックルしたとしてレッドカード(退場)となった,オールブラックスPRオファ・トゥンガファシに対し,SANZAAR裁定委員会は,規則9.13の「プレヤーは,相手に対して,早すぎる(アーリー)タックル,遅れた(レイト)タックル,危険なプレーのいずれもしてはならない」に抵触するとして,6週間の出場停止処分にした。しかし,トゥンガファシのタックルは,最初は身体の中央に当たり,その後上部に移動したこと,及びこれまでの違反歴のなさから,50%減じて,3週間の出場停止処分とした。
この結果,トゥンガファシは,トライネーションズの残るアルゼンチンとの2試合及び来年のアオテアロアのブルーズのプレーシーズンマッチには出場できないこととなった。ただし,アオテアロアの開幕戦となる2月27日のハリケーンズとのゲームにはプレーできる。
このトゥンガファシの裁定に先立ち,同じゲームでオールブラックスLOサムエル・ホワイトロックに危険なタックルをして,レッドカードを受けていたワラビーズFLラクラン・スウィントンは,同じ規定により6週間の出場停止処分となったが,既に違反歴があったため,軽減措置が2週間のみとなり,結果的に4週間の出場停止処分となっている。
このレッドカード制度に対して,オールブラックスのレジェンドであるサー・ジョン・カーワンは,ラグビーのゲームをスポイルすることにつながり,お金を払って見ているファンに対して冒涜するものであるため,早急に廃止すべきだと強く主張している。
「我々のゲームには,レッドカードは不要だ」
「我々のゲームでは,誰もが故意に相手を傷つけようとしてプレーしていない。もしレッドカードを行使して退場させるのなら,15分後に代替選手を入れるべきだ。観客は安くない金額を支払って観戦しているが,それは15人対15人のゲームだ。これは私が最も主張したい点だ」
「世間では,スローモーションビデオで確認することが良くないと言われている。トゥンガファシのタックルテクニックは,非常に良いものであったが,これをどれだけ理解している人がいるだろうか。そして,これはあまりにも速くプレーしている(ので,普通は見えない)」
「WR(世界ラグビー協会)では,遡及して(ルールの変更を)見ている」
「我々(SANZAAR)には,この種のポストがあるだろうか?」
「レフェリーについては,分けて考えるべきだ。しかしレフェリーが間違っていたら,レフェリーもプレヤーと同じだと言いたい。レフェリーもプロとしてやっているので,より正確かつ明瞭にしなければならない。一方今回は,レフェリー単独の間違いではない。彼はプロトコール(規定)に従っただけだ。このプロトコールが間違っているのだから,これを改正すべきだ」
「我々は,WRからの判断を待っている。21世紀になってからは,(この問題の)明確な答えは出ていない。(試合には)賭けている人がいる,それも大事な自分のお金を使って。これは現在のプロスポーツでは,多く行われていることだ。例えばラグビーリーグでは,迅速な判断ができている好例がある」
【個人的見解】
これは,去年のRWCのプールマッチで課題となったものでもありました。これまでは良いタックルと見なされていたものが,少しでも胸から上に手や肩が触れただけで,しかもわざわざスローモーションで再現し,また1秒以下のわずかな時間でも触れる瞬間があれば,そのままイエローやレッドに判断していました。この結果,本来15人対15人で拮抗して楽しめたゲームが,一気に一方的な展開になってしまい,ゲーム自体を非常につまらなくしたケースが多々発生しました。
この反省からか,ベスト8によるプレーオフトーナメントでは,適用が多少は緩和され,見ている側でも納得できる範囲に落ち着いたのでした。そして,無事決勝までこの種の問題が発生することなく開催できたのです。
しかし,この反省例を忘れてしまったのか,または故意に無視したのか,このトライネーションズの試合では,2019年RWCプールマッチと同基準で判断しており,スローモーションで少しでも手や肩が相手の胸から上に接触したら,レッドカードにするという蛮行が判断されてしまいました。
その結果,オールブラックス対ワラビーズという世界中のファンが楽しめるゲームが,反則の連発でゲームがしばしば中断し,両チーム(特にオールブラックス)とも持てる力を発揮し合うことなく,レフェリーの反則で勝敗が決まってしまう,全く内容に欠ける面白くないゲームになってしまったのです。
ラグビーが,プロスポーツとして健全な発展をするためには,カーワンが主張する意見を早急に取り上げ,言葉の真の意味で改善すべきだと強く思います。
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