<ラグビー>リーグワン、3月18日、19日、20日、スーパーラグビーパシフィック、3月11日、12日、13日、シックスネーションズ、3月12日、13日それぞれの結果
レッドハリケーンズ大阪(NTTドコモ)とシャイングアークス浦安(NTTコム)が、同じ親会社ということで、レッドハリケーンズを社員契約のみのディビジョン3相当チームに格下げし、プロ契約選手はシャニングアークスに集約することをリーグワン運営側が認めたとのニュースが流れた。リーグ自体がまだ生みの苦しみの段階とはいえ、残念なニュースとなった。
これに対しては、多種多様な意見及び運営母体に対する批判が多々あるが、私の立場としては、この国のラグビーがたとえマイナーな存在であったとしても、末永く続いて欲しいというのが一番にある。とにかく、ラグビーが無くなって欲しくないのだ。次に、できれば運営として成立するようにリーグワンが発展して欲しい。プロ野球やJリーグ並みとは言わないまでも、それなりにホームチーム意識が定着して、「(勝っても負けても)おらが村のラグビーチームをスタンドで応援する」というスポーツになって欲しい。
そのためには、やはり東京に集中しすぎているチームを、東京以外に分散するしかないと思う。また、ホームエリアを広く複雑にとっているチームは、出来る限り一つの地域(市レベル)に限定して欲しい。
ということで、順不同で「こうあって欲しい」というチーム毎のホームを勝手に決めさせてもらった。関係者の皆さんは気分を悪くするかも知れませんが、乞うご容赦。
トヨタヴェルブリッツは、豊田市でOK。
ブルーレヴズ静岡は、静岡県だが、できれば静岡市に。
横浜イーグルスは、横浜市でOK。
ワイルドナイツ埼玉は、埼玉県だが、できれば熊谷市に(チーム名もワイルドナイツ熊谷に)。
シャニングアークス浦安は、浦安市に(チーム名も、シャニングアークス浦安のみに)。
スピアーズ東京ベイは、船橋市に(チーム名も、スピアーズ船橋に)。
グリーンロケッツ東葛は、柏市に(チーム名も、グリーンロケッツ柏に)。
さて、問題の東京3チームだ。どこが残るかより、どこが東京以外の場所が相応しいかを考えた。
ブラックラムズ東京は、世田谷区から多摩川を越えるだけで川崎市なので、ブラックラムズ川崎に。
東京サンゴリアスは、サントリーがそもそも大阪・京都の企業であり、山崎にウィスキー工場があるので、京都サンゴリアスに(サントリーは、府中のビール工場よりも、山崎のウィスキー工場が主流です)。
ブレイブルーパス東京が、結果として東京に残るが、東京都全体とはいかないので、府中市にあるのだから、ブレイブルーパス府中に。
あと、日本の大都市としては、大阪市、名古屋市、広島市、福岡市があるが、これは既存のチームに複数企業が資本参加することで、チーム力をアップさせてもらうしかない。また、北海道と沖縄、さらに仙台にもチームを作りたい。仙台はプロ野球の楽天に、北海道は日本ハムにラグビーチームを作ってもらうことを期待するとして、沖縄が難しい。私としては、「沖縄シーサー」というチームを自治体主導で作るしかないように思っている。
1.リーグワン
3月18日
横浜イーグルス20-9トヨタヴェルブリッツ
気温が下がり激しい雨が降るという、選手にも観客にも厳しい環境のゲーム。こういうときは屋根付きスタジアムだといいのなあと真剣に思ってしまう。
ゲームは、雨が影響して両チームとも攻め手を欠く凡戦。後半、イーグルスが前半とは打って変わり雨中戦の基本であるキック主体のゲームへ変えることにより、主導権を握る。特に途中から出場したWTB松井千士が、セブンズばりのランニングスキルでトライの起点を作ったのは見事。
そして、ヴェルブリッツに危険なタックルによる退場(レッドカード)が出て、勝負は決まってしまった。雨中のゲームだけに、両チームともにセットプレー、ハンドリングのエラーが多く、観客にとって唯一の快感は松井のランニングだけだったのではないか。
3月19日
埼玉ワイルドナイツ29-12ブラックラムズ東京
もっと点差が付くと思っていたが、この点数ならブラックラムズの大健闘ではないか。逆に言えば、ワイルドナイツが本調子でなかったとも言える。特にWTB藤田慶和のディフェンスは、大学時代から改善されていない。大学レベルならこの程度の柔なディフェンスでも通用するが、トップレベルのクラブチーム相手には通用しない。テクニックやフィジカルの問題とは思えないので、残るは気持ちの問題か?
一方、ワイルドナイツのFB山沢京平は、ランニングにかけては才能の塊であることを証明していた。もっと多くのプレー時間を与えたい選手だ。ブラックラムズでは、SOアイザック・ルーカスが一人で奮闘していた。逆に言えば、ブラックラムズはアイザック・ルーカスのチームになっている(去年のレッドハリケーンズがTJ・ペレナラのチームでであったように)。
後半、両チームのセットプレーが安定せず、眠くなってしまう。そこをワイルドナイツの重鎮HO堀江翔太がFLでプレーして試合を締めてくれた。でも、最後まで爽快感の足りないゲームで終わったのは残念だった。
ブレイブルーパス東京28-43スピアーズ東京ベイ
全体を俯瞰すれば、スピアーズFWの圧力にブレイブルーパスFWが力負けしたという単純明快なゲーム。強いものが強く勝った。また、ブレイブルーパスは、攻め込んでからの単純なエラーが多く、これではゲームに勝てないという見本になっていた。
スピアーズのWTB根塚洸雅とブレイブルーパスWTBジョネ・ナイカブラのマッチアップでは、ナイカブラが勝っていたと思う。
期待のブレイブルーパスLOワーナー・ディアンズは、よく下働きをしていたが、一皮むけるのは来シーズンのRWC前の頃か?
レッドハリケーンズ大阪15-10グリーンロケッツ東葛
こちらも雨中の凡戦になったようで、ようやくレッドハリケーンズが勝利を挙げた。チームがなくなることへの抵抗でしょうが、相手が不調のグリーンロケッツでは、抵抗の影響力も半減してしまうような。グリーンロケッツは、NTT系2チームがいなければ、最下位間違い状態です。
3月20日
東京サンゴリアス69-29シャニングアークス浦安
これから益々発展するクラブと親会社から縮小を言われたクラブとでは、モチベーションに差がついても仕方ないと思う。サンゴリアスのダミアン・マッケンジーは、希望するSOで存分にプレー。オールブラックスになれなかったシャニングアークスのSOオテレ・ブラックは、ここでも運がないようだ。
静岡ブルーレヴズ(中止)神戸スティーラーズ
新型コロナウイルスの連勝記録が継続しています。『七人の侍』の村の古老のセリフが思い出されます。「てめえの首が飛ぶというのに、髷の心配してどうするんだ?」。首は経済、髷は感染者数でしょうね。
2.スーパーラグビーパシフィック
3月18日
ハイランダーズ対モアラパシフィカ
新型コロナウイルス感染により延期。NZのジャチンダ・アーダーンは、初期の成功体験にしがみ付いてマンネリ対策をするのではなく、現実を直視した最善の対応を選択すべきと思う。新型コロナウイルスなどで、NZの国技であるラグビーをつぶしてはならない。
ブランビーズ16-12レッズ
レッズは、後半にブランビーズがシンビンで14人となるチャンスを得るが、右隅のトライだけに抑えられ、逆転勝ちを逃した。
オーストラリアでは、この両チームがトップ2を構成しているが、特にブランビーズは、トライの取り方が上手い。
3月19日
フィジードルア18-20フォース
ドルアが勝つかと期待したが、フォースが83分のPGでしぶとく勝った。ドルアは、フィジーらしいアンストラクチャーのゲームになると、かなり強いと思う。
クルセイダーズ対ブルーズ
この試合も新型コロナウイルスで延期。やっていることが狂気の沙汰にしか思えない。
ワラターズ24-19レベルズ
何かパッとしないゲームに見えたが、ワラターズもレベルズも調子の波に乗れていないからかも知れない。そして、実力通りにワラターズが勝った。
モアラパシフィカ12-59チーフス
チーフスはBチーム主体だったが、圧勝した。FWが安定して、SHブラッド・ウェバーが自在に配球したら、これぐらいいってもおかしくないとは言える。一方のモアラはもっとやれると期待しただけに、このスコアはちょっとがっかり。
3月20日
ハリケーンズ対チーフス
この試合も新型コロナウイルスという摩訶不思議かつ理不尽な理由で延期。まったく馬鹿げている!
3.シックスネーションズ
3月19日
ウェールズ21-22イタリア
これは敵地で勝ったイタリアをほめてあげたい。最後のトライのお膳立てをした、チェスリン・コルベのようなFBアンジェ・カプオッツォと中央にトライをする忠実なサポートをした14番WTBエドアルド・パドヴァーニ。さらに、ゴールキックをよく決めたSOパオロ・ガルビシ。皆ケルト軍を撃退したローマ軍団の英雄でしょう。
ウェールズは、相手をなめていたような気がする。普通なそれでもホームのウェールズが勝つのだが、ここはイタリアのNZ人監督キアラン・クラウリーの手腕が見事だった。
3月20日
アイルランド26-5スコットランド
優勝はフランスに決まってしまったが、今回のシックスネーションズではアイルランドが英4協会では最強であることを示したゲーム。スコットランドも良いプレーはあったが、今のアイルランドには勝てそうもない。
フランス25-13イングランド
フランスの優勝は決まりで、この試合はグランドスラム(全勝優勝)を賭けた戦いとなった。優勝争いは盛り下がってしまったが、シックスネーションズの面白さは、優勝争いとは別の対抗戦という意識で、とにかく長い伝統あるチーム同士が、自分たちの存在意義を賭けて戦うのが素晴らしい。イングランドは、この試合で名実ともに意地を見せたい。
イングランドのエディ・ジョーンズ監督は、フランス相手に意地を見せられなかった。これでまた監督更迭論が湧き上がるだろう。それでもRWCまでは監督をやると思うが。
フランスは、現時点では南アフリカと並び世界トップ2であることを示した。来年のRWCになったら、2019年同様に大幅に勢力図が入れ替わると思うが、現時点では、南アフリカとフランスが同率で首位。3位アイルランド、4位イングランド、5位オールブラックスまでが優勝圏内ではないか。あと、ベスト4入りする可能性を持つのが、6位スコットランド、7位オーストラリア、8位ウエールズ、9位アルゼンチンまでで、10位の日本としては、2019年に続きベスト8に入れたら十分だと思う。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?