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<ラグビー>アオテアロア第9週,スーパーラグビーAU第10週結果

1.アオテアロア

チーフス26-24ハリケーンズ

アンザックデーのセレモニーが行われた。アンザックデーは毎年4月25日で,土日と重なると次の月曜が祝日となる。第1次世界大戦中の1915年2月19日から1916年1月9日にかけて,オスマントルコのガリポリ半島で行われた戦いで,大英帝国軍にオーストラリア及びNZが参加した。両国が初めて本格的に対外戦争に参加したものとなり,オーストラリア軍は戦死者28,150人,NZ軍は戦死者7,553人の,両国の人口から比すれば多くの犠牲者を出した。追悼日の4月25日は,連合軍がガリポリ半島に上陸した日で,両国の国旗の降下,掲揚を,軍隊ラッパに伴って行うセレモニーが行われる。

2分,ハリケーンズ4番LOジェイムズ・ブラックウェルがトライ。15番FBジョルディ・バレットのコンバージョン成功で,0-7。
15分,チーフス15番FBダミアン・マッケンジーがPG,3-7。
29分,チーフス13番CTBアントン・リエナートブラウンがインゴールに入るが,ノッコンしてトライならず。
31分,チーフス8番NO.8ピタガス・ソワクラがトライ。マッケンジーのコンバージョン成功で,10-7。
41分,ハリケーンズ15番FBジョルディ・バレットが55mのPG成功,10-10。

前半,チーフス10(1T1C1P)-ハリケーンズ10(1T1C1P)。
ボール保持率などではハリケーンズがリードしているものの,得点通りに全くイーブンの戦い。

44分,マッケンジーがPG,13-10。
48分,チーフス10番SOブリン・ゲイトランドがトライ。マッケンジーのコンバージョン成功で,20-10。
53分,23番BKビリー・プロクターがトライ。バレットのコンバージョン成功で,20-17。
56分,マッケンジーがPG失敗。
59分,マッケンジーが正面50mのPG成功,23-17。
69分,ハリケーンズ16番HOアサフォ・アウムアがトライ。バレットのコンバージョン成功で,23-24。
83分,マッケンジーが正面45mのPGを成功,26-24。

後半,チーフス16(1T1C3P)-ハリケーンズ14(2T2C)。合計,チーフス26(2T2C4P)-ハリケーンズ24(3T3C1P)。

ハリケーンズはトライ数でチーフスを上回ったものの,最後のマッケンジーのPGで逆転されて惜敗。チーフスは,優勝争いに残った一方,ハリケーンズは,トランスタスマンシリーズに向けて,順調に戦力を上昇させているように思える。

個々の選手では,チーフスの連勝を支える好調のFBダミアン・マッケンジー,ハリケーンズのHOアサフォ・アウムア,FBジョルディ・バレットは,オールブラックスでも活躍が期待できそうだ。マッケンジーが好調なので,オールブラックスのバックスリーは,マッケンジー,ジョルディ,ウィル・ジョーダン,カレブ・クラーク(ただし,東京オリンピックで不在の可能性が高い),ジョージ・ブリッジ,セヴ・リース,そしてSOが本職のボーデン・バレットと多士済々となっており,リザーブを含めて4人を選ぶのは,嬉しい悲鳴になりそうだ。

個人的には,ボーデンはSO(1stキッカー)で先発すべきと思うので,22番のSOリザーブがリッチー・モウンガになる,11番はクラークがオリンピックで不在としてブリッジ,14番はジョルディ(3rdキッカー),15番はマッケンジー(2ndキッカー),23番をジョーダンにしたい。


クルセイダーズ29-6ブルーズ

1分,クルセイダーズ10番SOリッチー・モウンガがDG失敗。
5分,クルセイダーズ15番FBウィル・ジョーダンがトライ。モウンガのコンバージョン成功で,7-0。
13分,ブルーズ10番SOハリー・プランマーがPG失敗。
28分,クルセイダーズ14番WTBセヴ・リースがトライ。モウンガのコンバージョン失敗で,12-0。
40分,モウンガがPG失敗,12-0。
41分,クルセイダーズ12番CTBデイヴィット・ハヴィリが50mのPG失敗。

前半,クルセイダーズ12(2T1C)-ブルーズ0。

42分,ブルーズ22番SOオテレ・ブラックがPG,12-3。
44分,モウンガがPG,15-3。
46分,ブラックがPG,15-6。
56分,ブラックがPG失敗。
59分,クルセイダーズ2番HOコーディ・テイラーがトライ。モウンガのコンバージョン成功で,22-6。
73分,クルセイダーズFBウィル・ジョーダンが2つ目のトライ。モウンガのコンバージョン成功で,29-6。

後半,クルセイダーズ17(2T2C1P)-ブルーズ6(2P)。合計,クルセイダーズ29(4T3C1P)-ブルーズ6(2P)。

ブルーズは,ホスキンス・ソツツ,ダルトン・パパリイ,アキラ・イオアネらのFW3列が奮闘したが,やはりSOハリー・プランマーはまだまだ経験値が足りず,後半からオテレ・ブラックに交代したものの,2PGがやっと。来週のチーフス戦は,勝った方がファイナル進出となるマストウィンのゲームとなった。
対してクルセイダーズは,最近の不調から立ち直り,いつもどおりの横綱相撲で完勝した。個々の選手では,2トライのウィル・ジョーダン,両LOのスコット・バレットとサムエル・ホワイトロックが活躍した。今シーズンのオールブラックスでの活躍が楽しみとなった。


2.スーパーラグビーAU

フォース30-27レッズ
SH(トマス・クベーリ)とSO(ドミンゴ・ミオッティ)をアルゼンチン代表で固めたフォースは,その他にも非オーストラリア人選手を多数強化して,チーム力が上がった。その成果が最後に出て,首位を行くレッズに辛勝し,リーグ全体の3位に入り込んだ。

当初,3位には最近躍進しているレベルズが入ると予想していたが,フォース=ハグアレスということを考慮すれば,フォースが上がってきても不思議ではない。しかし,トランスタスマンシリーズでは,オーストラリアのどのチームもNZ5チームとの対戦で苦労するように思える。NZ最下位といっても,ハリケーンズは惜敗が大半なので,クルセイダーズとは差があっても,他の3チームとは差がないから,オーストラリア内を辛勝で勝ち続けたレッズは,ハリケーンズにも簡単に勝てないと思う。

ワラターズ25-36レベルズ
前半19分にレベルズが危険なタックルでレッドカードをもらい14人に。その勢いでワラターズは前半を18-21の3点差で折り返す。しかし,後半のFWのアームレッスルで1人足りないレベルズが勝り,ワラターズが追いすがるも点差は縮まらない。そして76分に,レベルズ2人目の危険なタックルによるレッドカードが出て13人になるが,残り4分ではワラターズが勝利を得るまでには時間が足りなかった。

これでワラターズはオーストラリア国内で全敗。次のトランスタスマンシリーズでも,NZ相手に勝利を得るのは厳しいだろうから,指導陣に対する批判はさらに厳しいものになりそうだ。

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なお,5月14日からのトランスタスマンシリーズでは,毎週5試合のプレビューと結果を掲載するのは時間も余裕もないので,これまで通りに2試合に絞って掲載する予定。特にオーストラリア勢で骨がありそうなのは,レッズとブランビーズの2チームしかないため,この2チームとNZ勢との対戦について,プレビューと結果を掲載したい。ただし,他の試合で面白いものがあれば,詳細な結果を掲載することも想定している。

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