見出し画像

<ラグビー>2022~23シーズン、リーグワン第8節の結果及びインターナショナルラグビー関連等

(どうでもよい「話の枕」です。関心ない方は飛ばしてお読みください。)

 私は特別にゴルフ好きではないし、メンタルが耐えられず下手なことに加えて、腰痛のためにプレーはとっくに止めている(また海外でしかプレーしなかった)。でも、20世紀に活躍したプロゴルファーの名前は知っている。特に南アフリカのゲーリー・プレーヤーは「黒ヒョウ」とあだ名されて有名だったし、ジンバブエ人のニック・プライスも、全英オープン優勝等で名前を知っている。

ゲーリー・プレーヤー
ニック・プライス

 この二人のサイン付き写真(特にプレーヤーのものは、専属事務所が作成した額縁付きのもの)をメルカリで出しているが、なかなか買い手がつかないでいる。世間の人たちは猫も杓子もゴルフ好きだと思っているので、なかなか売れないのは不思議だ。少し前に出したオリビア・ニュートンジョンのサイン付き写真はすぐに売れたのに、芸能人とゴルフ選手とでは、日本での知名度が違うのか、はたまたメルカリにアクセスする年齢層にとっては、ゴルフの有名人であるプレーヤーもプライスも、ともに「知らない人」になっているのか、その理由はわからない。でも、早く売れてくれないかな?

 <追記>
 お陰様で、利益はほぼ出ないものの、2月23日(今上天皇ご生誕祝日)に売却成立しました。これで、私の終活(身辺整理)は一歩前進です。ちなみに、私は上皇様がご婚姻された約一か月後に生まれました。何か奇縁を感じます。

1.リーグワン第8節の結果

ブラックラムズ東京7-18東京サンゴリアス

 サンゴリアスは、大黒柱のSOアーロン・クルーデンがお休み。同じくSOの田村熙も欠場中だから、プレーできるSOが少ない。それでこの試合は、森谷圭介と中村亮土でうまくつないだのだが、やはりアタック面になると得点力がかなり落ちていた。そうした中ではあったが、FW陣がスクラムを支配し、15人のディフェンスも確実だったのが、結果的に勝利につながった。

 一方のブラックラムズは、サンゴリアスに80分間にわたって一方的に攻め込まれながらも、ゴール前のブレイクダウンでよく粘って、大量得点されなかったのは評価したい。しかしアタックでは、唯一の切り札であるアイザック・ルーカスの見せ場がなかった一方、攻め込んでのラインアウトのミスやその他のイージーミスで取りそこないが多く、1トライを取るのがやっとだった。さすがに、これでは勝利は遠い。

 ゲームとしては、時折良いプレーもあったが、得点がなかなか入らかったため、全体としては物足りない内容だったというのが、正直なところ。特にサンゴリアスには才能ある選手が大勢そろっているのだから、もっと面白いラグビーを見せて欲しいものです。

横浜キャノンイーグルス59-48東芝ブレイブルーパス東京

 両チームの大量得点が示すように、ディフェンスが機能しなかった大味なゲームという評価になってしまう。もっと細かく言うと、前半はブレイブルーパスがFW戦で優勢になるが、イーグルスがポイントを押さえたラグビーで得点を重ねていった。また、一所懸命のブレイブルーパスが得点に時間がかかったのに対し、イーグルスはあっさりと相手ミスにつけ込んで楽にトライを取っていたのが対象的だった。

 こうした中で、26分にブレイブルーパスにシンビンが出てからは、完全にイーグルスペースになってしまい、前半を38-15と大量リードする。これで、勝敗はほぼ決まってしまったが、後半の大量失点までは予想できなかった。

 後半に入ってからは、ブレイブルーパスにミスが出る一方、そこにつけ込んだイーグルスが順調に得点し、49分には52-15と圧勝ペースになった。しかし54分、あろうことかイーグルスSO田村優が軽いプレーでシンビンになり、これで流れが一気に変わってしまう。数的優位を突いて、ブレイブルーパスが面白いようにトライを重ね、74分には52-41と11点差にまで迫った。

 このままブレイブルーパスが頑張れば逆転も可能か?と思われた後の76分、やや持ち直したイーグルスがトライを挙げて、ようやく激しい乱戦に終止符を打つことが出来た。と思ったのだが、79分にブレイブルーパスがトライを挙げるおまけがついてしまい、結局59-48という、とてもラグビーらしくないスコアになって、やっとノーサイドとなった。

 上述したブラックラムズ対サンゴリアスは、得点の入らない沈滞ムードのゲームだったが、こちらはあまりにも簡単にトライが入ったゲームということで、逆の意味で興さめの内容だった。もっと楽しいラグビーを見せて欲しいものです。

埼玉ワイルドナイツ41-6花園近鉄ライナーズ

 優勝を狙うチームと最下位争いのチームとの対戦らしく、ワイルドナイツが一方的に攻め、ライナーズは攻めても自滅するか、ワイルドナイツにターンオーバーされるかという展開が続き、まるでワイルドナイツ1番PR稲垣啓太の、通算100キャップを盛り上げるためだけのような試合になってしまった。

 相手が来季にディビジョン2降格濃厚の格下チームとはいえ、ワイルドナイツSO山沢拓也のプレーは、観客を楽しませる素晴らしいものとなっていた。また、彼以外のワイルドナイツ各選手のハイレベルかつ好プレーの連続は、ラグビーのエンターテイメント面では、勝敗に関係なく十分楽しめたのではないか。

トヨタヴェルブリッツ21-18グリーンロケッツ東葛

 不調チーム同士の対戦だが、選手の質ではヴェルブリッツがより潤沢であり、その差がそのまま3点差になったように感じた。

 ゲームとしては、グリーンロケッツが幸先よく先行したものの、前半最後にヴェルブリッツが取り返して、7-10の3点差で終わる。後半に入ってからはお互いにトライを取り合う展開になり、64分には14-15と1点差になった。さらに66分にヴェルブリッツにシンビンが出て数的劣勢となり、この後グリーンロケッツがDGを入れて14-18と差を拡げる。このまま逃げ切ればグリーンロケッツは待望の二勝目になると期待されたが、75分にヴェルブリッツがトライして、劇的な逆転勝利となった。

 勝ったヴェルブリッツも、負けたグリーンロケッツも、内容としてはまったく納得しないものだったと思われるほど、ラグビーとしては見ていて満足できないものだった。今週は、こうしたゲームが続いていて、ちょっと残念です。

クボタスピアーズ船橋・東京ベイ60-22三菱重工相模原ダイナボアーズ

 ダイナボアーズのSOにワラビーズのユーティリティーBKマット・トゥムーアが入り、これまでSOをしていたイングランド人のジェイムズ・シルコックがFBに移動した。トゥムーアはまだチームに馴染んでいないものの、シルコックよりはSOとしてのリードが上手かった他、一方のシルコックはSOとしてパスやキックをするよりも、自分でランニングする方が上手く、このゲームでも彼のアタックが良く効いていた。

 こうしてダイナボアーズは良い感じでゲームを進めていたのだが、前半を13-8(40分のトゥムーアのPGが入っていれば、13-11だった)で終えるのがやっとだった。後半のプレーに期待したものの、41分に不要なハイタックルでシンビンを出してしまい、これでダイナボアーズのディフェンスはあっさりと崩壊してしまった。一方のスピアーズは、この数的優位を利して連続トライを挙げ続け、50分までに41-18と大量リードした。

 その後、シンビンが終わって15人に戻ったダイナボアーズがトライを返すが、時既に遅しだった。その後は、スピアーズとダイナボアーズがトライを取り合うノーディフェンスのゲームが続き、最後にスピアーズが60点まで得点を積み上げてやっと終わった。最後は、なんとも大味な内容のゲームになってしまった。

 ダイナボアーズとしては、シンビンを出すまではなかなか競った内容だったので、シンビンは非常に惜しまれるが、しかしこれだけでディフェンスが崩壊してしまったことは、チーム力がまだまだ備わっていないことが理由と思われる。対するスピアーズは、相手のミスやシンビンにつけ込んで一気に得点を重ねるなど、チームとして実力があるところを存分に見せつけた結果となった。

コベルコ神戸スティーラーズ32-29静岡ブルーレヴズ

 12番CTBにトライを取れるマイケル・リトルが戻ったスティーラーズは、SHにベテランの日和佐篤を先発させたことでアタックにリズムが出てきた。そして、24分までに15-8とリードして順調に見えた。しかし、30分にそのリトルがシンビンになってしまう。これでブルーレヴズが一気に攻勢に出て、35分までに15-22と逆転する。その後40分にリトルが戻ったスティーラーズは、相手陣ゴール前に攻め込むが、得点できずに前半を終えた。ブルーレヴズとしては良い前半の終わり方だった。

 後半に入ってからブルーレヴズは、前半の良いペースを継続して52分にトライを加えて、15-29と14点差に拡げる。ところが、ここからスティーラーズのリトルが獅子奮迅の活躍を繰り返し、相手陣ゴール前でPKをもらうと自らクイックで攻めてトライを挙げる。コンバージョンも決まって22-29と7点差に迫った。スティーラーズとしては、イケイケの感じになった。

 その後62分にブルーレヴズは、リードを拡げるPGのチャンスを得るが、これを外してしまって試合の流れを取り戻せない。一方74分には、それまで相手陣に攻め込んではミスで得点できなかったスティーラーズが、自陣ゴール前で値千金のインターセプトから良くつないだトライを挙げ、ついに29-29の同点にした。残り6分、得点した側が勝利になる一進一退の攻防を繰り返した後、ついに78分、スティーラーズがPGを決めて32-29と逆転し、劇的な勝利を得た。

 かつてのスティーラーズであれば、ブルーレヴズに圧勝してもおかしくない実力差があったのだが、今のスティーラーズは、ブルーレヴズと同じくらいの力までチーム力が落ちている。そのため、最後まで得点で競るゲームとなったが、この試合でマイケル・リトルというゲームブレーカーが復帰したことが、最大の勝因となった。しかし、かつての高いチーム力が復活するまでには、まだまだ時間がかかりそうだ。

 惜しくも負けたブルーレヴズは、名門チームのスティーラーズに勝てる絶好のチャンスだったが、最後の勝負所で反則を犯してしまうあたりが、まだまだ優勝を争うようなレベルにチームではないと言える。

2.インターナショナルラグビー関連

(1)スーパーラグビーパシフィックの試行ルール

 来る24日から開幕する、南半球最大のクラブリーグであるスーパーラグビーパシフィック(NZから5チーム、オーストラリアから5チーム、フィジーから1チーム、トンガ・サモアの混成軍1チームの計12チーム)に際して、近年ゲームの進行を遅らせるプレーや判定時間を減少させるための試行ルールを実施することが報道されている。

 この試行ルールの主なポイントは、以下のとおり。
(a)現在NRL(オーストラリア・ラグビー・リーグ)で運用されている、バンカー(Bunker 貯蔵庫・観測室)と称する施設で、全試合の映像によるチェックを集中して行うシステムの将来的な導入を検証する。
(b)レフェリーは各試合でTMOに諮ることを2回に抑える一方、TMOは常時ファウルプレーについて、レフェリーと連絡を取り合う。
(c)選手のイエロー(シンビン)相当の反則が確認された場合は、10分間の一時的退場となるが、その後の8分間にTMOがプレーを再確認し、もしレッド(退場)相当となった場合は、当該選手は退場処分となるが、20分間経過した後に交代選手を入れることが可能(退場となった当該選手は再出場不可)となる。
(d)明らかに故意と判断されるファウルプレーがあった場合には、レフェリーはTMOに諮ることなくレッドを宣告できる。
(d)時間短縮のため、トライ後のコンバージョンは90秒以内、PK(及びPG)は60秒以内、スクラム及びラインアウトは30秒以内、レフェリーから「ユーズイット」の声があった後のラックからは5秒以内に、それぞれプレーしなければならない(違反した場合の対応は不詳)。

 この種の試行ルールは、日本のトップリーグでも似たものが実施されているが、試行結果が良ければ、近いうちに正式ルールに採用される可能性がある。

(2)ウェールズの選手契約問題

 NZヘラルドの以下の記事によれば、ウェールズ協会と契約している代表選手たちは、RWC開催以前に選手契約が切れてしまう問題に直面しており、早期の契約更改・延長を求めて、来週のイングランド戦に向けてストライキをする可能性があると報道されている。

 この種のトラブルは、選手のサラリーが高額となっている英国内では頻繁に発生しているが、成績不振にあえぐウェールズ協会にとっては、この選手契約の問題はチーム事情をさらに悪化させる要因になりかねないものとなっている。また、さすがの名将ワレン・ゲイトランド監督としても、これはラグビーのコーチング以外の問題であるため、如何ともしがたい状況となっている。

 ラグビー選手のプロ化自体は、ラグビーの発展に大きく寄与したと私は強く支持しているが、こうした問題が出てくると、特に日本の守旧派は「ラグビーはアマチュアであるべし」という世迷言を言い出しかねないのが心配だ。しかし、既にプロ契約が当然となっている以上は、歴史(時計)を後戻しすることなく、理想に向けて前進・改革していくことが重要だと考える。

(3)シックスネーションズは、今週はゲームなし

 RWCフランス大会に向けての、北半球勢の前哨戦となるシックスネーションズが、2週を終えて盛り上がっている。

 優勝候補かつ世界ランク1位のアイルランドが、事実上の優勝決定戦と見られたフランスとの対戦に完勝し、シックスネーションズのみならずRWCに向けて好調を維持している。コーチング能力は未知数だったイングランド人のアンディ・ファレル監督は、前任のNZ人監督ジョー・シュミットの築いた偉大な遺産を、うまく継続・成長させているようだ。しかし、チームの中心は高齢かつ怪我の多いSOジョナサン・セクストンであるため、絶対的な安定感には欠けている。

 負けたフランスは、シックスネーションズ優勝が遠のいただけでなく、連勝が14で止まり、RWCへ向けて好調だったチームに不安が出てきた。また、開幕戦のイタリアに勝利することはできたものの、後半はかなりの苦戦となっていたため、いくらRWCに向けての準備期間と弁解しても、ファビアン・ガルティエ監督の強権的な手腕によるチーム強化が、限界に来ているように見える。

 成績不振を理由にオーストラリア人(及び日本人の血を持つ)エディー・ジョーンズを解雇し、かつてジョーンズの部下だったイングランド人のスティーヴン・ボーズウィックを監督に据えたイングランドは、開幕戦のスコットランドに完敗して、チームの立て直しが困難であることを印象づけてしまった。しかし、次のイタリア戦にはなんとか勝利して、イングランド国内の不満を少し和らげている。しかし、ジョーンズによってコーチと選手との間が最悪になってしまったチームを再建するまでには、まだまだ時間がかかりそうだ。

 開幕戦に敵地でイングランドに勝利したスコットランドは、第2戦では、不調が続くウェールズを一蹴して、久々の好調の波に乗っている。この波に乗れた最大の理由は、グレガー・タウンゼント監督との不仲から起用されなかった、SOフィン・ラッセルをようやく起用できたことだろう。ラッセルは、これまでの監督との軋轢を一掃するような、現時点では北半球トップのプレーを見せており、このまま好調を維持すれば、シックスネーションズのみならずRWCでも良い結果を得られそうだ。

 NZ人のウェイン・ピヴァク監督を成績不振で解任し、前監督だったNZ人のワレン・ゲイトランド監督を復帰させたウェールズは、アイルランドとスコットランドに連敗し、不調から抜け出せないでいる。ゲイトランド監督が有能であることは、世界中の誰もが知っているため、監督責任云々を述べる者はいないが、一方で選手が批判のターゲットにされている。特に、一時はスコットランドのラッセルに並ぶ良いSOと見られたダン・ビガーが、彼自身のピークと比べても不調の底にあり、チームの足を引っ張る状態になっているのが苦しい。

 かつては「SOの製造工場」と称されるほど、ラグビー史上の名SOを次々と輩出してきたウェールズだが、スティーヴン・ジョーンズが引退して以降は良いSOがいない。そのためNZ人のガレス・アンスコムを起用するなどしているが、RWCまでにどこまで立て直せるかが注目される。

 シックスネーションズでは連戦連敗が続き、お荷物と見られていたイタリアは、NZ人のキアラン・クラウリー監督が就任して以降、快進撃を続けており、現時点では世界で最も注目されるチームとなっている。とりわけ、フランスでプレーするFBアンジュ・カプオッツォは、かつてのウェールズの名WTBシェーン・ウィリアムスを彷彿させるような、ディフェンスの小さな隙間を一瞬の急加速で抜き去る能力を安定して発揮しており、フランスのSHアントワーヌ・デュポン以上に世界が注目する選手となっている。

 残念ながら開幕のフランス戦には惜敗し、次のイングランド戦では前半にイングランドのパワーFW中心のゲームにつきあって負けてしまったが、後半は14-14の同点にするなど、試合中のゲーム修正力も高いため、シックスネーションズだけでなく、RWCでも台風の目になりそうだ。RWCのグループAでは、ウルグアイとナミビアには順当に勝利できるだろうし、フランスに勝つだけの力はある。また、さすがにオールブラックスに勝つのは無理だが、かつてのような大敗とはならないだろう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?