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<ラグビー>アオテアロア第7週及びスーパーラグビーAU第8週結果

1.アオテアロア

ハイランダーズ23-26チーフス

3分,ハイランダーズ10番SOミッチェル・ハントが正面40mのPGを失敗。
6分,チーフス11番WTBエテネ・ナナイセツロがインゴールに入り,TMOの結果トライ。15番FBダミアン・マッケンジーのコンバージョン成功で,0-7。
10分,ハイランダーズ7番FLジェイムズ・レンチースがトライ。ハントのコンバージョン失敗で,5-7。
17分,チーフス1番PRアイダン・ロスがインゴールに入り,TMOの結果,FBマッケンジーのノッコンが確認されて,ノートライ。
22分,ハントがPG失敗。
34分,マッケンジーが50mのPGを失敗。
36分,マッケンジーがPG失敗。
38分,ハイランダーズ12番CTBスコット・グレゴリーが,チーフス6番FLミッチェル・ブラウンにハイタックルして,TMOとなるがペナルティーのみ。
41分,マッケンジーが40mのPGを成功,5-10。

前半,ハイランダーズ5(1T)-チーフス10(1T1C1P)。
お互いに1トライを取り合った後,ミッチェル・ハント,ダミアン・マッケンジーの両チームのゴールキッカーが不調で,得点が進まない。屋内スタジアムなので,風の影響がないはずだが。

42分,ハイランダーズ9番SHアーロン・スミスがトライ。ハントのコンバージョン失敗で,10-10。
46分,マッケンジーがPG,10-13。
54分,ハントがPG,13-13。
57分,マッケンジーがPG,13-16。
61分,チーフス3番PRアンガス・タアアヴォがトライ。マッケンジーのコンバージョン成功で,13-23。
70分,ハイランダーズ22番BKジョシュ・イオアネがトライ&コンバージョン成功で,20-23。
77分,ジョシュ・イオアネがPG,23-23。
79分,マッケンジーが正面25mのDGを失敗。
82分,マッケンジーが50mのPGを失敗。
(このあと,サドンデスの10分間の延長戦)
84分,ジョシュ・イオアネが25mのDG失敗。
86分,マッケンジーがほぼ正面45mのPGを成功。23-26。

後半,ハイランダーズ18(2T1C2P)-チーフス16(1T1C3P),合計,ハイランダーズ23(3T1C2P)-チーフス26(2T2C4P)。

珍しい延長戦となったゲーム。最後は,チーフスFBダミアン・マッケンジーがPGを入れて,チーフスが勝利した。

チーフスは,キャプテンのオープンサイドFLサム・ケーンの離脱をよくカバーしていた。SOカレブ・トラスクが順調に成長している。彼の成長で,ダミアン・マッケンジーを安心してFBでプレーさせられる。また,前半不調だったマッケンジーのゴールキックも,後半に修正できたのが良かった。

ハイランダーズは,LOジェイムズ・アンズレイ(足首),WTBフェツリ・パエア(足首),WTBフリーダム・ヴァアハカロ(脚),SHファラウ・ファカタヴァ(膝),BKトーマス・ウマガジャンセン(手首)が,それぞれ今シーズン復帰不能となる怪我で欠場している。その中で,FLシャノン・フリッゼルが好調。姫野和樹は,前半早々にノッコンしてから,おとなしくなってしまった印象。また,クルセイダーズ戦勝利に貢献したSOミッチェル・ハントが不調で,チームの足を引っ張った感がある。


ハリケーンズ27-30クルセイダーズ

ハリケーンズ22番SHジョナサン・タウマテイネから,キャメロン・ロイガードに交代。

4分,ハリケーンズ15番FBジョルディ・バレットが50mのPG失敗。
9分,バレットがPG,3-0。
11分,クルセイダーズ11番WTBジョージ・ブリッジがインゴールに入り,TMOの結果トライ。10番SOリッチー・モウンガのコンバージョン成功で,3-7。
21分,クルセイダーズ13番CTBジャック・グッドヒューが左膝の怪我で退場。
22分,ハリケーンズFBジョルディ・バレットにクルセイダーズ14番WTBセヴ・リースが,タックルの際に首に手をかけたとして,ハリケーンズキャプテンのアーディ・サヴェアが「レフェリーチャレンジ」。これが認められ,ペナルティーの判定が覆る。
24分,クルセイダーズ11番WTBブリッジが2つ目のトライ。モウンガのコンバージョン成功で,3-14。
25分,クルセイダーズ1番PRジョー・ムーディが左脚の怪我で退場。
28分,ハリケーンズ12番CTBナガニ・ラウマフィーがトライ。バレットのコンバージョン成功で,10-14。
31分,モウンガがPG,10-17。
31分,ハリケーンズ14番WTBジュリアン・サヴェアがトライ。バレットのコンバージョン成功で,17-17。
43分,ハリケーンズ12番CTBナガニ・ラウマフィーが,クルセイダーズ4番LOスコット・バレットの首に腕を押しつけるラックのラフプレーで,シンビン。

前半,ハリケーンズ17(2T2C1P)-クルセイダーズ17(2T2C1P)。
ハリケーンズが善戦。WTBジュリアン・サヴェアが復活。クルセイダーズHOコーディ・テイラーは,アタックラインで度々ロングパスするなど活躍。

44分,ハリケーンズ11番WTBウェス・ウーセンがトライ。バレットのコンバージョン成功で,24-17。
57分,モウンガがPG,24-20。
58分,ハリケーンズ12番CTBナガニ・ラウマフィーがインゴールに入り,TMOの結果ノートライ。クルセイダーズ12番CTBデイヴィット・ハヴィリの腕がボールの下に入っていた。
62分,バレットがPG,27-20。
64分,クルセイダーズ14番WTBセヴ・リースがトライ。ハリケーンズが,リースへのパスがスローフォワードではないかと,再び「レフェリーチャレンジ」するが問題なし。モウンガのコンバージョン成功で,27-27。
73分,バレットが64mのPG失敗。ホームの場内では「ジョルディ」の声がこだました。
79分,モウンガの30mのDG失敗。
(この後土曜に続いて、サドンデスの10分間の延長戦)
82分,クルセイダーズ12番CTBデイヴィット・ハヴィリが,25mのDG成功,27-30。

後半,ハリケーンズ10(1T1C1P)-クルセイダーズ13(1T1C1P1D)。合計,ハリケーンズ27(3T3C2P)-クルセイダーズ30(3T3C2P1D)。

スコア通りのシーソーゲームかつ接戦。両チームのオールブラックスである,ダン・コールズ,アーディ・サヴェア,ナガニ・ラウマフィー,ジョルディ・バレット,コーディ・テイラー,スコット・バレット,サムエル・ホワイトロック,リッチー・モウンガ,ジョージ・ブリッジ,ウィル・ジョーダンらが奮闘した。

クルセイダーズの調子が下降気味のところへ,ハリケーンズの調子が上向いたことが接戦の理由になったように思うが,これからのトランスタスマンにおけるオーストラリアチームとの対戦では,両チームに加え,NZ5チームが順当に勝利を重ねてくれそうだ。なお,調子だけで言えば,ブルーズ>チーフス>ハイランダーズ>ハリケーンズ>クルセイダーズの順となるが,実力を加味すれば,クルセイダーズ>ブルーズ>ハイランダーズ>チーフス>ハリケーンズとなる。これにオーストラリア勢を加えれば,クルセイダーズ>ブルーズ>レッズ>ブランビーズ>ハイランダーズ>チーフス>ハリケーンズ>レベルズ>フォース>ワラターズの順だと思う。

ハリケーンズでデビューした19歳のSOルーベン・ラヴは,将来性のあるところを見せたので,来シーズン以降の活躍が期待される。順調に成長すれば,2023年RWCの3番目のSO候補に入るかも知れない。

私の考える現在のNZにおけるSOの序列は,ボーデン・バレット>リッチー・モウンガ>ジョシュ・イオアネ>オテレ・ブラック>ダミアン・マッケンジー>ミッチェル・ハントで,ここに,チーフスのカレブ・トラスクとハリケーンズのルーベン・ラヴが絡んでくる。ブルーズのスティーヴン・ペロフェタ,ハリー・プランマー,クルセイダーズのブレッド・キャメロン,ハリケーンズのジャクソン・ガーデンバチョップらは,テストマッチレベルにはちょっと距離がありそうだ。


2.スーパーラグビーAU

レベルズ15-16フォース
劣勢のフォースが,レベルズを5PGだけにおさえてトライを許さず,自らは75分にトライをもぎ取り,アルゼンチン代表SOドミンゴ・ミオッティのコンバージョンで辛勝したゲーム。フォースは,82分にFBリース・ホッジがDGを狙うも,彼はこういうプレッシャーのかかったプレーが苦手だから,お約束通りに外してノーサイド。その前にもDGのチャンスがあったが,21番SHジェイムズ・タットルのパスが悪くてキックできなかった。フォースは,レベルズの倍もタックルしているので,これはディフェンスの勝利と言える。

しかし,この試合のハイライトを見ていると,日本の神戸,パナソニック,サントリーが試合をしたら,この2チームとワラターズには十分勝てるレベルとみた。近鉄のウィル・ゲニアとクエード・クーパーが言っていること(トップリーグの上位チームは,オーストラリアのチームと勝ち負けできる)は正しいと思う。

レッズ24-22ブランビーズ
レッズSOジェイムズ・オコナーが,最後に逆転のPGを決めて,接戦を勝った。今年のレッズは勝負強い。デイヴ・レニー監督の後継者はブラッド・ソーン以外にいない。というか,ソーンは来シーズン以降,どこかの国代表監督になっていておかしくない。NZコーチは,本当に世界中で大活躍する程レベルが高いと思う。

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