見出し画像

<ラグビー>ザラグビーチャンピオンシップ用のオールブラックスのスコッド発表

日程や開催そのものが未定ながら、今シーズンのザラグビーチャンピオンシップを想定した、オールブラックスのスコッド35人(FW20人、BK15人)が、監督のイアン・フォスター、アシスタントコーチのジョン・プラムトリー、セレクターのグラント・フォックスによって、発表された。新たにスコッド入りした選手は、7人になる。

なお、PRアツ・モリ、LO/FLスコット・バレット、CTBナガニ・ラウマフィーの3人は、怪我による選考外となったが、バレット及びラウマフィーは、11月に復帰予定となっているので、その時点でスコッドが入れ替わるとみられる。また、LOブロディー・レタリックは、今シーズンは日本のゲームに専念するためNZに戻らないことから、選考外となっている。

オールブラックス・スコッド:
( )は、年齢、スーパーラグビー所属チーム、州代表所属チーム、キャプ数の順。

HO:3人
アサフォ・アウムア(23、ハリケーンズ、ウェリントン、0、ノンキャップで2試合)
ダン・コールズ(33、ハリケーンズ、ウェリントン、69)
コーディ―・テイラー(29、クルセイダーズ、カンタベリー、50)

PR:6人
アレックス・ホッジマン(27、ブルーズ、オークランド、初)
ネポ・ラウララ(28、チーフス、カウンティーズマヌカウ、26)
タイレル・ローマックス(24、ハイランダーズ、タスマン、1)
ジョー・ムーディ(31、クルセイダーズ、カンタベリー、46)
カール・ツイヌクアフェ(27、ブルーズ、ノースハーバー、13)
オファ・トゥンガファシ(28、ブルーズ、オークランド、35)

LO:4人
クインティン・ストレンジ(24、クルセイダーズ、タスマン、初)
パトリック・ツイプロツ(27、ブルーズ、オークランド、30)
ツポウ・ヴァアイ(20、チーフス、タラナキ、初)
サムエル・ホワイトロック(31、クルセイダーズ、カンタベリー、117)

FW3列:7人
サム・ケーン(28、チーフス、ベイオブプレンティー、68、キャプテン)
シャノン・フリッゼル(26、ハイランダーズ、タスマン、9)
カレン・グレイス(20、クルセイダーズ、カンタベリー、初)
アキラ・イオアネ(26、ブルーズ、オークランド、0、ノンキャップ1試合)
ダルトン・パパリイ(22、ブルーズ、オークランド、3)
アーディ・サヴェア(26、ハリケーンズ、ウェリントン、44)
ホスキンス・ソツツ(22、ブルーズ、オークランド、初)

SH:3人
TJ・ペレナラ(28、ハリケーンズ、ウェリントン、64)
アーロン・スミス(31、ハイランダーズ、マナワツ、92)
ブラッド・ウェバー(29、チーフス、ホークスベイ、5)

SO:2人
ボーデン・バレット(29、ブルーズ、タラナキ、84)
リッチー・モウンガ(26、クルセイダーズ、カンタベリー、17)

CTB:4人
ブライドン・エンノー(23、クルセイダーズ、カンタベリー、1)
ジャック・グッドヒュー(25、クルセイダーズ、ノースランド、13)
リエコ・イオアネ(23、ブルーズ、オークランド、29)
アントン・リエナートブラウン(25、チーフス、ワイカト、44)

バックスリー:6人
ジョルディ・バレット(23、ハリケーンズ、タラナキ、17)
ジョージ・ブリッジ(25、クルセイダーズ、カンタベリー、9)
カレブ・クラーク(21、ブルーズ、オークランド、初)
ウィル・ジョーダン(22、クルセイダーズ、タスマン、初)
ダミアン・マッケンジー(25、チーフス、ワイカト、23)
セヴ・リース(23、クルセイダーズ、タスマン、7)

初キャップとなるのは、PRアレックス・ホッジマン、LOクインティン・ストレンジ、LOツポウ・ヴァアイ、FLカレン・グレイス、NO.8ホスキンス・ソツツ、WTBカレブ・クラーク、WTBウィル・ジョーダンの7人。
また、HOアサフォ・アウムアとFLアキラ・イオアネは、2017年以来、PRカール・ツイヌクアフェは2018年以来の、それぞれ復帰となった。

ザラグビーチャンピオンシップ開始までは時間があるため、マイター10カップの第1週及び第2週のゲームに、オールブラックスのスコッドは出場可能としている。

スーパーラグビーのチーム別では、クルセイダーズから11人、ブルーズから10人、チーフスから6人、ハリケーンズから5人、ハイランダーズから3人となっている。また州代表別では、オークランド8人、カンタベリー7人、タスマン5人、ウェリントン4人、タラナキ3人、ワイカト2人、ノースランド、ノースハーバー、カウンティーズマヌカウ、ベイオブプレンティー、ホークスベイ、マナワツが各1人となっている。

初選出の選手紹介:
アレックス・ホッジマン
オークランド生まれだが、2014年にカンタベリー代表。クルセイダーズで9キャップを得た後、ブルーズに移籍。
クインティン・ストレンジ
ネルソンカレッジのキャプテン。2016年のU20代表。2016年にタスマンで11試合。その後クルセイダーズ入り。

ツポウ・ヴァアイ
ウェズレイカレッジのキャプテン。2018年に18歳でタラナキ代表。2020年のU20代表、同年スーパーラグビーにデビュー。
カレン・グレイス
ホウェラ生まれのティマル育ち(いずれも南島)。2020年にスーパーラグビーにデビューし、87タックル、45回のボールキャリーを記録。2019年U20代表。

ホスキンス・ソツツ
父ワイサケもオークランドとブルーズでプレー。2019年U20代表。同年オークランド代表。2019年にスーパーラグビーにデビュー。2020年は1位となる100回のボールキャリーと80タックルを記録。
カレブ・クラーク
1992~98年のオールブラックスの13番CTBエロニ・クラークの息子。マウントアルバートグラマースクールの2016年キャプテン。2017年にU20で世界大会に優勝。2018年オークランド代表でマイター10カップ優勝。オールブラックスセブンズの現メンバー、

ウィル・ジョーダン
クライストチャーチボーイズハイスクール出身。2017年にU20で世界大会優勝。同年タスマン代表。2020年のアオテアロアのトライ王、ディフェンス突破数とゲインした距離でいずれも1位。

北島対南島のトライアルで膝を怪我した、CTBブライドン・エンノーがスコッド入りしているが、復帰までに時間がかかるようであれば、ハリケーンズのピーター・ウマガジャンセンと入れ替える見込みとなっている。

監督のイアン・フォスターは、9月5日の北島対南島のトライアルマッチ以前に35人の名前を決めており、トライアルマッチはそれらの選手個々の調子や意気込みを確認するだけだった、と述べている。そのため、この試合で最も活躍したNO.8トム・サンダーズは、惜しくもスコッド入りを逃すこととなった。

【個人的見解】
それぞれのポジションの次の選手などを考えてみました。

HOは、コールズが年齢的に2023年まで持つかどうかなので、クルセイダーズのアンドリュウ・マカリオが、いずれスコッド入りするでしょう。

PRは、左PRジョー・ムーディが2023年には34歳になるので、左はアレックス・フィドウがスコッド入りしそうです。右はしばらくタイレル・ローマックスに依存するかも知れませんが、アンガス・タアアヴォにも期待したいです。

LOは、サムエル・ホワイトロックがムーディ同様に2023年には34歳です。ブロディー・レタリックが健在ですが、レタリックと先発を組むのはパトリック・ツイプロツになるでしょう。その次に、若いツポウ・ヴァアイに期待したいですし、今回は怪我もあって選考外になったパリパリ・パーキンソンが入ってくるでしょう。クインティン・ストレンジは、今後の成長次第でしょうか。

FW3列は、怪我のスコッド・バレット以外にも、ラクラン・ボシアー、トム・サンダーズ、トム・クリスティー、ディロン・ハントとスコッド入りできなかった逸材が揃っています。そのため、むらっ気が強いアキラ・イオアネは、相当に頑張らねば、スコッドに安定できそうもありません。また、サム・ケーンがキャプテンで7(6)番に固定、先発はアーディ・サヴェアとホスキンス・ソツツ。リザーブはシャノン・フリッゼルとダルトン・パパリイの争いとなります。しかし、若いカレン・グレイスを、将来のリッチー・マコウとするべく試合の経験値を積ませることが想定されます。

SHは、スコッドの3人がいずれも同世代なので、次が心配されます。順番としては、アーロン・スミスは2023年に34歳となるので、どこかでTJ・ペレナラと先発・リザーブが入れ替わりそうです。ブラッド・ウェバーは、この2人に勝つのは相当に厳しいでしょう。次の世代としては、テトイロア・タフリオランギ、フィンレイ・クリスティーがいますが、現状では実力の差が大きすぎます。2023年までには、タフリオランギやクリスティーを越える若いSHが出てきて欲しいものです。

SOは、2023年まではリッチー・モウンガSO、ボーデン・バレットFBで行きそうですが、どこかでバレットSOになり、モウンガがリザーブに下がるかも知れません。いずれにしても、2024年以降の先発SOはモウンガの順となりますが、成長著しいジョシュ・イオアネに抜かれる可能性があります。また、ブレット・キャメロンとハリー・プランマーの2人が順調に伸びているので、2024年の先発SO争いは相当な混戦になるかも知れません。

CTBは、いずれも若い選手が揃っていますので、2027年までは安泰そうです。そこにナガニ・ラウマフィー、ピーター・ウマガジャンセン、ビリー・プロクターらが絡んできます。また、今後もさらに若く良い選手が出てきそうです。リエコの13番CTBは、安定してきたので、12番CTBをアントン・リエナートブラウンとジャック・グッドヒューで担当し、13番をリエコとブライドン・エンノーで担当することになりそうです。ベストの組み合わせは、12番リエナートブラウン、13番リエコでしょうか。ラウマフィーは、やはりパス能力を磨かないとオールブラックスに定着できません。

バックスリーは、2027年まで安泰なメンバーが揃っていますし、次の若手として、マーク・テレア、レスター・ファインガアヌクなどがいます。両WTBは、ジョージ・ブリッジとセヴ・リースにするのが正当でしょうが、私としては、11番WTBウィル・ジョーダン、14番WTBダミアン・マッケンジー、15番FBジョルディ・バレットにしたいですね。ボーデン・バレットをSOの先発にするので、22番はリッチー・モウンガ、23番はカレブ・クラークを入れたいですが、彼は暫くセヴンズに専念すると思います。その代わりは、経験値の高いジョージ・ブリッジでしょうか。

またクラークはフィジカルに優れた魅力あふれるWTBですが、最近ではジュリアン・サヴェア、少し前では、ジョー・ロコゾコ、シティヴェニ・シヴィバツ、リコ・ギア、ホセア・ギアのように、活躍する時期が短命になりそうな感じがします。

一方ウィル・ジョーダンは、ベン・スミスやコリー・ジェーンのように息の長い活躍を期待できそうです。それから、ダミアン・マッケンジーは、FBがベストポジションですが、BKなら9~15番まで全てプレーできるスキルがあるので、スーパーサブとして23番に入れるのが正解かも知れません。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?