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<ラグビー>2024年シーズン(5月第三週)

(どうでもよい「話の枕」です。関心ない方は飛ばしてお読みください。)

 宗教では、来世での贅沢な生活のために、現世で苦労する(極端な場合は殉教=死ぬ)ことがよく語られるが、これは現世での清貧的生活をする思想から外れており、むしろ現世で欲望にまみれた生活をしているのと同じではないかと思ってしまう。つまり、下世話な話をすれば、好物のおかず(例えばステーキ)を先に食べるか(現世の贅沢)、後に食べるか(来世の贅沢)の違いであって、清貧本来の在り方である(ステーキなどがない)質素な食事とは遠い、食欲と物欲と肉欲にまみれたものだと思う。
 
 だから、純粋に清貧たる欲望を滅した生活と思想の実践をしたいというのであれば、来世で贅沢な生活をできるかどうかはまったく問題ではなく、現世における自らの精神と心が清貧となる条件として、ひたすら肉体における質素な生活を実践するだけになるだろう。そこに「ここで我慢すれば、来世で贅沢ができる」という「ニンジン」は不要であるし、「ニンジン」を使うのは邪道ではないだろうか。

 


1.リーグワン準決勝及び入替戦結果


準決勝

 今やJRLO(ジャパンラグビーリーグワン)と略されて、世界のラグビーファンから注目されている。

埼玉ワイルドナイツ20-17横浜イーグルス


 さすがに両チームともベストメンバーを揃え、ワイルドナイツはNO.8に好調の大西樹を抜擢した。イーグルスも13番CTBにジェッシー・クリエルが入り、日本代表ディラン・ライリーとの南アフリカ対日本のテストマッチ対決となった。

 前半をワイルドナイツが13-3とリードし、後半もそのまま完勝するかと思われたが、イーグルスが執拗なアタックを繰り返した結果、ワイルドナイツに反則が続いて、52分に13-17と逆転される。ところが、58分にワイルドナイツが相手のシンビンによるペナルティートライで再逆転し、最後は残り時間を守り切って辛勝した。

 予想外の点差と内容だったが、ワイルドナイツがトーナメント戦での底力を見せつけた一方、イーグルスとしては千載一遇のチャンスを逃した結果となった。しかし、準決勝で苦戦したワイルドナイツは、次の決勝ではいっそう強くなっていると思う。

 11番WTBマリカ・コロイベテのトライアシストにつながった強烈な突破が、かつてのジョナ・ロムーを想起させたと海外で話題になった。

ブレイブルーパス東京28-20東京サンゴリアス


 ブレイブルーパスは守護神SOリッチー・モウンガが万全の体制でプレーする。一方のサンゴリアスは、11番WTBにチェスリン・コルベが戻ってきた。また両チームのLO4人は、既に日本代表入りしているワーナー・ディアンズに続いて、資格要件さえ合えば代表入りする可能性が高いLO陣であるので、注目したい。勝負は、リザーブの活躍振りによって決まりそうだ。

 前半は7-10とサンゴリアスがリードするが、スローフォワードで逃したトライがあったとはいえ、攻め続けた末のわずか3点差であり、一方のブレイブルーパスは10点差にされた後にトライを返し、さらに逆転を狙った前半最後のプレーでトライを取り損なっており、流れはブレイブルーパスに傾いていた。

  後半は、ブレイブルーパスが前半最後の勢いのまま、42分に14番WTBジョネ・ナイカブラの素晴らしいラインブレイクからつないだ7番FL佐々木剛のトライで、ついに14-10と逆転する。佐々木はこのトライ以外にも、前半にブレイクダウンでターンオーバーを連発した他、後半はアタックでライン際を度々好走しており、MOMに相応しい活躍ぶりだった。また、ナイカブラもボールを持てば良い突破を繰り返して、好調ぶりをアピールしていた。

  ブレイブルーパスは、48分にサンゴリアスにトライを返されたが相手のオブストラクションに救われる。そして54分、65分と連続トライを挙げて、28-13として勝負を決めた。サンゴリアスは、69分の猛攻をブレイブルーパスSOリッチー・モウンガのトライセービングタックルで取り損なった後、ようやく74分に反撃となるトライを返したが、最後にラインアウトでミスがでてしまい、ブレイブルーパスに逃げ切られた。

 どちらが勝ってもおかしくない文字通りの接戦であったが、ブレイブルーパスは、4番LOワーナー・ディアンズと6番FLシャノン・フリッゼルの攻守にわたる奮闘に加え、WTBナイカブラやFL佐々木の優れた個人技でトライを取り切ったことが勝因となった。また、サンゴリアスのエースである11番WTBチェスリン・コルビを、何度も止め続けた11番WTB桑山淳生の攻守が光った。陰の功労者は桑山ではないか。

入替戦(D1とD2)

シャトルズ愛知39-57三重ヒート


  前半17-29、後半22-28とヒートが乱打戦を制した。この差がディビジョン1でもまれた成果ではないか。ヒートNO.8パブロ・マテーラが4トライを記録したが、SH北条拓郎の貢献が大きかった。なお、酷かった瑞穂の芝生はいくらか改善されていた。

浦安Dロックス21-12花園ライナーズ


 前半7-12、後半14-0とDロックスがライナーズに逆転勝利した。Dロックスは、第二戦で負けても9点差以内ならディビジョン1昇格が決まる。昨シーズンのライナーズは、入替戦で強さを発揮したが、今シーズンは相手が想像以上に強くなっていたようだ。また、ライナーズは、SOクエード・クーパーの好リードによるアタックがあったものの、FBセミシ・マシレワのディフェンスの拙さが足を引っ張ってしまった場面が多かった。Dロックでは、SH飯沼漣とSO田村熙の明治OBが大活躍した。

グリーンロケッツ東葛21-40ブラックラムズ東京


 前半7-26、後半14-14とブラックラムズが完勝した。ブラックラムズは、あと少しで入替戦回避となる10位で終えた上に、アタックでは上位チームにもかなり通用していたので、ここでが勝利しても当然の結果と言える。

2.スーパーラグビー第13週結果

ハリケーンズ32-24モアナパシフィカ

 ハリケーンズは、TJ・ペレナラが休み、先発SHはリチャード・ジュッド、リザーブは、ジョルディ・ヒルヨエンがプレーした。またSOの先発はアイルランドへの移籍が噂さているアイダン・モルガンとなった。なお、万能BKジョルディ・バレットも休養なので、モルガンが怪我した場合はFBのハリー・ゴッドフレイがSOに入ると思われる。モアナは、12番CTBにジュリアン・サヴェアが先発して、ペレナラの持つスーパーラグビーのトライ記録に挑んだ。

 Bチーム主体のハリケーンズは、前半を19-12とリードした後、後半はモアラに追い上げられて、75分には29-24と5点差まで迫られたが、78分にモルガンのPGで8点差としてどうにか逃げ切った。試合機会を得られないモルガンだが、与えられたチャンスを生かした結果となった。

レベルズ23-26チーフス


 チーフスはSOダミアン・マッケンジーとFBショーン・スティーヴンソンが先発に戻った他、多くのオールブラックスを揃えて万全の体勢だった。レベルズはホームゲームで力が入っていた。

 前半チーフスはシンビンを出すが、どうにか11-13とリードした。後半は、一時は11-23までリードを拡げたが、その後レベルズの反撃を受けて75分には23-23の同点にされてしまう。しかし、78分にマッケンジーがPGを決めて23-26として辛勝した。ベストメンバーのはずのチーフスだが、雨の悪天候もあり本来の力を十分に発揮できなかった。

フィジードルア28-19レッズ


 レッズは若手SOローソン・クレイトンが成長しており、22番に入ったジェイムズ・オコナーがサポートしている。試合は、ホームでは異様に強いドルアが、レッズに対して見事な勝利を収めた結果となった。負けたレッズは、開始早々のシンビンと後半のレッドカードにより、数的不利の時間が長すぎた。

ブランビーズ31-24クルセイダーズ


 クルセイダーズは、先発SOにファーガス・バークが戻ってきた。ブランビーズもベストメンバーで迎え撃った試合となった。

 前半を17-7とリードされたクルセイダーズが、後半に良い追い上げを見せて、75分には24-24の同点に追いつく。しかし、79分にブランビーズがPGを失敗した時、インゴールで競り合ったボールをボールデッドにするべくクルセイダーズの選手がはたいてしまい、この結果ペナルティートライを与えることとなり、痛恨のいわば「反則負け」となってしまった。大事な時間帯にこういう致命的なミスをして負けてしまうという、今シーズンのクルセイダーズの悪い点が象徴された結果となった。

ブルーズ47-13ハイランダーズ


 ブルーズはSOのリザーブにスティーヴン・ペロフェタが戻った。ハイランダーズは、先週活躍したSOキャメロン・ミラーのプレーに期待がかかった。試合は、ブルーズが前半を21-13で終えると、後半はハイランダーズを無得点に抑えた一方、26点を加えて圧勝した。FW力の差が得点差につながった結果となった。

フォース27-7ワラターズ


 不調ワラターズは、テイト・エドメッドをリザーブにして、SO先発は若いウィル・ハリソンで挑む。フォースは最近安定した試合をしているので、アウェイのワラターズは苦戦すると予想したとおりに、ホームのフォースが予想以上のスコアで完勝した。今シーズンのワラターズは最悪の状態が継続している。

3.その他のニュースなど

(1)伝説のオールブラックスSHシドニー・ゴーイングが死去

 シドニー・ミルトン・ゴーイングが、5月17日にノースランドのマロマクで家族に見守られて亡くなった。80歳だった。シド・ゴーイングあるいは「スーパーシド」と称された彼は、オールブラックス史上のみならず、ウェールズのガレス・エドワーズに並ぶ伝説的な名SHだった。エドワーズが、オールブラックス相手にバーバリアンズで記録したトライが高く評価されている一方、ゴーイングは力強い突破力に加え、魔術的なパスと正確なゴールキックを持ち合わせたスキルで観客を魅了したSHだった。また、子供時代から鍛えた強靭な身体から、タックルされても倒れない強さもあった。オールブラックスには、名SHのクリス・レイドローのライバルとして、1967~77年に29キャップ、57試合をプレーした。このうち5試合でキャプテンを務めた。また、マオリオールブラックスとしても多くの試合でプレーした。

 1968年に遠征してきたフランス相手に、開始から30分で2トライを記録したプレーは、フランスから「世界一のSHだ」と称賛された。18歳からノースランド州代表として43キャップを重ね、同代表とマオリオールブラックスでは、ケン及びブライアンとともにゴーイング三兄弟としてプレーした。この三兄弟がノースランドで三回のシザーズ(クロス)をして奪ったトライは、「ゴーイング、ゴーイング、ゴーイング、ゴーン(やった)」と記事のタイトルになった。このプレーを三兄弟は「ザ・スペシャル」と名付け、30回以上も練習を重ねたという。このプレーの内容は、シドからブライアンにパスし、そこへケンがシザーズ(クロス)でパスをもらって前進。ケンをサポートしたシドが、シザーズ(クロス)でパスをもらって最後にトライをしたものだった。このプレーは、1971年に遠征してきたブリティッシュアンドアイリッシュ・ライオンズと対戦したノースランドの試合でも試みられたが、シドがタックルされる危険を察知してパスをせず、トイメンにいたライオンズFBのJPR・ウィリアムズをぶちかましてトライをした結果となった。このトライで11-5としたノースランドは、同年のライオンズに勝利した唯一の州代表となった。

 なお、シドの他にもケンが1974年にオールブラックスに選ばれており、三兄弟中二人がオールブラックスとなった。シドは、ノースランド州カワカワで生まれ、ノースランドカレッジからクライストチャーチカレッジを経て高校を卒業した。1977年には大英帝国勲章を受章し、2020年にはNZのスポーツの殿堂入りしていた。

 一方シドは、敬虔なモルモン教徒として1960年代の二年間カナダへ伝道に行っており、NZに戻った後はマオリオールブラックスに選ばれて12年間にわたってプレーした。そうした功績から、最優秀マオリ選手に与えられるトムフレンチカップを三回受けている。モルモン教の教えに従っていたシドは、ラグビーのプレー振りは紳士的なものだったと評判が良かった。1978年に選手として引退した後、1993年から96年にノースランド州代表のコーチをしたが、コーチとしての実績に特筆すべきものはなかった。

<以下参考>
 
なお、レイドローとゴーイングはライバルとしてプレーした年代が近かった一方、この二人の後継者としてマーク・ドナルドソンがオールブラックスのSHとなるが、この時期のオールブラックスはやや低迷する。その後、ゴーイングの魔術的なパススキルを彷彿とさせるデイヴ・ラヴァリッジが登場し、彼は名SHとしてオールブラックスの栄光を支えていく。そしてラヴァリッジの引退した後は、アンドリュウ・ドナルドが短い期間をつなぎ、次に1987年RWC優勝のデイヴィット・カークへとつながっていった。歴代のオールブラックスのSHでは、シド・ゴーイング>クリス・レイドロー>デイヴ・ラヴァリッジ>デイヴィット・カーク>アーロン・スミス>グレアム・バチョップ>ジャスティン・マーシャル>ブルース・ディーンズ>ピリ・ウィープの順ではないだろうか。

(2)サム・ケーンは2024年でオールブラックスから引退する

 オールブラックスで95キャップ(そのうち27試合でキャプテン)のサム・ケーン、32歳は、2027年までNZ協会と契約しているが、2025年に契約解除してもらうこととなった旨発表した。一方、現在プレーしている東京サンゴリアスとは、2027年までの3年契約を結んだため、2025年からは、妻ハリエット、2歳の息子ハドソン、そしてこれから生まれる予定の二人目の子供とともに、家族で東京に移住することを決めた。

 18歳からベイオブプレンティー及びチーフスでプロ選手としてプレーしてきたケーンは、2011年にはU20代表として世界大会で優勝した。そして、オールブラックス入りした2012年のアイルランド戦で2トライを記録するなど、リッチー・マコウの後継者として期待されてプレーし、2015年のRWC優勝チームの一員となった。こうした中でケーンは、キャプテンという重責を担ってきたことを大変な栄誉だと振り返る一方、もし今年のオールブラックスに選ばれたら、自分としては大変に光栄なことであり、なによりもNZやオールブラックスに貢献することが最も大切にしたいことなので、次世代へうまく引き継ぎたいと述べている。また、サンゴリアスとの長期契約を決めた理由については、家族のことを考えた結果と説明している。

 なお、あと5試合テストマッチでプレーできれば、ケーンは100キャップとなり、オールブラックスとしては13人目の100キャップ達成となる。しかし、監督のスコット・ロバートソンが、今シーズンのオールブラックスにケーンを選出するか否かは不明だ。また、オールブラックスのFW3列には、アーディ・サヴェア、ホスキンス・ソツツ、ダルトン・パパリイ、イーサン・ブラカッダー、ルーク・ジェイコブソン、シャノン・フリッゼル、サミソニ・フィナウ、アキラ・イオアネ、ピーター・ラカイ、ブライドン・イオセなど、有力な選手がひしめきあっているので、ケーンの100キャップへの道程は容易ではなさそうだ。

(3)次のオールブラックスのキャプテンは?

 サム・ケーンの今年限りのオールブラックスからの引退宣言で、スコット・ロバートソンは、ケーンの後任となるキャプテンを指名しなければならないことになった。そこで、プラネットラグビーが次のキャプテン候補を挙げているので紹介したい。上から有力と思われる順に名前を記した。

アーディ・サヴェア
スコット・バレット
パトリック・ツイプロツ
コーディ・テイラー
ダルトン・パパリイ
ルーク・ジェイコブソン

 実績から考えれば、サヴェアとバレットの二人に絞られるが、2027年以降まで考えた場合は、パパリイやジェイコブソンの可能性も出てくる。一方、年齢を考慮すれば高齢のテイラーの可能性は低くなる。

(4)オールブラックスの6番候補は?

 ラグビーパスが、ジェローム・カイノのようなオールブラックスの6番FL候補を予想しているので、紹介したい。

シャノン・フリッゼル
イーサン・ブラカッダー
アキラ・イオアネ
サミペニ・フィナウ

 実績ならフリッゼルだが、今シーズンにリーグワンに移籍したことがマイナス材料になっている。次のブラカッダーは、怪我が多いためプレー時間がかなり少ないのがネックだ。イオアネも期待できるが、ブルーズでの試合数が少なすぎる。昨シーズンに初キャップを得たフィナウは、タックルが激しく高いためにシンビンになる危険性もあるが、プレー内容から見れば、フィナウがベストと思われる。

(5)ニューカレドニア生まれのFLツイフアをフランスとNZがつなひき

 NZホークスベイ及びハリケーンズの年齢別チームでプレーする、ニューカレドニア生まれで8月に20歳になるFW3列の選手パトリック・ツイフアは、フランス領で生まれたことからフランス代表の条件を満たているため、既にフランスのU20代表としてプレーしており、来るU20世界大会でプレーする他、フランス代表として南アフリカとのテストマッチにデビューする可能性がある。また、アルゼンチンへ遠征するフランスXV(準代表)に選ばれる可能性もあるため、現状からは、フランス代表監督ファビアン・ガルティエが希望するとおりにフランス代表入りすると思われている。しかし、現在プレーしているハリケーンズを筆頭にしたスーパーラグビーでのプレーに本人は関心を見せており、もしNZに残った場合は、オールブラックス入りする可能性が残されている。

(6)日本のU20代表がNZ遠征

 日本協会は、U20代表が5月19日から6月1日までNZに遠征し、25日と30日の二回、NZU(注:U20代表ではなく、NZの大学クラブから選抜した選手によるチーム。従って、20歳以上の選手も所属している)と(練習)試合を行うことを発表した。

 NZのU20代表は、先週ザ・ラグビーチャンピオンシップで2勝1分けの成績で優勝しており、そのまま日本のU20代表と対戦する場合はミスマッチとなるため、格下のNZUと対戦することとなったと思われる。なおNZUは、かつてはオールブラックスの選手を数人含むトップレベルのチームだったが、ラグビーのプロ化に伴い、スーパーラグビーより下の州代表レベルの選手と州代表に入れない各州の地域クラブ代表の選手によって構成される形態に変わっている。なお、各州の通称「バーシティ」と呼ばれる大学(注:NZの7大学は全て国立大学)のクラブチームは、州内のクラブによるリーグ戦でも中位程度であり、例えばオークランド州では、名門であるポンソンビークラブより実力は落ち、ウェリントン州でも、サヴェア兄弟がプレーしたポネーケクラブより実力は下にランクされている。

(7)ブラックファーンズが18試合目でカナダに初めて負ける

 NZで開催中のパシフィックフォーシリーズの試合で、ブラックファーンズ対カナダが行われた。前半はブラックファーンズが順当に14-10とリードしたが、58分にシンビンを出し、その間に14-22と逆転されてしまう意外な展開となった。しかし、70分に今度はカナダが危険なタックル(スピアータックル)でシンビンとなり、ブラックファーンズがトライを挙げて19-22と3点差に迫った。ところが、セカンドのホワイトジャージーのブラックファーンズはアタックにいつもの冴えがなく、数的有利がありながらも逆転のトライを取れないまま、最後は時間切れでまさかの敗戦となった。カナダは、1991年以来18試合目で初めてブラックファーンズに勝利した歴史的な試合となった。なお、前半のカナダのトライは、ビデオで見る限りゴールライン手前でカナダの選手がノッコンをしているが、スコットランドのレフェリー陣がこれを見逃していたので、もしも正確なビデオ判定があれば、ブラックファーンズが順当に勝利していたゲームであった。NZチームが強すぎるためか、こうした不利益が度々あるのは残念だ。


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