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サブスク動画戦国時代/Apple TV+の躍進を予期する

日本では2度目の緊急事態宣言が下され、ますます外出自粛の機運が高まっています。映画好きにとっては、新作映画の相次ぐ公開延期と、昨年同様の苦しみを味わされています。

先日noteにて、配信映画のおすすめを執筆・公開しましたが、今回は改めて注目度の高まるであろう「どの動画配信サービスがいいの?」に答えられるように、各配信動画サービスの比較を紹介していきます。

▼前回のnote記事はこちらです。

ただ、比較記事は数多く執筆されているので、本記事では、私自身が活用している配信サービスの体験をもとにした内容と今後の躍進が予想されるAppleTV+について語っていきます。どこの会社からもお金をもらっているわけではないので、あくまで感じたままのことを忖度なく紹介します。

ちなみに、私が活用している(または活用していた)配信サービスはこちらです(Disney+のみ未登録ですが、本記事で触れたい部分があるので入れています)。

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◆各サービスの比較について

まずは今回紹介するサブスクの配信サービスそれぞれの作品数、月額料金、新規登録した際の無料期間についてまとめました(2021年1月24日時点)。もろもろ但し書きも入れておりますが、各コンテンツの紹介で、より詳細部分について解説しましょう。

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具体的な数を非公開としている会社もありますが、確認できる範囲では「U-NEXT」が作品数では圧倒的です。月額料金については、人それぞれ考え方はあると思いますが、現状「Apple TV+」や「Amazonプライム・ビデオ」が安いです。ただ、見放題で鑑賞できるコンテンツが圧倒的に少ないのですが、個人的にはApple TV+の将来性も加味するとかなり期待値が高いので、それについては後述します。

無料体験期間については、実際にご自身で登録・体験してみてからその後もサービスの利用を続けるかどうかの判断期間となります。「Netflix」は2019年12月3日をもって無料体験期間を終了していますが、これは嵐のドキュメンタリーが配信開始された時期と重なります。推測にはなりますが、嵐の人気にあやかり、多数の新規会員獲得が見込めることからビジネスの観点を優先しているのかもしれません。

では、次に各配信サービスについて紹介をしていきます。

①Netflix/作品の質や配信作品数がバランス良し!オリジナル作品に要注目

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「ダダーン」という音声がトレードマークのNetflix(ネットフリックス)。近年最も成長が目覚ましい企業であり、配信サービスの中でも認知度・会員登録者数と抜きん出ています。

Netflix創業者のリード・ヘイスティングスの書籍『NO RULES』は書店やAmazonでのランキングで上位をキープするなど、ビジネス的な観点でも注目度が高まっています。先日有料会員登録者数が2億人を突破したことがニュースにもなっていました。

さて、Netflixを体験しての感想ですが、とにかく新たなオリジナルコンテンツの配信が頻繁で、それでいて各作品の質が高いです。ほかの配信サービスと比較して、今後配信予定の作品も随時告知しており、余念がない様子。

劇場公開が延期になるニュースが相次いでいるなか、飛ぶ鳥を落とす勢いで会員数を伸ばしているNetflixにとっては大きな問題とならなそうです。

2020年は劇場公開された『シカゴ7裁判』が映画ファンの中でも比較的評価が高く、2019年はさらにその1年前の『ROMA/ローマ』のアカデミー監督賞・撮影賞・国際長編映画賞受賞、作品賞ノミネートの勢いのまま、『マリッジ・ストーリー』や『アイリッシュマン』、『2人のローマ教皇』、『失くした体』、『クロース』がアカデミー各賞に合計24ノミネートされるという快挙を見せました。

日本では『今際の国のアリス』がNetflixオリジナルドラマとして配信開始され、配信開始後28日後に全世界で1,800万世帯が視聴。これは日本発の実写オリジナル作品としては最も多くの国や地域で視聴されたことになった数です。

大人気漫画・アニメの『幽☆遊☆白書』の実写ドラマ化も発表されるなど、今後のオリジナルコンテンツについても益々期待値が高まります。ドウェイン・ジョンソンやガル・ガドット、ライアン・レイノルズを筆頭に、2021年の新作映画を一挙盛大に発表していることも今後の注目度が高まる要因の一つでしょう。


映画ファンの中では最低2つはサブスク登録している人も多く、そのような場合にはとりあえずNetflixをセレクトするのはアリだと思います。

②U-NEXT/圧倒的な作品数!映画好きならば登録して損はない

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作品数は圧倒的で20万本以上、しかもそのうち18万本が見放題というとんでもないモンスターサービスです。月額1,990円(税別)という金額の高さが取り沙汰され、登録に尻込みする人も多い印象ですが、年間数十本〜100本以上鑑賞するような人にはかなりオススメです。

というのも、実は毎月1,200ポイントが会員に付与されます。これはレンタル・購入作品にそのまま使うことができ、見逃してしまった新作映画(だいたい500円ぐらい)などを鑑賞したいときにそのまま利用することができます。劇場公開の新作映画も割と早い段階でレンタル配信開始されます。

作品の豊富さは上記の通りですが、つまり古い作品もかなり観ることができるので、古典映画含め観たい作品を検索してみると高確率でヒットするのが利点です。私は最近U-NEXTを利用して、アルフレッド・ヒッチコック作品を見返しています。逆に、U-NEXTでレンタル含め見つからない場合は、ほぼTSUTAYAなどのレンタルショップに行かないと見つけられないと考えられます。

あと、あまり大きな声では言いづらいですが、18歳以上の成人向けコンテンツもかなり充実しています。大多数見放題の範囲というのもポイントです。

「ないエンタメがない」のキャッチコピーは誇張表現ではなく、映画やドラマ、アーティストのライブ映像、バラエティ番組のほか、すべて購入となりますが電子書籍が約57万冊、雑誌は80誌が読み放題です。

③Amazonプライム・ビデオ/「とりあえず登録」にオススメのバランスの良さがウリ

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Amazonプライム・ビデオの会員登録者数は、全世界で1億5,000万人を突破、日本では暫定500万〜850万人と予想されます。具体的な数字は見つからなかったのですが、こちらの記事によるとAmazonの売上高比率に基づくとその数字が予想されるだろうとのこと。

なお、Amazonプライムは月額料金の安さが全世界と比較しても圧倒的に安いです。2019年まで年額3,900円で据え置かれており、それが今や4,900円に上がってしまいましたが、アメリカやイギリスは日本円換算で10,000円以上とのこと。

Amazonはオリジナルコンテンツこそ35作品程度とさほど多くはありませんが、話題作や人気作は優先的に配信している印象です。見放題だけでなく、レンタルや購入でも劇場公開から日本未公開作品まで幅広く取り扱っています。

私はあまり観ないのですが、ドラマやバラエティ番組も様々配信されており、映画好きだけでなく、幅広い層に対応できるのが強みでしょうか。

ただ、映画好きの目線で見ると、コンテンツが探しづらく、海外映画は字幕版と吹替版それぞれで独立しているので、いざ字幕で観ようと思ったら吹替版だったなんてこともあってめんどくさいです。Amazonが配信開始したばかりの注目作品はトップに表示されるので、その限られた中からセレクトするのであれば使いやすいかもしれません。

Amazonプライムは配信作品だけがメリットではありません。プライム会員であれば、Amazonで購入した商品は配送料無料、モノによってはお急ぎ便で当日または翌日には手元に届くのです。通常、ほかのネットショッピングサービスでは2,000円以上購入から送料無料などになりやすいですが、Amazonは購入額に関係なく無料であるのが特徴でしょう。

プライム会員限定のタイムセールも定期的に実施されるなど、映画やドラマのほかにも欲しい商品が安く手に入るかもしれないという嬉しいメリットがあります。

また、Prime Musicもプライム会員であれば利用ができ、100万曲以上が聴き放題です。ただ約3,000万曲以上が聴き放題のApple Musicと比較するとかなり見劣りするので、おまけ程度と思ったほうがいいでしょう。

ほか、電子書籍の定額読み放題サービスの「Kindle Unlimited」が30日間無料体験できる(月額980円)とか、本を朗読してくれる「Audible」が3ヶ月間無料体験できる(月額1,500円)など、さまざまなサービスに派生しています。

世界最大手の企業の一つAmazonらしく、何でもかんでも手を出している感が逆に特筆した特徴がないという残念さがあります。月額500円/年額4,900円が大した財布のダメージにならない人にとっては、とりあえず登録することはオススメできます。

④Hulu/海外と日本のドラマの充実度が凄い!

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日本でサービスが開始された動画配信サービスですが、とにかくドラマが充実しています。私も数年前は登録していましたが、現在は利用していません。ドラマに特化しており、映画もそれなりの本数配信されていますが、Huluで配信されていれば、AmazonもしくはNetflixどちらかでは配信されているというぐらいオリジナリティがありません。

とにかく「たくさんドラマを観たい!」という人にはオススメできるサービスです。メリットとしては、月替わりで作品が入れ替わるので、どんどん新しい作品が投入されるワクワク感はあります。後で観ようと思っていたけど、作品の入れ替わりで観れなくなったということもありますので、注意が必要です。

Huluオリジナルドラマの配信をはじめとして、日本テレビ傘下ということもあり、日本テレビ系列の地上波放送ドラマの配信やオリジナルコンテンツの配信が特徴的。一時米国進出を目論んでいましたが、結果的に海外での認知度の低さから断念し、日本に特化した配信サービスとなっています。アメリカではディズニーが実質的にHuluを買収しており、ディズニー系の配信サービスで展開されている模様。

⑤Disney+/ディズニー作品やMARVEL、Star Warsなどのギガヒットコンテンツの宝庫!

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実はこの「Disney+」ですが、まだ加入するか迷っており、私自身登録していません。『アイアンマン』から始まり、『アベンジャーズ/エンドゲーム』で完結し、『スパイダーマン/ファー・フロム・ホーム』でフェーズ4への橋渡しをしたMCU作品のファンとしては、無視できないサービスなのですが、あんまりディズニーが好きではないんですね…。ユーザー優先ではなく、ビジネス優先の会社としてのやり方やもともとディズニーアニメもあまり観たことがないので愛着がないのです。

今後MARVELのオリジナルコンテンツがさらに充実するため、その状況次第で検討したいと考えております。ただ、日本のDisney+は、4Kの画質に対応していない、DolbyAtmosや5.1chのサラウンドにも対応していない問題点が気になるところです。自宅にせっかくいいテレビがあるのに、画質がそんなに良質でないのはなんだか勿体ない気がします。

「Disney+」の特徴としては、ディズニー作品やピクサー作品、マーベル作品、スター・ウォーズ作品、ナショナル・ジオグラフィック作品が独占的に配信されていることでしょうか(権利の関係で一部配信していない関連作品あり)。

直近では『ワンダヴィジョン』のドラマシリーズが配信開始され、MCUファンの注目度が高まっており、今後も『ファルコン&ウィンターソルジャー』や『ロキ』といったドラマシリーズの展開も予定されています。

新型コロナ感染拡大による影響で、劇場公開の延期が続いている『ブラック・ウィドウ』もDisney+での配信オンリーの可能性が取り沙汰されており、益々配信に力を入れていくことが予想されます。

⑥Apple TV+/配信サービスのダークホース! 今後の躍進が予想される良質コンテンツに期待

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あくまで冷静に中立的な立場で紹介をしてきましたが、私自身この1ヶ月弱でこの「Apple TV+」に対する評価が高まってきています。

正直現状で言えば、ほかの配信サービスに比べて作品数やサービスの充実具合でかなり脆弱です。おそらく配信サービスとしての最大手は今後もNetflixの躍進がとどまることを知らないと思います。巨額投資、将来ビジョンの発表、実際に配信するコンテンツの質の高さなど、他サービスの追随を許しません。

ただ、Appleはこの「Apple TV+」に多額の資金を投資することを発表しており、2022年までに約42億ドルの投資をすることが予想されています。

映画の視点だけで語ると、日本で劇場公開がスルーされたアンソニー・マッキー&サミュエル・L・ジャクソンの『ザ・バンカー』やトム・ハンクスの『グレイハウンド』がオリジナル作品として配信されており、アニメ映画ファンからの評価が高くアカデミー長編アニメーション賞へのノミネートも堅い『ウルフウォーカー』もオリジナル作品として配信されています。良質な作品をオリジナルコンテンツとして引き入れる慧眼は注目されるべきでしょう。

Apple TV+のオリジナル製作映画としても、ジャスティン・ティンバーレイク主演の『パーマー(Palmer)』が2021年1月29日に配信予定、トム・ホランド主演の『Cherry』が同年3月12日に配信予定と注目度の高い作品が予定されています。

今後も有名監督、有名俳優のオリジナル映画の配信も予定されており、現在はコンテンツの充実に力を入れ始めているところでしょうか。

強みは映画以上にドラマにあります。現在配信中のドラマ『ザ・モーニング・ショー』は、私自身がハマったドラマ。ジェニファー・アニストンとリース・ウェザースプーン、スティーブ・カレルのトリプル主演です。男性優位社会で、旬の過ぎた女性キャスターと歯に衣着せぬ発言で注目を集める女性キャスターが奮闘する模様を描いたドラマで、とにかくテンポの良さがいいです。詳細はまた別途記事にして紹介したいと思っています。

ほか、ヘイリー・スタインフェルド主演の『ディキンスン 〜若き女性詩人の憂鬱〜』やクリス・エバンス主演の『ジェイコブを守るため』など、人気・実力ともにトップクラスの俳優が集結している点にも要注目です。

私が本サービスに登録したきっかけは、1年間無料という大出血サービスです。iPhone、iPad、iPod touch、Apple TV、Macいずれかを購入したユーザーには漏れなくついてくるサービスです(自身での登録が必要)。該当製品を新たに購入してから3ヶ月以内の申し込みが期限となっているようです。

おそらくApple製品ユーザーにサービスを体験させ、1年後にはコンテンツがさらに充実している状態で継続してサービス利用してもらう「囲い込み」が思惑でしょう。もし無料体験のチャンスがあれば、とりあえず登録することをオススメします。気に入らなければ、1年以内に解約すればいいのですから。

iPhone 12が発売されてから、新たに購入もしくは機種変更する人も多いと思いますが、そんな人にこの記事が届いてくれると嬉しいものです。

現状のデメリットは配信作品の少なさです。様々な映画の配信もしていますが、オリジナル作品以外はレンタルもしくは購入が必要なので、あくまでオリジナルコンテンツを楽しむことが主目的となるでしょう。

DolbyAtmos対応テレビと連動できれば、4K HDRの映像とDolby Atmosの音響で贅沢な映画およびドラマ体験ができるのが特徴です。

◆自分の視聴環境や好きなジャンル等を勘案して映画ライフを楽しもう

いかがでしたでしょうか? 今回Apple TV+の良質さに感激して、ややApple TV+寄りの記事となりましたが、基本的には中立的立場で書きました。

とにかく自分自身が月単位や年単位でどれぐらいの映画やドラマを楽しむのか、コロナの自粛生活で自宅映画鑑賞等が増えた人には是非とも参考にしていただければ嬉しいです。

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