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MEDDPICCについて徹底解説!!!

MEDDPICCは地雷探知機

はじめに

営業活動において、特にエンタープライズ営業は非常に複雑で長期的なプロセスを必要とします。このような状況下で成功するためには、詳細、且つ体系的なアプローチが必要不可欠です。そこで今回ご紹介するのが、外資系では一般的によく使われる「MEDDPICC」というフレームワークです。この記事では、MEDDPICCがどのように商談の地雷探知機の役割を果たすのか、その重要性と実際の活用方法について詳しく解説します!是非最後まで読んでいただけると嬉しいです🥺


MEDDPICCとは何か?

MEDDPICCは、エンタープライズ営業において商談を成功に導くためのフレームワークで、以下の要素で構成されています。

  1. Metrics(メトリクス):成功の指標や成果を測るための基準

  2. Economic Buyer(意思決定者、決裁者):最終的な購買決定権を持つ人物

  3. Decision Criteria(意思決定基準):顧客が意思決定を行う際の基準

  4. Decision Process(意思決定プロセス):顧客が意思決定を行う手順

  5. Paper Process(書類プロセス):契約書や関連書類の承認フロー

  6. Identify Pain(課題):顧客が抱える具体的な問題や課題

  7. Champion(チャンピオン):社内で自社製品を推進してくれる支持者

  8. Competition(競合):競合他社の状況や提案内容

MEDDPICCが地雷探知機である理由

エンタープライズ営業では予期せぬ障害やリスク(地雷)が多く存在しています。これらの地雷を事前に発見し回避するために「MEDDPICC」は非常に有効です。各要素を体系的に評価することで、商談の進捗状況や潜在的なリスクを把握しやすくなります。以下はそれぞれの要素についてもう少し詳しく解説しています。

1. Metrics(メトリクス)=成功をどうやって測るの?

顧客がどのような指標で成功を測るのかを理解、把握することで、提案内容が顧客の期待に沿っているかどうかを確認することができます。例えば、ROI(投資利益率)やコスト削減の具体的な目標を明確にすることで、顧客のニーズに合致した提案を行うことができます。PoCやトライアルをやる場合、評価軸に自社に有利なメトリクスを入れてもらうような営業活動が必要となります。

2. Economic Buyer(意思決定者、決裁者)=お金を出すボスは誰?

最終的な購買決定を行う人物を特定し、その人物との関係を構築することはエンタープライズ営業にとって(それに関わらず)非常に重要です。このプロセスを怠ると、決定権のない担当者とのやり取りが続いたり、時間を浪費し案件が最終的にひっくり返されるなどの可能性があります。意思決定者、決裁者と直接コンタクトを取ることで、商談の進捗をスムーズに進めることができます。
一方で多くの日本企業の場合、意思決定は"役員会"であることも多いです。役員の中で誰が統括しているのかを把握し、あらゆる手段を使って役員との関係を作りに行くことが重要です。

3. Decision Criteria(意思決定基準)=決めるときのポイントは何?

顧客がどのような基準で意思決定を行うのかを理解することは、提案を成功させるためにめちゃくちゃ重要なポイントです。価格、機能、サポート体制など、顧客が重視するポイントを明確にすることで提案内容を最適化します。またこのクライテリアを自社に有利な形に持っていくことも営業活動では求められます。各意思決定基準をスコアリングして、他社と比較し自社に何が欠けているのか、それを補うために何をしなければならないか、を営業が率先して考えましょう。これにより、顧客の期待に応えるだけでなく競合他社との差別化を図ることができます。

4. Decision Process(意思決定プロセス)=どうやって決めるの?

顧客が意思決定を行う際のプロセスを詳細に把握することで、商談の進行を予測しやすくなります。意思決定に関わるステークホルダーが誰なのか、各ステップのタイムラインを明確にすることが重要です。コンペリングイベント(変化せざるを得ない差し迫った状況)を明確にして、誰がいつどのようなプロセスで意思決定を行うのか、細部に渡るまで把握することで、、商談が停滞するリスクを減らし、スムーズな案件受注を実現することができます。

5. Paper Process(書類プロセス)=書類のやりとりはどうするの?

契約書や関連書類の承認フローを把握することは、商談の最後の段階で非常に重要となります。これを把握していないことで案件がスリップして上司から詰められる事象が多発しますwww
顧客側の承認プロセスを理解し、必要な書類を事前に準備しましょう。特にリーガルプロセス、セキュリティチェックなど想定より時間を要す可能性があるものにも気をつけましょう。いつだれにどういった書類が流れるのか、間に合わない可能性がある場合の対処法があるのか、、承認プロセスにおける潜在的な障害を事前に発見し、対策を講じることが営業には強く求められます!

6. Identify Pain(課題)=困っていることは何?

顧客が抱える具体的な問題や課題を明確にすることで、提案内容をより効果的にすることができます。顧客のPainを正確に理解し、その解決策を提示することで、商談の成功率を高めることができます。Painが無い案件は案件ではありません。(No pain No gain)
課題の特定については非常に重要であり、別途解説します。

7. Champion(チャンピオン)=味方になってくれる人は誰?

社内で自社製品を推進してくれる支持者を見つけることは、商談を成功させるための大きな助けとなります。チャンピオンは、内部での影響力を持ち、他のステークホルダーに対して自社製品の価値を伝える役割を果たします。チャンピオンとの強力な関係を築くことで、商談の進行をスムーズにすることができます。例えば、チャンピオンが社内プレゼンで自社製品の優位性を説明してくれることで、他の部門からの支持も得やすくなります。
Championについては以下で解説していますので是非ご覧になってください!

8. Competition(競合)=ライバルは誰?

競合他社の状況や提案内容を把握することで、自社の強みを効果的にアピールすることができます。競合他社との違いや、顧客にとってのメリットを明確にすることで、競争優位性を確保できます。例えば、競合製品の弱点を突くことで、顧客にとって自社製品の優位性を強調することが可能です。

MEDDPICCの実践方法

MEDDPICCを効果的に活用するためには、各要素を体系的に評価し、具体的なアクションプランを立てることが重要です。以下に、MEDDPICCの実践方法を示します。

1. 詳細なヒアリング

初回面談から顧客のニーズや課題を詳細にヒアリングし、MEDDPICCの各要素に関連する情報を収集します。顧客のビジネスモデルや業界動向を理解することで、提案内容をより具体的にすることができます。特にIdentify PainとChampionを商談の早い段階で抑えておくことが案件を円滑に進めるうえで重要です。この2つがなければ案件を進めるのは難しいでしょう。

2. 定期的なレビュー

商談の進捗状況を定期的にレビューし、MEDDPICCの各要素に基づいて評価します。定期的なレビューを行うことで、商談のリスクを早期に発見し、適切な対策を講じることができます。たとえば、Forecast Meeting等の週次ミーティングで各案件の進捗を確認し、必要なアクションを洗い出します。

3. チームでの情報共有

チーム内で情報を共有し、MEDDPICCの各要素についての意見交換を行うこともとても重要なアプローチです。チーム全体で情報共有することで、異なる視点から商談を評価、そしてより効果的な戦略を立てることができます。課題が本当に課題であるのか、Championは本当にChampionなのか、ペーパープロセスに不安点はないか、など。また、各営業担当者が抱える案件について情報を共有し、ベストプラクティスを学び合うことで営業力を高めていくのも有効な手段の一つです!

4. 顧客との継続的なコミュニケーション

1回の商談でMEDDPICCをすべて網羅できることはまずありえません。顧客との継続的なコミュニケーションを通じて、MEDDPICCの各要素に関連する情報を更新し続けます。顧客の状況やニーズが変化することを常に把握し、提案内容を適宜見直すことが重要です。たとえば、定期的なフォローアップメール、電話やミーティングを通じて、顧客の最新のニーズを確認します。

結論

MEDDPICC」は、エンタープライズ営業における地雷探知機として非常に有効なフレームワークです。

各要素を体系的に評価し、商談の進捗状況や潜在的なリスクを把握することで、成功の確率を高めることができます。

特に、「Identify Pain」と「Champion」の要素は、顧客の課題を深く理解し、内部の支持者を得るために極めて重要な要素となります。詳細なヒアリング、定期的なレビュー、チームでの情報共有、顧客との継続的なコミュニケーションを実践することで、MEDDPICCを効果的に活用し、狙ったタイミングで案件を受注できる営業になりましょう!!!

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