【考察】Mr.Childrenの『深海』を考えてみる
※この記事はあくまでも個人的な感想です。
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シンガーソングライターゆーじです。
お久しぶりです。
自粛期間中にインプットし、アウトプットをしようと考えてたものを、ようやく少しずつ表に出していこうかと。
第1弾は、国民的ロックバンド『Mr.Children』の名盤とも迷盤とも言われる『深海』を個人的に考察してみました。
まずこのアルバムは収録曲から異質の為、個人的には相当な思い入れや世界観を大事にしたかったアルバムなのではないのか?と。
収録曲が異質というのは、アルバムの発売日が1996年6月24日。
前作のアルバムから発売されたシングル、6thシングル「Tomorrow never knows」、7thシングル「everybody goes -秩序のない現代にドロップキック-」、8thシングル「【es】 〜Theme of es〜」、9thシングル「シーソーゲーム 〜勇敢な恋の歌〜」は、本作のテーマにはそぐわないという理由で未収録となってるのだ。
しかし10thシングル「名もなき詩 」、11thシングル「花 -Mémento-Mori- 」が収録されて、上記の未収録は次のアルバムに収録されると言う事態となり、当時ファンの間では様々な推測がされたもんです。
その後ボーカル桜井さんいわく「不倫してんじゃんと突っ込まれる前にこのぐちゃぐちゃを吐き出してやろう」と言う思いがあったことも明かされてる。
当時誰もが衝撃を受けたこの『深海』というアルバム。
何故これまで人々を惹きつけて、人々を考えさせ、名盤か迷盤かと分かれるアルバムとなったのか、個人的に考えてみようとペンを握った。
まずこのアルバムはこの収録順でないと成り立たないもので、1曲でも順番が違っていたら、全く別のアルバムになっていたであろう。
それはアルバムの中で『シーラカンス』という表現が幾度となく出てくるからである。そう、シーラカンスを自分自身か他の何かかに置き換えて何かを考えてもらおうという作品であることは間違いないと思える。
シーラカンスについてはWEBにてそれぞれ調べていただければ、シーラカンス=深海である意味も納得できるかと思います。
それでは『シーラカンス』は誰なのか。そこには個人的な考えがあってもいいと思うが、あえてボクは自分自身だと思える。
物語の主人公『シーラカンス』は自分自身、皆さん自身なのだ(あくまで個人的意見)
ここからはボクとあなたも『シーラカンス』になって冒険に出かけましょう。
①『Dive』水。そう水。インストゥルメンタル。物語でいえばプロローグ。
主人公はここで生まれましたと言うような、このアルバムの自己紹介であり、コンセプトを十分に表現できているインストゥルメンタル。
②『シーラカンス』いきなり主役の登場である。
しかし、ミスチルのアルバムを初めて聴く方は驚くことは必須である。
それは世界観が暗すぎるから。
正直に言うと、こんなにインストを除いたアルバムの1曲目にふさわしくない曲はなかなかない。ミスチルだから納得してしまう『シーラカンス』なのである。
『シーラカンス』というボク・あなたはここで世界から【滅びた】って言われても、生まれてきたのである。
3億と言われる精子の中から、それでも強く生き残り生まれたのが『シーラカンス』と表現された少年なのだ。
③『手紙』上手く転調を重ねて、違和感なく次の曲へ。
主人公『シーラカンス』が思春期を迎え、大人になっていく様を描いた作品だと思う。
たった3分弱の曲の中に春夏秋冬が描かれていて、自分も『シーラカンス』と同じように成長していってる風景が見えてくるのである。
ちなみにポップなミスチルしか知らないリスナーはここ辺りで嫌気がさしてくるかもしれないほど、本当にここまでは暗い作品なのだ。
ただ昨今、曲の間を転調でつなぐというのをメジャーにしたのは『シーラカンス』→『手紙』のこの流れであることは間違いない。流れがあまりにも美しすぎるのだから。
そして主人公は大人になるのである。
④『ありふれたLove Story ~男女問題はいつも面倒だ~』これぞミスチルポップ。
でも葛藤が満ち溢れ、前曲『手紙』で純粋だった少年は現実を見て戸惑い悩み、適当な恋をしてみるが長続きなどするはずもなく。。。
だけど俺まだまだ若いぜ。恋がなんだ、愛がなんだ、若者ならではのポジティブシンキングを上手く表現してる個人的に好きな曲。
⑤『Mirror』弾き語りミュージシャンであれば1度はカバー経験のある曲。
主人公は若者から大人になります。それは歌詞の内容からも理解できます。
でもこの主人公は少し口下手なんでしょうか、ただ適当に恋をして適当にSEXして楽しければ良かった時代と別れを告げます。
そう、大好きな人を、この人だという人をきっと見つけたのです!!
でも男って不器用だし、考え方が基本的にダサいんですよ。
今時あなたの為に唄いますなんてさ、自己満足しかないんだけど、男ってそういう不器用でダサいんですよ。
⑥『Making Songs』叫び
短いの。ただただ。どうやってあなたに伝えよう。
⑦『名もなき詩』名曲が出来ました。
知る人ぞ知る名曲ですよね。
あなたに贈る名曲がついに出来てしまいました。
適当な恋をしてた『シーラカンス』少年が、『シーラカンス』青年となり、愛を知って恋をして、、、
でも『シーラカンス』青年はまだまだピュアですよね。
それは是非『名もなき詩』を聴いてみてください。
⑧『So Let's Get Truth』現代風刺の効いた一発。
情勢が変わります。
愛だ恋ではなくなり、世界情勢が変わったのでしょう。
ほんの2分弱で当時のバブル崩壊等が上手く描かれており、ポップの中に風刺がよく効く。
『シーラカンス』青年は大好きな君に前曲で「いつまでも君に捧ぐ」名もなき詩をどう思ったのだろうか。
⑨『臨時ニュース』15秒の衝撃
ここから物語は急展開で後半は向かっていきます。
そう、チャンネルを変えても臨時ニュースで世界は大変な状況になっていくのです。
テロ・戦争・震災・現代で言えばコロナに値するのでしょう。
この15秒でアルバムの世界観も一気に変わります。
どうなるのか『シーラカンス』青年。
⑩『マシンガンをぶっ放せ』いよいよ世界は変わる。
正義も悪もない時代へ突入する。
この作品を一人の主人公で例えるこのコラムで言えば、戦争というフィルターを通すことで人は変わる、言葉も攻撃的になる。
それが前曲の『臨時ニュース』で世界がただ事ではないことがわかってからのこの曲。
事の真相を抉れ!!
正しいってなんだ?自由ってなんだ?正義ってなんだ?悪ってなんだ?
生きてる限り葛藤なのか?
青年はお国の為に、自分の為に、愛する人の為に、生き延びて生き延びて、そして非リアルな日常から、リアルな日常へ戻るのです。。。
⑪『ゆりかごのある丘から』愛する人は。。。
現実は簡単なもんではありません。愛する人はどこへ?
ボクが戦場に行ってる間に、ボクが愛する人の為に必死で戦ってる間に、
青年は苦悩します。
いつまでも君に捧ぐ名もなき詩は、時間と言う埋められないものによって簡単に失われていくのです。
⑫『虜』自暴自棄
めちゃくちゃにしてやりたい。
愛したあいつは、簡単に別の男に寝返ってしまった。
頑張れ!!いいことあるよ!!なんて簡単に言うな。
ドラマで言えば最終回前の主人公このままではヤバいですよね?と言うところまで『シーラカンス』青年は追い込まれていくのである。
このアルバムは前半に成長を描き、後半で一気に落ちる。
これは現在の日本も表してるんではないかと思えるくらい見事な展開で、有事は人を変えていくのである。
⑬『花 -Mémento-Mori-』立ち上がれ
ため息色~から始まる最終回。
ため息色とは?それでも負けないように枯れないように、笑って咲こう。
ここまで13作品、主人公は生まれ成長し遊びも覚えて適当な女とSEXして、本当の愛を知って成長をしたけども。。。
うまくいかないこともあるさ、でも人生ってそんなもんだろ?
うまくいかないことの方が多いんだ。
いちいちくよくよしてんじゃねぇよ。
⑭『深海』伝道師
『シーラカンス』青年の旅は終わりです。
今まで自分自身と思ってた『シーラカンス』青年に決別を告げられます。
『お前は生きろ』『俺はまた深く潜るから』
そう、自分自身だと思ってた『シーラカンス』青年は実はそうではなkったのです。。。
深く。
深く。
…
………
ここまで閲覧いただきありがとうございます。
たった1枚のアルバムを考察するのは本当に難しい。
でも、第1弾にこのアルバムを選んだのは現代にあってるのではないのか?
生きろ、ダメなものにはダメと言おうという様々なメッセージが含まれてるのではないかと、日々移動中に綴ってまいりました。
そして何より1枚の物語に当てはめれる作品として。
そしてここまで考えさせられるアルバムもなかなかないのでは?と思い綴らせていただきました。
個人的な解釈ではありますが、それぞれの解釈でこの記事を読んで、25年前のこのアルバムを聴いていただければ、当時の世界観が知れて、少しだけ幸せな気持ちになれるのかも知れません。
また解釈は人それぞれです。
自分自身の何かに当てはめると、違った景色が見えるのでは?
長々と閲覧いただきありがとうございます。
感想等いただけると幸いです。
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