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机の上にあった、「天才アラーキー 写真ノ方法」を久しぶりに読んだ話

背表紙は毎日見ていた。他に読み進めているエッセイや詩集があり、昨日図書館で200人くらい待ちでようやく借りられた「同志少女よ、敵を撃て」も積読の一番上にいる。それなのにアラーキー。あの文章というか、話し言葉の独特すぎるリズムは、本人が話している様子を見たあとに読むと、もう本の中からアラーキーに話しかけられているような感覚になってしまう。YouTubeで検索すればすぐに見つかるから探してみて欲しい。(公式ではないので、リンクを貼るのは控えます)

目次を読んだだけでお腹いっぱいになる。noteで写真について書かれた記事はたくさんあるけれど、少なくとも半分以上はこの本に書かれているように思う。第一章が「幸福の撮り方」。いきなり結論から語られるのですねと思ってしまうが、十四章まで飽きることなく読み進めたくなる言葉が散りばめられている。ちなみに目次でボクが一番惹かれたテーマは「街は濡れてなくちゃダメ」だ。どんな内容か少しだけ紹介したい。

街は濡れてなくちゃダメ(203〜204頁)

たった2頁。あっという間に終わってしまう。読書が苦手な人も、これなら立ち読みで読めると思う。ページの下3分の1くらいは注釈だ。アラーキーの言葉だけを読みたければ、注釈も読まなくて良いので、文章量としては実質1頁くらいだ。本書最後に収録されている、「まえがき」のような「あとがき」より短い。

読後にやってくる、「え?これで終わり?」感がたまらない。影響を受けるとか、受けないとかでは表現できないんだけど、「街は濡れてなくちゃダメなのよ。じょじょ〜って。」を見たときに込み上げてくるものがある。最近の写真関連の本やウェブだとアスファルトの質感とか、リフレクションが綺麗など具体的な表現がされるだろうが、「じょじょ〜」ですべて語れてしまう。そんな写真家をボクは荒木氏しか知らない。

胸焼けするくらい濃いから、つまみ感覚で読むくらいがちょうど良い

1つのテーマが2、3頁なのですぐに読めてしまう。ただ、とにかく個性が溢れすぎているので、慣れるまでは読んでいて疲れる人もいるだろうし、ずっと慣れずに途中離脱する人もいるかもしれない。だけど、写真を撮っている人なら、読めば何か思うことがあるだろうから、おつまみ感覚で1日1テーマずつくらい読んでみて欲しい。お下品な表現が苦手なら本屋さんで立ち読みして、あぁこれくらいなら大丈夫と確認してから購入した方が良いかもしれない。

今日も雨が降っている。もう少ししたら、また雨の中を散歩してこようと思う。

街は濡れてなくちゃダメだから、じょじょ〜って。

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