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スポーツ現場に興味のある高校生の質問の答えてみた

スポーツ現場に関わるトレーナー業について、興味を持っている現役高校生の質問に答える。

こんな機会が2021年に私立学校からのオファーでありました。コロナ禍にオンラインでの開催となったが、実際の動画でのやり取りを文字起こしした内容をシェアしようと思う。

トレーナーとしての仕事の特徴や専門性の違いなど、基本的なことを知りたい学生や、その保護者の方にはわかりやすい内容になっているはずだ。

後半のちょっと生々しい部分は有料にしているが、参考にしてもらえればと思う。


Q. 今からどのようなことを学んだほうがいいですか?

A. まずはトレーナーと言われる仕事の分類を調べてみましょう。

一緒くたに「トレーナー」と呼ばれることがほとんどですが、実はトレーナー業って細分化していて、実際に専門性や行う業務って、全然違うんです。

だから、まずはどんな分類があるのか、どの専門性に興味があるのかを調べることから始めることをお勧めします。

  1. ストレングス&コンディショニングコーチ

わかりやすいので、スポーツトレーナーって名乗ることも多いのですが、私の仕事は正式にはストレングス&コンディショニングコーチと呼びます。競技パフォーマンスをアップするために、トレーニング指導や、栄養とかコンディショニングに関する教育をします。

全般的にパフォーマンスを上げるためにお手伝いをする仕事なので、治療とかを行う業務ではないんです。

ちなみに、例えば自分でジムを持ったりしてやってるお仕事、後はプロゴルファーの人に帯同してついてケアとトレーニングを請け負うのは、パーソナルトレーナーって言い方をします。

そもそも自分がスポーツに打ち込んだ経験をしていないと、スポーツトレーナーになりたいって思わない気もしますが、私のようにスポーツトレーナーになりたい方にとって、いちばん大事なことは、まずは自分自身で真剣にスポーツに取り組むという体験を積んでおく、ということだと思います。

トレーニング指導の専門家なスポーツトレーナーっていうのは 少なくとも高校、もしくは大学まで、スポーツをひたすらやってきて自分がアスリートとして高みを目指してきた人がほとんどです。

皆さん、今まで部活とか、今コーチ、指導者の方以外に外部コーチとかと知り合ったこともあると思います。

スポーツトレーナーと呼ばれている方が、
・一度も体を動かしたことがない
・昔やっていたそうだけど、太ってらっしゃったり、全然運動してない感じ
こんな印象を持ったとしたら、特にトレーニング指導なんか受けることはしたくないと思うんです。

2.アスレティック・トレーナー

現在、日本国内で「トレーナー」と呼ばれる典型的な業務を行っているのが、アスレティック・トレーナーです。

皆さんが例えば足首の捻挫をしたとする。整形外科とか行った後にリハビリが必要ですよね。そして徐々に競技復帰する際に、軽くテーピングをしたり、動いた後のアイシングなども体系立てて行っていく必要がある。

こういった業務を行うのが、アスレティック・トレーナーです。国内の人口としては、ここを目指している人が最も多いでしょう。

テーピング技術が必要であり、現場でのストレッチもそうですが、First Responderと呼ばれるように、現場で最もメディカル寄りの立場で最初の対応に動く専門家。

相手選手とぶつかって倒れている選手のところに真っ先に駆けつけていくトレーナーさんを、テレビで見たことがありますよね?あれが、アスレティック・トレーナーさんです。

仕事は多岐にわたり、現場での専門的なジェネラリスト(何でも屋)という位置づけです。

3.理学療法士
リハビリテーションに関しては、片麻痺などより神経的なアプローチが必要なものも含めた、専門性の高いスペシャリストが理学療法士です。

もっとも典型的な働き方は、病院に紐づいて医師の指示の下、リハビリテーションを管轄すること。ATと比べても、より医学的なリハビリをする方という感じで治療家として関わるトレーナーです。

4.柔道整復師/鍼灸師
トレーナーとして現場に出ていても、資格として持っているのは柔道整復師だったり鍼灸師だったりという方も結構いらっしゃいます この方たちに関してはトレーナーと言いますけれど、ざっくり言うと治療家です。

選手の痛みであったり脱臼であったりなど、柔道整復師さんは治療しますし、鍼灸師は筋肉の張りだったり疼くような痛みを取るのが得意だったりします。除痛をし体を回復させるためのプロという感じなんですね。

繰り返しになりますが、まずは皆さんがどこの部分に興味を持っていてどういったことをやっていきたいか、この部分を分類していく必要があるんだと思います。

ちなみに後々の仕事のことの絡みでも出てくるので先に言っておくと、柔道整復師や鍼灸師の一つのメリットとしては「独立開業権」があります。

自分でそのスポーツ現場であったりどこかにお勤めしているという以外に、美容院みたいなものですが自分で実際に箱を持って治療院をやろうといったときに、この2つの資格あh開業権があるんです。

理学療法士さんの方が資格としては難易度が高い、と言われることもあるのですが、理学療法士さんには残念ながら開業権がありません。独立して働く場合も理学療法士としての治療をメインとして院を構えたり、自分の箱を持つということはできないのでそこはちょっと難しいところだったりもしますね。

Q. スポーツトレーナーやスポーツ系の職に就くために、スポーツ系の専門学校に進学することについてどうお考えですか?

A. 大きな声では言えませんが、一般的な理由としては勧めません

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