2014年 映画「ショート・ターム」


『ショー ト・ターム』、周りにもどんどん観た人が増えてて、そして「良かった」という声が聞けてとても嬉しい。
 特に関わったりしてるわけじゃないので、何目線でいってんだ、っていう話ではありますが、あの作品を、あの、ぱっと見の目新しさや派手さのないあの作品を、いい、ってやっぱりみんな思うのだなぁ、ということがわかって、うれしい。です。
 編集やけに切り返すなあとかちょっと思うこともあるのだけど、脚本と役者が、本当にいい意味で地味でとっても丁寧で、簡単に救済なんていうなよ!ってことにきちんと向き合ってて、で、そこで絶望どろどろんを描いて厭世的になることもなく、しっかり、 きっちり、良い気持ちで映画館をあとにできる、そんな作品は久しぶりで、こんな映画をもっと観たいよと思ったのでした。あ、でもアバウトタイムもそういう映画だった。シネカリテ偉い! デビルズノットはあれだけど。
(この先はネタバレに近いので、観た人だけどうぞ!)



 そして個人的なことをいえば、グレにグレていた時期に、私も家庭の事情で両親と離れて暮らして、そこでフワッと軌道修正できたことがあって、あれはあれで必要な時間だったんだなってあらためて客観的に受け止めることができて、それも良かったです。あとは、皆でレクリエーションなんかして一瞬楽しくなるんだけど、ふいに幽体離脱みたいに楽しくなくなって、集団から離れたくなったりする、あの感じを思い出したり、ギャーッて泣く女の子と一緒に私もギャーッて喚きたくなったり、しました。ちょっと浮かび上がってもすぐ落ちちゃうあの感じ。まただめになっちゃった、ってがっかりする感じ。懐かしいし本当にしんどかったな、って思い出した。子どもの頃ってしんどかったな…
とにかく、いちいちグッとくるところが多くて、本当に久しぶりに「私の(ための)映画だー!」って思ってしまった。あの女の子が主人公に言うあの台詞、あれ、あれだよ。あの子が彼女にいうことが、すごくいい。また、主人公のパートナーがとてもいいんですよ。彼が、遅くに部屋に帰ってきた主人公に対して、寝転がったまま、毛布をスーパーマンのマントみたいに(実際 はそんな大げさじゃないけど、私にはそうみえた)広げて主人公を迎え入れるところ、今年みた映画の中で一番の仲直りシーンでした。完璧じゃないもの同士が生きているんだよ!大人も子どももさ!

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追記*2019/2/13
完璧じゃないもの同士が生きているんだ、ということに、やっと心底から気づいて、腹の底から納得できたのがこの頃かもしれないです。見直したいな〜。

日記が好きなので書き続けているわけですが、読んで、面白がっていただけたら、それほど嬉しいことはありません。いつもありがとうございます。