おかえり
我が家では青いサンダルをベランダ用に使っている。100円の安物だけど、水捌けも良いし、履き心地も悪くないしで、まあまあ気に入って履いていた。
過ぎゆく平成を惜しむかのように
今年はたくさんの災害に見舞われる年だった。
幸いにも私が住んでいる地域は大きな被害を受けなかったものの、台風のうるささで寝付けない夜もあった。
翌朝、台風一過によりとってもいい天気。それを見越して洗濯物を溜めていた私は、るんるんで洗濯にとりかかった。
窓を開ける。とても気持ちいい。秋って最高だな、なんて呑気に足を踏み出すと、あれ?
黒いはじめましてがお一人。
そして青いサンダルもお一人。はてさて。
これは、もしや、、、、、
入れ替わってる!?
(君の前前前世から僕は〜君をさg…)
そう、見事に台風で入れ替わっていたのです。
なんとまあこんなに見事に飛んでいくことってあるんだなと思いながら、洗濯物を干しました。
それから1ヶ月半。
わざわざサンダル買い換えるのも面倒だし、一応両足履けるし、ということで私は「君の名はサンダル」をそのまま履き続けていました。若干厚みが異なるので履きにくさはあったけど、まあ無理ではない範囲。
昨日も、久しぶりに気持ちよく晴れたので、私はるんるんで洗濯にとりかかった。
窓を開けて、冬の気配を感じながら、洗濯物を干す。ちぐはぐなサンダルを履きながら、洗濯物を干す。干す。干す。あれ?
隣のベランダから、青いサンダルがひょっこりしている。ん、こやつはもしや、、、、
なんということでしょう…!
(ビフォーアフターのBGMにのせて)
あの日台風で飛んでいってしまった、青い右サンダルが、我が家に戻ってきたではありませんか…!こうして青いサンダルたちは涙の再会を果たし、新しい一歩を踏み出したのでした…!
というわけで突如として戻ってきた、青い右サンダル。つまり、青サンダルコンプリート。これでめでたしめでたし、なんだけど、少しひっかかる。残った黒いサンダル、君はどこから?
青いサンダルは隣のベランダから帰ってきた。これはもしや…と思いながら、(そおっと怪しまれない程度に)隣のベランダを覗いてみる。
黒いサンダルやんけ!!
そう、我が家の青いサンダルと隣人の黒いサンダルは見事に入れ替わっていたのだった。こんなに近くで。本当に、どんな風が吹いていたんだ。そうして私は、隣のベランダへ黒いサンダルをひょっこりさせたのであった。
こうして、我が家のベランダと隣のベランダに穏やかで幸せな日々が戻ってきた。この幸せが当たり前じゃないことを噛み締めながら、また新しい生活を送っていこうと思う。
仕事が立て込んでいたので、とことんくだらなくしてみました。というか気づいたらくだらなくなっていた。この件については隣人と腹を抱えて笑い合いたいなと思っています。以上。
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