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(超ショート小説)その思いやりをありがとう

二歳の子を抱いて乗った電車は満席で、誰もがわたしからさっと目を背けた。
強面の男性と目が合って少し身が竦む。
彼が立ち上がり、
「優しくない社会やなあ」
と大声を上げ
「どうぞ」
とドア脇に寄った。
鼻の奥がつんとした。

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