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楽曲「Missing Fundamental」制作後記

お世話になります。

先週9/23(土)は幽谷霧子の誕生日でした。おめでとう。来年の誕生日まであと359日か……

今回の記事は霧子の誕生日に合わせ投稿したオリジナル楽曲「Missing Fundamental」の制作後記です。歌詞、サウンド、ジャケットの背景などに触れます。

もともと「アンティーカの架空曲」として制作開始したものですが、最終成果物としては霧子とシャニマスへのアンサーソング的な内容になっています。

歌詞

歌詞の内容を端的にまとめると
・1番A~Bメロ:世界観提示
・2番A〜Bメロ:霧子のどこが好きなんだい?
・サビ:シャニマス最高! 

といった感じです。

1番


月明かりの矢面を駆ける (脇目振らず低く飛ぶ)
抱く価値を突き通すために (満たす者でいるために)
誰しもただ爪を尖らせて (守ることは奪う糊口)
耐え忍ぶなら 先細る未来 (理性 限りある意思)

鋼鉄の翅 撥条(ぜんまい)の声
生き抜くために赦されるなら
硝子の血潮 琥珀の心臓
どこまで私でいられるかな

惑うことも忘れた

夜風悠衣音「Missing Fundamental」歌詞」

1番ではジャケットの生き物のプロフィールを表現したつもりです。

自らの身体を別のものに置き換えなければ生き残れないほどに荒廃した、殺伐とした世界。そんな中でも自分の意志を貫こうと懸命に飛ぶ、紫の蝶。

アイドルの世界、あるいはソーシャルゲームというコンテンツも、売れなければ続けられない、厳しい現実があります。大事なもののために捨てなければならない、変えなければならないものも時にはあるはずです。

この命の色が 輝き増す存在であれるか
答えは霧の向こうでも
あの日胸を焦がした光は 鮮やかに残っている
今 祈る あなたの傍が
微笑みの絶えぬ場所であることを

夜風悠衣音「Missing Fundamental」歌詞

けれども、今の自分があるのは、かつて見た眩い輝きに憧れ、自分自身もそのような存在になりたいと願い進んできたからです。
それを忘れないでいたい。忘れずにいられる場所にいて欲しい。

タイトル「Missing Fundamental」はサビのメッセージを表現したつもりです。

2番

耳鳴りだけ響く雪原で (喧騒 静寂 紙一重)
絶望さえ解かす術を知る (優しい眼差しに触れる)
紡ぐ糸はあまりに豊かで (あなたの手が掬う世界)
鉛の目で覗けるだろうか (過程 近付けぬまま)

心の隅で囁く標
寄り添うようにいてくれるなら
無情の淵で倒れ伏しても
愛する理由を思い出せるから

夜明けはいつもあるよ

夜風悠衣音「Missing Fundamental」歌詞

私が幽谷霧子に関心を持ったのは、彼女のものの見方、世界に対する感受性がとても奥深かったためです。

不条理さすら受け止めながら、関わるものの安寧を祈ることができる彼女の心を、十分に理解することはできないかもしれません。

ただ、そんな焦りや悩みも受容して、そばにいてくれそうなのが霧子だとも思っています。

この命の色が 輝き増す瞬間を重ねる
答えは霧の向こうでも
あの日胸を焦がした光に 連なる物語へ
輝き増す存在であれるか
答えは霧の向こうでも
あの日胸を焦がした光は 
鮮やかに残っている
今 祈る 私の音が
微笑みをくれるあなたのように
禍(わざわい)を解く糧になることを

夜風悠衣音「Missing Fundamental」歌詞

今の自分は、もしかしたらあの頃思い描いていたものとは違うかもしれません。それでも、「今より一歩先」を目指してきたのなら、道は繋がっているはずです。

そして、私は願います。かつて自分を救ってくれた、今も力をくれる者たちのように、私の生き様が誰かの力になる時が来ることを。

まとめ

私情をたっぷり挟んでしまったため当初のコンセプト(アンティーカの架空曲)を貫徹できませんでしたが、この曲をなんとか形にできてよかったです。

音楽や妄想コンテンツといった形でばかりシャニマスを愛してしまうよくわからない生き物になってしまいましたが、今以上に輝き増していけるよう精進して参ります。

お読みいただきありがとうございました。

以下余談、備忘録になります。

歌詞全体


Missing Fundamental

作詞 夜風悠衣音

月明かりの矢面を駆ける (脇目振らず低く飛ぶ)
抱く価値を突き通すために (満たす者でいるために)
誰しもただ爪を尖らせて (守ることは奪う糊口)
耐え忍ぶなら 先細る未来 (理性 限りある意思)

鋼鉄の翅 撥条(ぜんまい)の声
生き抜くために赦されるなら
硝子の血潮 琥珀の心臓
どこまで私でいられるかな

惑うことも忘れた

この命の色が 輝き増す存在であれるか
答えは霧の向こうでも 
あの日胸を焦がした光は 鮮やかに残っている
今 祈る あなたの傍が
微笑みの絶えぬ場所であることを

耳鳴りだけ響く雪原で (喧騒 静寂 紙一重)
絶望さえ解かす術を知る (優しい眼差しに触れる)
紡ぐ糸はあまりに豊かで (あなたの手が掬う世界)
鉛の目で覗けるだろうか (過程 近付けぬまま)

心の隅で囁く標
寄り添うようにいてくれるなら
無情の淵で倒れ伏しても
愛する理由を思い出せるから

夜明けはいつもあるよ

この命の色が 輝き増す瞬間を重ねる
答えは霧の向こうでも
あの日胸を焦がした光に 連なる物語へ
輝き増す存在であれるか
答えは霧の向こうでも 
あの日胸を焦がした光は 鮮やかに残っている
今 祈る 私の音が
微笑みをくれるあなたのように
禍(わざわい)を解く糧になることを

夜風悠衣音「Missing Fundamental」歌詞

制作のきっかけ

2023年8月後半から、一部界隈でシャニマス架空曲がブームとなっていました。

私は筆が乗って作詞のようなことをしていました。

長らくオリジナル曲の制作から遠ざかっていた私でしたが、この活動を通して「もしかして、やれる!?」という根拠のない自信が生まれたのでした。

プロトタイプ

本楽曲は曲から作りました。最初にできたデモは以下になります。
最終版とは細部が異なりますが、大まかな方向性は確立していました。

(当時の)自分としてはけっこういい感じだと思っていましたが、あんまりリアクションがなく、これは自分で形にしないとお蔵入りするやつだ……と感じるようになります。

せっかくなので公開を霧子の誕生日である9/23にすること、ジャケット風のイラストを用意することを決めました。

ジャケット

なお、イラストの依頼で投げたイメージはこちら。これでよく形になったな……ありがとうございました

※実際はもうちょっと情報提示してます

ジャケットはいろんなメタルのオマージュですが、最も規範としたものはJudas Priest「Screaming For Vengeance」です。こちらのジャケットの鳥はアルバム1曲目と同じ「Hellion」という名前、「Electric Eye」で歌われているのもおそらくHellionです。

ちなみに「Missing Fundamental」ではAメロの後半でリフの基準音が5度上がります。これは「Electric Eye」をはじめ多くの曲でみられるパターンをリスペクトしています。

テーマの変遷

当初は「存在しないアンティーカ曲」に沿った形で作詞を開始しています。機械の蝶を主人公とした物語っぽい内容ならアリかな〜と考えていました・

ただ、2番を書き始めたあたりから次第に「アンティーカの曲」というコンセプトから外れていきました。溢れ出る幽谷霧子やシャニマスへの情念が抑えられず……

リファレンス

アンティーカの既存曲では「幻惑SILHOUETTE」「浮動性イノセンス」あたりの曲調を意識した……つもりになっていました……

ドラフト制作段階で念頭に置いたのはEurope「The Final Countdown」です。リズムパターンと雰囲気を主に参考にしました。

Europeは上記の曲がすごく有名ですが、アルバムごとにかなり音楽性を変えていて面白いです。「Forever Travelling」はかなり私好みです。

アレンジはギター2本でシンプルに完結させたい思いがありました。シンプルで骨太なメタルサウンドとしてJudas Priest「No Surrender」等を参考にしています。

制作機材

私の曲作りは毎度、自分の技量との闘いと妥協です。全ての面で納得しきれているわけではありませんが、今できることをしました。

ボーカル:初音ミク NT

だいぶ前に購入したものの使えていなかった歌声合成ソフトです。最近の歌声合成は深層学習によるものが主流ですが、本ソフトは古き良き初音ミクの味わいを残しつつ、発声の明瞭さ等がアップデートされていて良い感触でした。

ただ、エディタの出来はあまり良くないですね……。強制終了が多発したり、レンダリングにものすごく時間がかかったりと、細かいところでフラストレーションがたまる印象でした。出音がいいだけに、もうちょっと改善されると助かります。

ジャケットを描いてくれたなご環さんがイラストを描いてくださいました。初音ミクと幽谷霧子の親和性、高い。

ギター:Fender Modern Player Telecaster + Marshall SC20H

Fender Modern Player Telecaster とMarshall SC20H

ギターは高2の春休みに初めて買った子です。Fenderなのに中国製(5万円くらいだったはず)で、ピックアップがSSH配列とマニアックな仕様。ソリッドな音がします。チューニングはドロップC#です。

アンプは以前上げた「Bouncy Girl」カバーから使用しています。最近のボーナスは素敵なギターサウンドが出るらしいよ。
シャニマスのイラストにも登場しているマーシャルのスタックアンプであり、型番が「S(tudio)C(lassic)20H」であることが選定理由になります。シャニマスを弾くために生まれたと言っても過言ではない(過言)。

レコーディング時のエフェクターはオーバードライブのBOSS SD-1Wを使用。こちらも「S(tandard) モード」と「C(ustom)モード」がある素晴らしいエフェクターです。

BOSS SD-1W だいたい写真の設定でレコーディング ソロはLEVELをアップ

SC20HはJCM800というアンプの小型版です。JCM800とSD-1を組み合わせたドライブサウンドが、80年代のHR/HMシーンで重宝されたそうです。王道の組み合わせなんですね。

ベース:YAMAHA BB735A


BB735A PB側多め、パッシブで録音

シャニマス楽曲のカバーを始める際、4弦ベースで対応できない曲があまりに多いことを悟り購入した子です。バランス良く真面目な音がします。ピック弾き。

2番サビの後半は暴れていいかなと思ったのでベースラインを動かしました。メタルのベースはもっと勉強したいです。

ドラム:Addictive Drums 2(Black Velvet)

私の最近のカバーは電子ドラムを使っているケースが多いですが、本楽曲のリズムは現状叩けないと判断して未使用。

Addictive Drumsは動作が軽量でUIが使いやすく、独特の音がするタイプの音源です。今回は内蔵エフェクトをバイパスしてパラ出ししたものをミキシングしたので、だいぶ特徴は薄れた印象があります。

振り返り

良かった点

  • 期日に間に合った

  • 前回より迫力あるギターの音になった

  • 霧子やシャニマスが好きな理由を再確認できた

良くなかった点

  • コロナに罹患してしまい、制作ペースが遅れた

  • リズム隊のアレンジに幅を持たせられなかった

  • 周波数バランスがボトムに寄ってしまい、環境によって聴きづらいサウンドにしてしまった

今後の抱負

  • 工数を確保してクオリティを上げる

  • コンセプトの段階で内容を明確にし、ブレを減らす

  • 楽曲制作のスキルを向上させる

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