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心を浄化するオレンジの空

「3、2、1!」の掛け声と共に、ふわ〜っと舞い上がるランタン。空一面へと広がる、優しいオレンジの灯りに視線は釘付けになる。みるみるうちに空へと登っていくオレンジの灯りは、1秒ごとにその姿を変えていく。儚いからこその美しさが私の心を捉えて、その涙腺は耐える間も無く崩壊した。


通常、人の神経伝達は、視覚から脳、脳から心と映り、心が感じることで感動を覚えるそうだが、この時ばかりはそのシステムも狂ったようだ。ただただ涙が溢れるだけで、感情も言葉もしばらく出てこない。



雑誌やメディア、また、このコムローイ祭りがモデルとなった映画「塔の上のラプンツェル」で灯りが夜空に舞うシーンから、2D上のイメージは出来上がっていたが、実際に自分もそのシーンの一部になると、4Dで感じる、美しすぎる空にトリハダ全開だった。


これほど人の手が成した幻想的な夜空は、世界のどこを旅しても、どの瞬間を切り取っても見つけられないだろう。



私たちは心が曇っているとき、目に写る景色ごと曇って見えてしまうことはよくあることだが、逆も然りで、ハッと息を飲む美しいものを目にすると、自然と心まで洗われていく。それは、景色など外側の美しさだけではなく、内側の美しさも含んでいる。例えば、子供やペットや人の真心に触れたときにも、同じことが私たちの心の中で起きているように。それらの経験を人生の1ページに挟むことで、大なり小なりその後のモノの見方や捉え方、器を大きくすることにも一役買ってくれる。



時に頭の中を遠慮なく占領する、傷ついた思い出、嫌がらせを受けた先輩の顔、持ち続けてもどうしようもないとわかっているのに消化しきれないマイナスの感情。直前の経験だと、震えるほどの怒りを覚えた中国の喧騒やモラル、吐きそうな臭さ漂うミャンマーのレストラン、排気ガスだらけの生活で鼻血を出しまくったベトナム、彼氏との大喧嘩の末に帰る場所を失った香港での一夜。



美しすぎるオレンジ色の夜空は、そんな喜怒哀楽の激しい過去を浄化したり、小さなものに変える力をもっていた。「全部この感動を味わう為の経験だったんだ!ありがとう」の気持ちを添えて。


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