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女子高生が中学生の痴漢に遭ったお話

稚拙なエロ小説のようなタイトルをつけましたが、そんな創作小説ではありません。ただの過去の日記です。

どうもです。本当は漫画描きらしく漫画で描くつもりだったけど、意外とまだ心にくるみたいで、描くことは出来そうになかった(のと単純に自転車描くの面倒くさいです)のでnoteにしてみました。

紬音ユユさん、今はりっぱにふてぶてしく生きておりますが、女子高生時代は本当に世間知らずでして、というか結婚するまでかなりの世間知らずでして、お嬢様でもないのに箱詰め培養されてきたようなものだったのですが、
だから危機感というものがまるでない人間でありました。
ツボを買わされたことがないのが奇跡のような人間でした。
私の日常に存在した周りの人たちが皆良い人だったのでしょう。ありがとうございます。
というか、今でも世間知らずかもしれません。ちゃんとした大人になったつもりみたいに書いてますが、まだあかんかもしんないよね。主観主観。

今回の思い出話は、そんなぼんやりした女子高生時代の紬音ユユが遭遇した、とんでもねぇ痴漢のお話。

高校に進学した私は、自転車~スクールバスという通学手段であった為、朝の満員電車など経験することもなく、当然ながら痴漢という犯罪行為の存在も、ファンタジーレベルの認識。
話はそれますが、スクールバス本当に快適ですよね。学校専用だから寝れる座れる勉強できるし学校前まで直通、そして今、大人になってからの認識には、安心がプラスされています。
全学校スクールバスにして欲しい(無茶)



で、本題。
そんな安穏とした環境で育っていた高1の私は、ある日の帰り道、自転車で自宅までの道を爆走していた。
多分夏だった。早く帰って、涼しい部屋で推しの漫画を読みたいとか、ゲームしたいとか、そんな「結構どうでもいい理由」で急いでいたのだと思う。

結構どうでも良くて、急用でないからこそ、あの時は止まってしまったのかもしれない。
片田舎の地域。車は通るし、人もすれ違う、住宅街~幹線道路に続くちょっと広めの道。
小中学生の通学路でもあるし、クリーニング屋やらの小規模店舗もある、そんないつもののどかな道。

「すみません」

自転車の後方から声をかけられて、思わず速度を落とした。
その時点では足は止まらなかったが、後ろから自転車でやってきた男子に声をかけられたと気づく。
男児ではなく、男性でもない。声も高く、背も私と同じくらいか、低いか。
恐らく自分よりも年下で、これは今でも正確なところは定かではないが、多分…たぶん、中学生。制服はどこのものかもよくわからない。

年下の見知らぬ男子が何の用だと思うも、「はい?」と、自転車を止める事なく返事だけはした。
こちらが止まらないものだから、相手もそのまま並走するような状態になる。

「服、後ろ側が汚れてます」
「えっ」
そこでようやく、自転車を止めた。止めてしまった。
またがったまま、後ろに首を向けるが、よくわからない。
相手の男子も止まり、指を背中から少し下に向けた。

腰?
お尻?
何か変なところ寄りかかったり、座ったりしたっけ。
そんなはしたないこと…
いや結構やったわ。でもいつものことだし、しかし…でも。

他人に、男子にわざわざ呼びとめられて指摘されるほどというのは、なかなかに目立って酷い状況なのでは?
なんだかとても恥ずかしくなってしまい、自転車のスタンドをおろして、横に降り立った。
なぜかその男子も降りてくる。

場所は閉業した小売店の前。目の前には道を挟んで内科クリニック。
真昼間の、人も車も通る、見通しも良い場所。
わざわざ汚れを指摘してくれた、人のよさそうな中学生。
そして汚れること平気でしそうである、どう見てもモテない系陰キャ女子高生。

この時点では警戒するとこなくない?ある?



汚れは見えないけど、何か適当に後ろをはらってみる。ぱんぱん。
多少の汚れなんかはこれで全然とれるんですよ。そんな素材だからね制服って。高いだけある。だからあちこち座れちゃう。座るな。

「まだとれてません」
彼は言う。私焦る。
わざわざ見知らぬ私に声をかけて指摘をしてくれただけでなく、自転車まで止めて付き合ってくれている優しい中学生(暫定)。
私のようなくだらない用事ではなくて、早く帰りたくて自転車を走らせているかもしれないのに、申し訳ない!
焦りと恥ずかしさで、闇雲にぱんぱんぱん、と頑張ってはらった。
「どっ…どうですかね!」
「うーん…まだです」
恥ずかしい。何をしたらそんな汚し方をしてしまうんだ。
振り返っても全然見えない。背中か?

取れないようなヒドイ汚し方をしたら、きっとママ怒るだろうなあ。
まずそんな考えが頭に。
ペンキとかだったらどうしよう。ペンキ塗りたての上とか間違って座ったんだろうか。寄りかかった壁だろうか。あのベンチだろうか。あの支柱だろうか。
思い当たることがありすぎて困る。
振り返ってみるが、目視できる範囲にはないようで、ますます困惑と焦りでまともな思考ができなくなる。


「ちょっと」

突然、彼は背後に回り、「ちょっとすみません」と一言のあと、私の肩に手を置き、突然尻のあたりをパンッと払った。

ここで言い訳しておきたいのは、
・わざわざ指摘してくれた、申し訳ない、いい人だなあという意識
・私は恥ずかしさと焦りでまともな思考回路ではなかった

で、出たのがこのセリフ
すみません…!
親切な人にさらに親切を受けている、という意識になってしまった。
こんな他人のケツを、申し訳ない、なんという親切な子…!

で、ここでハナシが終わった場合、読んだ人は
「それで痴漢ってwww行き過ぎたかもしれないが親切な中学生にww」くらいの気持ちになるかと思う。
でも、「思い返せば、あれは触られていた…」なんて、ここまで無警戒のアホな女子高生がそんなこと後からでも思うわけないんですよ。
恥ずかしかったけど親切な人だったなあ。で終わってると思います。
それはそれで普通にアホですけどね



何度か払ってもらっているうちに、自分への恥ずかしさと焦りで、すっかり曇っていた私の目と意識は、徐々に周りに向きはじめた。
他人にお尻を払ってもらっている、こんな状況、通りすがりの人が見たらどう思うのか??なんかたまたま、人が通ってないみたいだけれど。
閉業小売店の横の家の人が出てきたら?その目の前でこんなの恥ずかしくない?公開お尻ぺんぺん?
アッ恥ずかしい!無理

「あ、あのもう大丈夫です!」
もう汚れていてもいい、一刻も早くここから帰りたい。
「もうちょっとです」
言いながら、払い続ける彼の手の感じが違う事に、そこでようやく私は気が付いた。

払うというより、上から下に、下から上に撫でつけるような感覚。
いつの間にか背後にぴったりくっつかれている気がする。
頭の後ろで、ハァハァと荒い息がする。
お尻に、手以外の何か、硬いものが押し付けられている。
なんかそれをスカートごしに尻に擦りつけられている気がする。
身体をそらそうとしたが、肩をつかまれていて動けなかった。
気のせいではない。
明らかに私は「何か」されている。なんで??

恥ずかしさが遠のいた分、ぞわっとする冷たい感覚が背筋を走った。

なのに振り向くのが怖い。確認するのが怖い。しかも動けない。

こんなに人が通るような場所で、明るい昼間で、こんなモサい女子高生に、こんな、自分より下である男子が。こんなことを。
するわけがない、のに、されている。

「もういいです!帰ってやるんで!すみません!」
やっと絞り出した言葉と、身体ごとねじって手を振り払って一歩踏み出し、震えそうになる足を踏ん張って、振り向かずに自転車に縋り付いてまたがった。
覚えているのは、この1回目のペダルの踏み込みに自分の震えが伝わってガクガクと自転車の方向が覚束なかったこと。力が入らずに地面がキックできなかったこと。冷や汗が止まらなかったこと。
一度も振り返らずに、全速力で漕いだこと。
それでも頭の片隅に、「追いかけてきたらどうしよう」という冷静な恐怖もあって、「家を知られたら」とか、そういう最低限度の防犯意識もあって、本当は自宅までまっすぐに帰りたかったけれども、遠回りをした。
マンション住まいだったので、裏側の会社施設に雑に自転車を置き、塀を越えて、自分より上の階にいったん回ってから、遠くの非常階段から身体を低くして降り、自宅に帰った。

帰って即、衣類は全て脱ぎ捨てて、親には「暑いからシャワー浴びるね」といって全身きれいに洗った。
実際、全速力だったので、冷や汗と普通の汗でぐちゃぐちゃであった。
洗っても洗っても、気持ち悪さが消えなくて困ったけど、ついでにスカートも洗い流した。
結局、そんな払うような汚れはちっともなかったけど、"他の汚れ"がありそうな気がして、気持ち悪くて仕方なかった。



しばらく、学校に行くのも帰るのも、あの道を通るのは怖くて、遠回りするしかなかったという、そんなお話。
二度と遭遇することはなかった彼は本当に中学生だったのか、高校生でも私の対応は同じだったろうと思うけども、おじさんだったらこれほど油断もしていなかったと思う(思いたい)
中学生でもそういう事はしてしまうのかというショックと、あまりにも自分の危機感がなくてびっくりしたのと、
あの様子誰かにみられていたら、恥ずかしすぎて死ぬなぁという…
男子にお尻ぺんぺんされてる女子みたいに見えない?見えてたと思う。
そんなに人通りなくはないはずなんだけど、たまたま誰も通らなかったのか、通ったけどスルーされていたのか。
パニックになっていた私にはわからないけれど。何となく、誰か通ったような記憶もある。
見てるなら助けてくれよとは思ったけど、見ようによってはカップルがいちゃついてるだけにも見えたのかもしれない…と今は冷静になって思う。

「大声あげたら良かった」とか「振り向いて顔面をしっかり目に焼き付けてやれば良かった」とか「すぐ110番やろ!」とか思うけども、やっぱりその時は怖いとか気持ち悪いとか一刻も早く逃げたいとか、携帯とか思いもつかないとか、とてもそんな勇気は持てないという事が身に染みてわかってしまったので、
電車なんかでも、当事者にそんな心ない言葉はかけないであげて欲しいと思っています!!!
親にももちろん話すことは出来なかったし。

今は昔の私に、「そんなやつ胸倉つかんで投げ飛ばして110番して名前絞り出して学校に報告して親引きずり出しててんやわんやしてやれ!!!!」って気持ちでいっぱいですけどね!!!
そう思うことで、昔の私をヨシヨシしているのですよ。

そんな愚かな女子高生だった時の昔話でした。
オチは特にないです。ただ、動けなくなるとか声が出ないとか、よくいうけど、本当にそうなんだよって事と、若くてもそういう人間はいるという事を、noteの肥やしにしようと思ったのであった。



なんであんな環境で知らん相手にそんなことが出来たのか、なんか本人に聞いてみたいですよね…。その衝動性は興味深いというか…
どこかでまだ生きているとしたら、いい歳のオッサ…お兄さんになってると思いますけど、あれ以降そんなことしてないことを祈ってるよ。
私はこれで、ネタとして肥やしにして昇華してあげるので!!!!

とはいえ、ずっとしんどい思い出として持っていたことも事実なので、
気が晴れたらorしんどくなったら非公開にしようかなーと思います。

くれぐれも、痴漢はだめです。本当に。
若いから許されるわけではないです。

痴漢なのかな…?なんかもっとすごい犯罪名がつきそうじゃない?詳しくないけど。

あと普通は、こういう目にあったら誰かに相談して下さい!!できればおまわりさんとか親に!そんなことわかっているって思われると思うのですが。
私はその時その選択が出来なかったので、できない人の気持ちも理解できるんですけど、大人になった今は、絶対にしたほうがいいということもわかるので…。

では作業に戻ります。私は物書きではなくて漫画描きなのです。
こんなクソのような記憶を漫画にする労力は、ちゃんといつもの創作に費やしておきたいので、拙い文章で申し訳ないです。
良かったらXフォローして漫画読んでくれたらうれしいです!


漫画にするにはダルい話とか書くのにはいいですねnote。
というわけで、あんまり気分良くない話、
読んでくれてさんきゅうでした(*‘ω‘ *)



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