【31話】幼馴染みの想いで話(唯と梨紗ちゃん)
唯ちゃんの不満
「店長さん」
「何だね 唯ちゃん」
「唯 チョット相談があるんだけど 何か唯にはないの」
「・・・何かって」
「もー 梨紗ちゃんみたいに 唯にも使ってみるんだよ って言うことだよ 何かないの 店長さん」
「何かって言われても 唯ちゃんボーカルだし 楽器でもいいなら考えようもあるけど」
「楽器はダメだよ 練習するのは面倒くさいよ」
「唯 そんなわがまま言って 店長さん困ってるじゃない」
「でも梨紗ちゃん 唯も違った何かが欲しいんだよ」
「何がいいのよ」
「それが分らないから 相談なんだよ」
「唯が分らないんだったら 店長さんも私も分らないわよ」
「それはそうかも知れないけど・・・・・」
「・・・・それじゃあ チョットまってて 唯ちゃん」
唯ちゃんの、運命の品
「唯ちゃん お待たせ 今度のライブにこれ使ってみてよ」
「なーに これ 箱小さいね それにマイクの写真が貼ってあるよ」
「そう マイクだよ これ 唯ちゃんにはピッタリじゃないかな」
「でも マイクはいつも使ってるよ」
「このマイクは普段使っているのとは違って 最近海外から代理店通して入ってきたデモ機なんだよ」
「どこのなの」
「ゼンハイザー(SENNHEISER)といってドイツの音響機器メーカーで ヘッドフォン及びマイクロフォンなどが有名なんだ プロ用途にも使われている物だよ」
「それって高いの いつものとどう違うの」
「う~ん そうだな 定価で2万5千円ってとこかな」
「安いのか高いのか よく分らないよ」
「そうだなあ 高いのだと5万や10万ってのもあるから 中ぐらいだろうなあ 普段使いのだと数千円だから」
「どう違うの」
「これは e 945 って言って ボーカル用のダイナミックマイクなんだよ 高音の特性が良くて 抜けが良くて高音質だそうだ まだ使ってないから分らないけど 唯ちゃんは中高音 特に高音が綺麗だから 合ってるかもしれないね」
「へえー だったら唯にピッタリじゃない よかったじゃない」
「ただ 指向性が超単一だから 口元に近づける必要があるんだ でもその分 動きがある場合でもハンドリングノイズを低減するから 指向性のことだけ注意すればいいだけだね」
「んーん 言ってること よく分らないけど 唯はマイクには結構近づけるから いいかもしれないね 使ってみたいんだよ」
「じゃあ 唯ちゃんもモニターとして 終わったら感想とか聞かせてよ」
「分ったよ 面倒だけど モニターするよ」
「じゃあ 梨紗ちゃんとスタジオで使ってみてよ ライブでは唯ちゃん専用でPA(Public Address)通すから」
お気に入りのマイク
3本のマイクの行方
3本のマイクの名前
不憫な唯3号
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