Pender Island の旅 〜日本人のご家族との出会い〜

Pender Islandを去る日の午後にTracyに日本人のご家族−キムラファミリ−を紹介していただきました。

突然の訪問でしたが、受け入れてくださりすこしばかりお邪魔することに。

まず、たくさん子どもがいてびっくり!
キムラファミリーは、ご夫婦と5人の子供達がいる大家族。

ご夫婦はお庭で自然農法(無農薬で、虫とも共存し、その土地で得れるものしか使わない農法)を実践されており、子供達はホームスクーリングという、本一冊書けそうな興味深いライフスタイルを実践されています。

早速、長男の雄太くんがガーデンや鶏小屋を案内してくれました。
雄太くんは、もちろん植物にも詳しくて、本当にガイドさんのよう!

ガーデンツアーから帰ってくると、
奥さんがレモンタルトとレモンバームを発酵させたお茶
(これがまるでレモンティー!)を用意してくださっていました。

そこで子ども達が、”美しいもの、キレイなものを撮ろう”というテーマで、それぞれが写真を撮り、その写真をカードにしたものを見せてもらいました。

それが、ほんとうにアーティスティックで素敵なの!

中には、ハミングバードのクローズショット(ハミングバードは一瞬で飛び去り、じっとしていないので撮るのが難しい)もあり、それを撮るために一日中バルコニーでタイミングを待っていたなんていう話も聞きました。

どうやらこの島には、ホームスクーラーのためのクラスが定期的に学校であるらしく、子ども達の行き来もあるようで、ホームスクーリングがしやすい環境があるのかなあという感じがしました。

そんなキムラファミリーのお話を聞いていて、はっ!と気づかされたことがありました。

わたしは子供達をウォルドルフスクールにいれています。
一般に、ウォルドルフスクールではアントロポゾフィーという独特の哲学(TVやパソコンなどのメディアの使用の禁止や、文字や算数の独特な教え方とその時期)があります。

キムラファミリーの写真プロジェクトのように
子どもは”美しいもの、きれいなもの”を探すことが上手だし
またそういうことに敏感なアンテナを持っています。
ウォルドルフもそういう子どもの純粋さを大切にしています。

ですが、息子が ”きれいなものを見つけたから写真に撮りたいんだ”と私に言ってきたら、私は多分”ダメ!”と言うでしょう。

その理由は、カメラを壊されたくないというよりも
カメラを触りたがる息子が、iPadやゲームのスクリーンにロックオンされている子どもの姿とリンクしてしまって取り返しのつかないことをしてしまうような恐怖に駆られるからなのです(注:2014年当時は)。

また、つい最近までは、文字を書きたがる息子にやりたいようにやらすべきか、やめさせるべきかだいぶ悩んでいました。
たぶんそういう気持ちは7歳まではアカデミックなことはやらなくていいという、ウォルドルフ哲学からきているのだと思います。

だから、キムラファミリーのお話を聞いていて
”きれいなものが好き”そのきれいなもので ”やってみたい”ことがある。
そういう感覚/感性がなにより大事だよなあ〜って。

たとえ、いいと思うことでも、囚われるといい発想ができないね。
いえ、アントロポゾフィーはもっと奥の深い哲学なのだろうけれど、
私自身がまだ入り口で小さな具体例に囚われているだけなのかもしれない。

とにかく、ちょっと閉鎖的になっていた視界が、
いきなり明るくなり、広がった感じがしました。

守るところは守るけど、良か否かのグレーゾーンは、オープンな心でいろんな角度から考えてみないとな!

すいません、長くなってます。

さて、Pender Islandの優しいエネルギーにじわじわと心を温めてもらい、素敵な出会いや気づきがあったこの旅。

ここでいただいた、”暮らし方の気づき”を、私の日常にどう活かせるだろうか?

と思った時に、もうひとつ気づいたこと。

South Gulf Islandsには熊やクーガーといった、出会うと気が張る種類の動物がいません。しかし、Squamishにはいます。

島には大きな山がありません。ですが、Squamishにはあります。

子供と森を歩いているとき、畑や果樹のある庭、コンポーストやゴミ、鶏などの家畜、つねに体の片隅で熊やクーガーを勘ぐっています。

そう、雄大な山や野生動物は、人間にある種のサバイバル心と緊張感を与えるものなのです。

同時に、ここに住んでいると、
サーモンがあがってきて、サーモンを狙ったハクトウワシが飛来し、
森にたわわに実ったベリーを熊が食べにくる。
ボブキャットやクーガーが現れる。
そういう野生動物のダイナミックさや生命の循環を間近でみられる感動があります。

島には島特有のハートが開くような優しい空間がギフトであり、
SquamishにはSquamishの、本能に働きかけるような力強いエネルギーがギフトであることを理解しました。

2つの違った、おいしいお塩で料理するみたいに。
どっちもおいしいんだよ。

みんなちがってみんないい。

だから、わたしの今ある日常を変えようとするのではなく、ここでやれること、学べること、楽しいことを心に従ってやっていれば、いずれまた道はみえてくるはず。

そうだ、今年もラベンダーが満開だ!ケールが豊作だ!そろそろ味噌も仕込まなくちゃ!

小さなガーデンでも、喜びはたくさんシェアできる。

*お名前は仮名で載せてあります*

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