何者かになりたい。

「想いはつのるのに、誰を思えばいいの…？」

とおセンチになってみたり。
やり場のない情熱をかかえたまま、
それでも、そうそれでも走り出してみよう。

「…まぁとりあえず、接客業はもういいや。
仕事するなら今の時代パソコンのひとつもできないと。」
と思い立ってみる。

人間というハラハラする臨機応変なものにしか接してこなかったので、
パソコンをはじめとする、安定した技術が約束されるような文明の利器にすこぶる疎い。
さすがに40半ばでパソコン使えないなんて時代に乗り遅れるな、と危機感に襲われて、パソコンを学ぶことをメインに色々リサーチし始めた。

ものは試しとハローワークに職業訓練学校の案内を貰いに行って、
ハローワークが定期的に開催する職業訓練校の説明会に足を運んでみた。
初めて知る、職業訓練学校の世界。
学べる授業の内容も、それに対する国のサポートもこれほど充実してるなんておどろき。
卒業後に就ける業種も様々で、住宅関係や電気エンジニア、簿記、介護、Webクリエイター、ファイナンシャルプランナー…
すべての説明をしっかり聞いて、どれも素晴らしい仕事だし、訓練校に通えば技術はもちろん貴重で充実した時間を過ごせそうだ、
ということは重々わかった。

あとは、私にそのやる気があればだけれど。

「北国だし冬は訓練校通うのが大変そうだなぁ～」
「気合い入れて通うなら仕事やめてからかぁ～、
収入不安定になるし、職場人数足りないから辞めづらいなぁ～」

でてくるのはネガティブな言い訳ばかり。
つまり、ダルいのだ。

それならいっそ独学でパソコン習おうか？
知る人ぞ知る超有名な通信講座から資料を取り寄せた。

『今なら◯◯◯円もお得に資格がとれます！！』

おお！これいいじゃん！…て、ちょまてよ。
そもそもうちにパソコンないやん…たは。
わざわざこの為にパソコン買うほどの余裕も情熱もない。

おーまい。

あらためて、
『興味があるものにしか情熱が湧かない』
『興味がないものにはてんで心が動かない』
典型的な【B型】であることに気付かされる。
そんな自分がやっかいでもあり、分かりやすくて好きでもあり。

なんやかんや言うとりますが。
この先、パソコンが私の人生において
重要なスキルになることが身に染みてしまうのだが、この時の私はまだ知らない。

「はぁ…私は何者になりたいのだ？」