見出し画像

エフェクチュエーションで切り拓くFindyのグローバル〜インド・韓国・台湾での挑戦〜

「Findyも世界へ」の実現に向けて、グローバルでの挑戦を開始

Findyでは2024年からFindy Team+という開発生産性の可視化SaaSでグローバル展開を開始しました。と言っても、まだ顧客数は数社で本当にこれからという段階です。ただ設立趣意書の「Findyも世界へ」を8年越しで実現でき始めており、ものすごく楽しい日々を過ごしています。、

海外展開の前提としてFindy Globalという海外のエンジニアに日本に来ていただくサービスを遡る2022年4月に開始し、インドやバングラディシュ、ナイジェリア、インドネシアなどから数万人のユーザーに登録いただく中で海外展開に関心を強く持つようになってきていました。一方で、HRサービスは各国の法律の規制が異なることや人口増加国家と人口減少国家でビジネスの構造が全く異なるということで海外展開が容易ではない分野であることも肌で感じていました。

並行して、シリーズCの資金調達をした際に今後は海外投資家にも入ってもらいたいよね、そのためにはグローバルで勝負するのが最善だよねという議論をCFOの河島さんともしていました。

そんな中で、だったら河島さんがグローバルビジネスを立ち上げてしまったらいいんじゃないという話になり、Findy Globalのデータでも可能性を感じていたインドからスタートすることになりました。ちなみにインドはポテンシャルが高いマーケットですが、同時に世界で一番難易度の高いマーケットでもあると感じています。ここで勝てれば世界で勝てるマーケットであり、またネクストチャイナというだけあり、活気のあるエネルギッシュな場所です。

グローバルの挑戦の考え方。長い挑戦をエフェクチュエーションで乗り切る

Findyのグローバルでの挑戦の考え方は、大きく出過ぎずに地道に長年取り組んで広げていくです。これは前職でブラジル展開を挑戦した際に、とある教育系で成功している会社に訪問して、海外展開の成功の秘訣をお伺いした際の言葉が印象に残っているからです。
先方「何年計画でブラジル進出を考えたの?」
山田「3年間の計画できました」
先方「帰った方がいいよ。ミニマム5年。おれなんかパートナーもブラジル人で20年いるからね」
と言われて衝撃を受けました。

また、最近弊社の投資家であるCarbide Ventures(トレジャーデータ)の堀内さんから、「山田さんはエフェクチュエーション」で意思決定しているよねと言われたことからも確信しています。

エフェクチュエーションの反対が「コーゼーション」と呼ばれるアプローチで未来予測からバックキャストして、言葉通り理由づけをしながら海外展開の意思決定をするというものです。マーケット規模や競合、市場の成長性などを加味しながら決めるということですね。

一方で「エフェクチュエーション」での意思決定は手元にある資源や能力、知識、人脈を駆使して、経営に大きな影響を与えない範囲、つまり許容可能な損失の中で挑戦していくというものです。その他のトピックは以下の書籍を読んでいただければと思うのですが、要は会社を潰さない範囲で直観で始めて長く続けれるようにするということが大事だと思っています。

そして、まずはインドから初めて韓国と台湾に挑戦していく予定で考えています。

インド、韓国、台湾発のグローバルスタートアップの存在に感化

海外での挑戦を始める中で最も驚いたのは、今回挑戦している3カ国であるインドや韓国、台湾からグローバル、特に北米市場やアジアで成功しているスタートアップがどんどん出てきていることです。

インドでは例えばエンジニアの世界は日本でもお馴染みのAPI開発プラットフォームPostmanは実は、インドで設立された会社で今やグローバルな会社になっています。登記はアメリカに移っていますが先日、エンジニアマネージャーにバンガロールでお会いしました。また、CRM系のFreshworksやフードデリバリーのZomatoなどインド国内にとどまらず海外に出ている会社が当たり前に出てきています。

韓国では、広告プラットフォームのmolocoなどが有名ですし、チャットAPIのSendbirdやファッションCADのCLOなどが出てきています。台湾は半導体周りということで台湾系アメリカ人の率いるエヌビディアがあまりにも有名です。東証マザーズに広告系のAppier Groupや旅行系のKKdayも台湾発ですね。マーケットが大きくない中で、日本のスタートアップよりも早い段階で海外への挑戦を始めているようです。「IT業界は海外で成功するのは難しい」、なんとなく日本で働くスタートアップ業界の合言葉、必ずしも絶対ではないことを感じさせてくれます。

同時に日本のスタートアップのグローバル展開はまだまだこれからである一方、日本のエンジニアリング力は決して負けていないと感じています。また、幸か不幸か円安は輸出産業を作る上で武器になってきます。優秀なエンジニアがいて、プロダクト開発がコスト面でも競争力を出せる日本から今後、海外で成功するIT企業が増えていく可能性も同時に感じています。

Findyも正直海外で挑戦を始めたばかりですし、本当に成功するかどうかはこれからの自分たちの頑張り次第です。一方で、諦めず、財務的に許容できる範囲で続けていくことができれば、いずれ芽が出てくるもの、というかそれまでやるんだという思いで取り組んでいきたいと思っています。

個人としても、夢だった海外展開に挑戦できるということで、今が起業してから一番仕事が楽しいのではと思っているところです。ぜひこの挑戦を一緒に取り組んでもらえる事業開発、ファイナンス、エンジニアの方お待ちしています!!