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【TravelTech】出張手配・経費精算SaaSのTravelPerkが7億円をシリーズAで調達(2016年6月)

本記事は2016年6月9日報道の下記のTechcrunch記事の日本語要約メモです。
TravelPerk gets $7M Series A to take the pain out of booking business travel

●2015年設立のTravelPerkはバルセロナ発の出張手配の予約プラットフォーム。Booking.comの元社員らが開始。シリーズAで7億円の調達を完了。

●もともとはビジネストリップ=出張のDynamic budgeting(動的価格付け、需給に応じてリアルタイムで価格が変動)関連のリワードプログラムを作る方針で、2015年9月に最初のプロダクトをローンチ。(Y-Combinator支援先の”Rocketrip(※)”が同じ領域の先行プロダクトとして存在している。)だが、出張の予約そのものに関して問題が山積であることに注目

※Rocketripの概要
SaaSモデル。Rocketripが動的価格付(ダイナミックプライシング)で航空券やホテルなどの最安のオプション・最安の予約方法を示し、社員が出張時により安くコストを意識した選択をするとリワードが与えられる。よりリーズナブルな出張にしようというインセンティブが発生するように。社員は最安のプランを探す手間が削減されリワードももらえてハッピー、雇用主の企業は不要な経費の浪費を抑えられてハッピー(高額な出張を選択していた場合と実際の差額の一部をリワードとして従業員にギフトカードでキャッシュバックしてあげても、企業にとっては依然としておトク)

RocketripのCrunchbase→2013年設立、累計32億円ほどの調達

2016/06/20 Rocketripがが9億円を調達

2018/04/25 Rocketrip 15億円を調達

●初期は欧州のシリーズB-Cの急成長中の企業をターゲットにしていた。
想定ユーザーはこれらの企業の中で、他のメンバーのための出張手配というタスクを負っているひとたち。彼らが抱える課題として、オーガナイズ、ある特定の一箇所で旅行予約をする必要があること、請求書の発行、いつでも誰もが確認できる透明性の高いダッシュボードを手に入れること、などに渡ることがわかった。この気づきを経て、コストカットとリワードよりもむしろもっと大局的な部分、つまり出張手配を簡素化したり合理化したりする部分にそもそも課題があるという方向に視線が変化した。

●1月にTravelperkのバージョン2がローンチ、こちらは依然としてダイナミックプライシングを機能の中心に、予算機能など付けたりStripeを通じた決済手段多様化などで出張予約をしやすくするのが主。この出張のフェアな予算はこのぐらいですよというのを見せるだけで30%のコストカットに繋がった。

●しかし、より大きな課題としてTravelperkが取り組もうとしていたのは、既存の企業向け出張手配プラットフォームは時代遅れで使いづらいというもの。1950-60年代のAmerican Expressなどが行ったのが原始の旅行代理店予約モデル→次にConcurやEgenciaがこのオフラインのプロダクトをオンラインに載せた→そしてそれらのUIは今や古ぼけ陳腐化してしまっていて、第三世代の形が次にやってくると代表のMeirは予想する。

●Meir曰く、チャンスがあるのは、使いやすく高スピードで出張手配をできるようシステムを簡素化・合理化すること、そしてその一連の中でコストを節約できるようにすること。SkyplannerのリードUXデザイナーを一人採用したばかりの段階で積極的にTravelPerkを売り込み、更に採用を拡大しようとしている。消費者ブランドからの採用を増やしていくと宣言。単にUIだけではなく、プロダクトと人々の関係性のあらゆる側面に注目。AmazonやBooking.comのような使いやすさが必要なのにEgenciaを見てみるととても今日の人々が期待するプロダクト水準に達していない。

●また旅行在庫の選択肢が狭いことも旧タイプの旅行手配プラットフォームの弱み。TravelPerkはExpediaやBooking.comからダイレクトで在庫を持ってきている。つまり利用者が直面するのと同じコストオプションのプールから引っ張ってきているということ。「ユーザーは、Egenciaで提示される航空券・ホテルの選択肢は十分網羅的ではないことがあるので、Booking.comやExpediaに移動してより良い選択肢を発見しがち。この状況を踏まえた際に、booking. comやExpediaのような消費者向けオンライン旅行代理店のいいとこ取りをできるツールを作ろうと。これを統制や支払選択肢、請求書発行など、組織のニーズを満たす形でつくる。つまり我々が作ろうとしているのは全く新しい種類の出張手配代理店」

●最終的にTravelPerkが目指すのは、「ワンストップショップとワンクリックチェックアウト」の提供。出張から、会議室やレストランなどの出張者が必要とするであろうその他要素までをカバー。スタートアップ界の競合という点ではY-Combinatorに支援されているNexTravelが同じ線で考えている。
使用料金は無料、アフィリエイトコミッションで収益を得る。データを活用した収益化についても視野に入れている。

●(この記事が描かれた時点での)カスタマー数は20社だがいつかはEgenciaに真っ向から競合するような存在に成るはずと創業者は語る。

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