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「美容の価値を考える会」シンポジウム

「美容の価値を考える会」とは?

 「人々にとって美容とは何か」ということを念頭に置いて、美容の価値の大きさや深さを知ってもらうために活動している非営利一般社団法人です。

 理美容師さまはもちろん、美容ディーラーさま、美容業界専門メディアさま、私が所属する中野製薬のような主にサロンさま専売品(ヘアケアやスタイリングなど)を製造販売している美容メーカーが会員となり、シンポジウムという名の勉強会を通して美容の価値を上げるためのインプットを行っています。
 今日はそのシンポジウムが開催されたので参加してきました。講師は、日本で初めて4年制大学で美容師免許を取得できる環境をつくった東亜大学学長 櫛田宏治さん(芸術学部トータルビューティ学科ファッションクリエイティブコース)と、イギリスを本拠地とする最前線のヘアサロンTONI&GUY JAPANの雑賀英敏さんでした。

講演1.「4年生大学で初めて〈美容師免許取得〉が可能に」櫛田宏治さん(東亜大学学長)

櫛田さん

 山口県下関市出身の櫛田さん。私も小学生の時に3年ほど徳山市(現周南市)に住んでいたので勝手に親近感が沸きました(笑)
 櫛田さんは平成19年(2007年)に日本で初めて4年制大学で美容師免許を取得できるコース「トータルビューティ学科ファッションクリエイティブコース」を開設されました。
 地方の学生が競争に勝つためには、他でやっていることをやっていてはいけないということと、美容は芸術やデザインと同じように、プロである専門家(美容師)がいる分野であるためもっと価値が高くあるべきだという考えで開設されたとのことです。
 歴史的なお話が多く私の脳ではついていけなかったので一旦この辺で。。。(笑)

講演2.「イギリスと日本の美容業界の違い、日本美容サロン協議会 (JABS) で成し遂げたかったこと」雑賀英敏さん(株式会社 トニ-アンドガイジャパン)

雑賀さん

 「TONI&GUY」はイギリスに拠点を置く最先端のサロンさまで、現在60ヵ国680店舗で展開されているとのこと。そのうちインドが200店舗以上とのことです。インドは教育に力を入れている国なので、学ぶ熱量がすごいとのことでした。

日本とイギリスの美容業界の違い

 雑賀さんが普段活躍されているイギリスでは社会における美容の価値が高く、美容師に対するリスペクトが強いとのことでした。
 また、日本では高校卒業後に専門学校に通って美容師免許を取得して美容師になるのが一般的ですが、イギリスではなんと中学卒業後からなる方がほとんどとのことでした!しかも美容師免許はいらないというから驚きです。それだけ美容の価値が高く、早期から目指しやすい環境が整っているんですね。

日本とイギリスの違い
イギリスの一般的美容師教育
日本とイギリスのスタイリストデビューにかかる年数

 イギリスの一般的な美容師教育に要する期間は約3年というのに比べて、日本は約2.5倍の6~7年ほどかかるんですね。
 また、雑賀さんは日本の施術料金が安いため、もっと高くあるべきだと感じているとのことでした。例えばカット料金で比較すると、総務省によると日本の平均は約4,000円であるのに対し、イギリスでは約8,000円(約£50)。さらにこちらに10~15%のチップが乗っかるので9,000円近くになります。
※インターネット調べです。
 私は2018年に仕事で美容師さまと一緒にニューヨークへ行き、現地の美容事情を学びました。その時講師をしてくださった現地の日本人トップスタイリストの方のカット料金は約25,000円(当時のレートで約$250)とのことでした。さらにそこに20%のチップが乗っかるということなので、いかに海外の美容の価値が高いかわかりますね。
 最後に雑賀さんとお話させていただいた際に、ニューヨークは特に高いと仰っておりました。イギリスでも高いですが、ニューヨークに行くことを目指す方が多いみたいです。なんの分野でもアメリカンドリームですね。

日本とイギリスの教育の違い

 イギリスの教育は「良いところを伸ばす。応用・工夫をさせる」であるのに対し、日本は悪いところをなくすとのことでした。
 日本で価値を上げるには、「表現力」を上げる必要があるとのことです。技術は非常に高いけど、それを価値としてアウトプットするところで差が出ていると仰っていました。

最後に

 お二方とも共通しているのは、日本での美容の価値はもっと高くあるべきであると考えられているということ。雑賀さんのお話でも、そのためにはもっと自分自身の表現力を上げることとありましたが、それは何の職業でも同じだなと感じました。とにかく自分の考えや感じたことは伝え続けることが大事だと思いながら今日もひたすらキーボードを叩きました。


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