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強く生きる。

母は文学少女だったらしい。そのまた母も文学が好きだった。母からは五木寛之を、祖母からは幸田文を勧められたことがある。

その血なのか昔から文章を書くのは嫌いでなく、むしろ好き。小学校で星新一と出会い、中学で音楽にどっぷり浸かり(聴く方)、高校で筒井康隆、町田康、大学で演劇を始めた。野田秀樹やつかこうへいの戯曲が好きだ。

最初にネットに文書を書いたのは大学時代に所属していた学生劇団のHPにあった日記だった。町田康の影響をモロに受けていた時期だったので、まぁそういう文体だった。そこから2年ほどしてmixiが登場した。100パーセント自分の場所で好きなことを書ける。紙の日記で自分の字体だと生々しくて読み返せないものが、ネットにあげられたものであれば不思議と他人事のような感覚になった。出した後のウンコのような。初めてのSNS。リアルではつながり得ない人たちとコミュニティや自分の書いた文書でつながるあの感じは本当に刺激的で楽しかった。今でも一番好きなSNSは2006年ごろのmixiだと断言できる。

そこからエキサイトブログやアメブロなどのより開かれた外部ブログにも手を出した。しかし、自分のブログより所属劇団のブログに書く記事の方が個人的にはよく筆が進んだしキレもよかった(はず)。意外と職人気質なのかもしれない。

長編から短編へ。本からネットへ。ブログからツイッターのつぶやきへ。どんどん短くなっていった言葉は、ついにインスタやティックトックでその存在すら失った。

スピッツのデビュー曲“ヒバリのこころ”では「僕らこれから強く生きていこう 行く手を阻む壁がいくつあっても」と歌われている。強く生きるっていうのはどういうことなんだろう。B'zが“FIREBALL”で歌っている「誰にも寄りかからないでやっていくことは 信用するなとか友情捨てろってことじゃなくて クジが外れてもネチネチ愚痴らず前に進めるかどうかだろう」っていうのと似てる気がする。

強く生きたい。いつだってそう思う。

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