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なぜだろう?心から夢見ていた、喉から手が出るほど欲しかったものが確かに今手の中にあるの…
勝鹿派の門下に入り気付けば早10年。相変わらず売れない日々を過ごしていた毅尚は、師匠のつ…
自分が持っている中でも一番仕立てのいい小袖に着替え、今朝向島まで買いに行った、きよが好…
(私のせいだ) 客間に寝かせられている毅尚の頭に濡れた手拭いをあてがいながら、きよは毅尚…
「お披露目の新造だしはこれからですが、この子が引っ込みとして育ててきました花里です」 …
「それじゃあ行ってくるけど、くれぐれも無理しないでね」 「…うん」 いつものように、仕…
「全く、こっちも暇じゃないってのに何やってるんだか」 「…」 もうとっくに来てもいい時刻だというのに毅尚は現れず、佐知は苛立ちをあらわにする。 「私、様子見に行って…」 「おまえはそういうことしなくていいんだよ。私が行くからおとなしく座って待ってな」 お凛は仕方なく頷き、四季の間から出ていく佐知を見送った。 (どうしたんだろう?何かあったのかな) 今日は先日に続き、引っ込み禿から新造花里となったお凛の絵も描くと聞いていたので、すっぽかすことはさすがにないと思う