見出し画像

2022年 印象に残った本

まもなく2022年も終わりますね。
書き始めた今、21:08です。2022年中に出せたら良いなと。
今年読んだ中でも特に印象に残った本を書き残します。

小説・漫画・エンタメ

プロジェクト・ヘイル・メアリー

「火星の人(映画版はオデッセイ)」のアンディ・ウィアーが描く人類滅亡の危機に立ち向かう男を描いた極限のエンターテインメント。
未知の物質の影響で太陽エネルギーが減少。存亡の危機に瀕した人類はこれに際して「プロジェクト・ヘイル・メアリー」を発動、というTheおもしろSF設定。
寝る前に読み始めたら止まらなくなってしまった。
主人公が控えめに言って超絶天才なせいで、読んでて謎の全能感を感じてワクワクしてきた覚えがある。
一見難解そうなテーマだが中学生にでも読める、寧ろめっちゃハマる子いそう。
映画化も決定しているらしい。

対ありでした。~お嬢さまは格闘ゲームなんてしない~

ここ数年ハマっているプロ格闘ゲームシーンの影響で読んでみた。
一昔前ならファンタジーかの様に扱われかねない、業界の女性プレイヤーを主人公に据えているが、最近では実際に女性プロプレイヤーも出てきており、一定のリアルさを感じながら読める。
モチーフが好きなこともあるけど、同調圧力に屈しそうになりながらも好きなことをやり続ける姿がかっこよく描かれている。
アニメ化されてるのに未視聴なので今度観る。

現代メタルガイドブック

広いジャンルを網羅する、わたしの知る限り唯一の日本語書籍。
データベースとしても質が高く、初学者の大きな助けにも、よく知る人達の副読本にもなるが、Heavy Metalを構成する要素を広く解釈し、ジミ・ヘンドリックスやビートルズ、ビリー・アイリッシュ等のポップス・パンク・エレクトロその他広いジャンルとの共通点を挙げることで、メタル好きの音楽の聴き方の一つを言語化して解説されている点が目新しかった。
現代のメタル領域における注目すべき10アーティストとして挙げられているのは、BORIS with MERZBOW、Devin Townsend、Ulver、Napalm Death、The Body、Meshuggah、Bring Me The Horizon、聖飢魔Ⅱ、DIR EN GREY、最後はBABYMETALってのがまた面白い。

THE POWER

ビル・ゲイツの2022年夏おすすめの5冊で紹介されていた1冊。
ある日を境に世界中の女に強力な電流を放つ力が宿り、女が男を支配する社会が生まれた―」という男女の社会役割が逆転してしまった世界を描く小説。
これが書かれたのは #metoo ムーブメント以前とのこと。
こういうテーマだからこそ男性に読んでほしいなと。
Amazon Studioで映像化が進んでいる?とのことで、それも楽しみ。

解剖学

数年前からトレーニングを続けているのだけど、ようやくわかった大切な事は「何のトレーニング種目をやるか」ではなく「どこに効いているか、効かせたいか」なわけです。
以前からYouTube等々で断片的に知識は入っていたものの、この本を読んでどこの筋肉を鍛えるために、何の種目をやるのか、を自分で考え組み立てることが出来るようになった(気がする)。
人体模型が苦手な人でなければ、わかりやすい絵で図解されていて見やすく、脱初心者トレーニーにおすすめ。

その他

雑な括りになっちゃったけど、哲学・社会学等々ざざっと。

この発表でTwitterが湧いていた時、以前読んだこの本を思い出して物理本で再購入。
正義っぽい持論を振りかざしている声の大きいSNS民に、できたらこれを一読してから議論に参加してほしいなっ…なっ…!!
わたしも、時に強い言葉を吐き出しそうな時はこの本を思い出したい。

「このご時世、もうこんなこと言っちゃダメなんだよねーあはは」という言論や表現を制限されているかのように感じている様子、近年たまにTVとかで見かけません?それ自体がマジョリティ特権なわけだけど、この一冊を読むとそれが少し構造的に理解出来るはず。
そんな簡単に解決出来る問題ではないのだけど、「それでも」と問い続ける一冊。気づいたら清水晶子氏の本は最近ずっと買ってるな。

トランスジェンダー当事者である著者が、敢えて表題に「問題」と掲げて、これまで自伝や研究書に終始していた分野を事実に基づいて議論を展開する一冊。
外から見える問題と内で抱える本当の問題の差等、切実な問題に切り込んでいる。

暇とは?退屈とは?消費と浪費の違い、について語られている。
根拠が乏しいな?と思う点もあったが、一意見として受け入れ、自分も暇と退屈に向き合うきっかけになった。

下記のたんげさんのnoteを読んで購入。
この本を読んで、また記事を読んで、首を何度も縦に振ったのでした。本当に勇気あって優しい記事。
この本もいい本だったなぁ。みんなが頭の片隅にこの考え方を持てたらいいな。


お父さんやお母さん、上司や先生、そんな立場に一度でも立つ可能性がある人は読んでおくと良い本。
定期的に読み返すために手元においておきたい。

かのMetallicaのドラマーLars Ulrichは以前、以下のような発言をしています。

自分でコントロール出来ないことで、くよくよ悩んで時間を無駄にするな。

探したけど原典なかった…

そういう本です。おすすめです。

韓国社会における差別事例についてを題材にして語られているが、ほとんど日本でも同じ問題があるので理解しやすい。
タイトル通り、悪意のない人こそ手にとって欲しい一冊だが、いつでもそれが難しいのよね。

初めて現代思想というムック?を手に取った一冊。
表題の通りルッキズムについて、複数人がさまざまな立場から論じている。
移住海外労働者のドレスコード、見えない障害、「装いすら選択可能ではない」性的マイノリティ、言語学から見る「美しい」という言葉の司令性、視覚障害者が問う視覚中心主義、美と階級、ボディポジティブからの人気序列という新しい社会的権力、おしゃれと能力主義、だささとルッキズム、etc…
あああ、なるほどと言わざるを得ない、全く気にも留めていなかった問題にも気付かされた。
答えはないけど、考えるきっかけとして手にとって欲しい。

最後に

仕事柄読んでいるソフトウェアエンジニアリング領域の本は除いています。
今年は「信頼出来る人が薦めている本はノータイムでポチる」をやってみました。自分では手に取らない本もいくつか読むことが出来、少しだけ知らない事を知ることが出来たと同時に、知らない領域を知ってしまった…

それでは皆様、良い新年をお迎えください。

この記事が参加している募集

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?