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穏やかな暮らし|日記

ゴミ収集車のエンジン音で目覚めた朝。
穏やかではない。

マンガみたいに飛び起きて玄関に準備していたゴミ袋をサンタクロース風に担ぐ。
階段をすっ飛ばして降りる。上の階からも同じような足音が聞こえる。
マンションのおもてに出る。
収集車どこ。3ブロック先。無理。

諦めてまわれ右をすると上の階のマダム。目が合う。
マダム「任せな!」
わたし「・・・("Д“)・・・」

マダム、わたしのゴミ袋を奪って走り出す。
わたし「待って!ちょままままってうmふぇまえあs(伴走する)」
   「待ってぇぇぇぇぇぇ(置いてけぼり)」

100m先のマダム「(サムズアップ)」
わたし「(ジャンピング土下座)」
庭の水やりマダム2号「ようやったん(サムズアップ)」


夜更かし。どうしても肉まんが食べたい。
部屋着にパーカー羽織ってコンビニまで歩くあるく。
金木犀の甘ったるい香りがゆらゆら。

ちっさい犬を散歩させてる爺。
犬、かわいい。犬、こっち見てる。
犬見るわたし。
犬をジイっとみてからニイっとほほえむ。
そんなわたしもかわいい。

爺もぞもぞし始める。発情してる。

あんたじゃないんだわ。


脳みそ沸騰しそうな暑さからやっと解放されたので、隙あらば代々木公園に出向いている。
文庫本とPCだけ持ってプラプラしながら、お気に入りのテーブルがあるエリアへ向かう。
そこは木々がよーく茂っていて程よい木陰が居心地がいい。

んあ、この日は妙に地面をさすっている人が多い。
銀杏か?銀杏だ。
途端に臭くなる。

テーブルエリアは激戦区。
平日でも椅子取りゲーム。
今日もそこそこ埋まっている。
あいつあの席狙ってる?と思われないようにそそそと歩く。
ごく自然な形で席に近づく。

無事に確保するも、周囲の銀杏拾い隊が落ち着かない。

みんな地面をさわさわさわさわする。
さわさわさわさわでもこれはトラップ。
銀杏なんてどうでもよくなったのが、座ると視界に入るこんもりおにぎり山。
ちょっと気になる。
そういえば今日やけにおにぎり山をよく見る。
直径30センチ、高さ15センチと言ったところ。

嫌な予感がする。
本を広げてみるがもちろん読めない。
山が気になr・・・!!
動いた気がするいや動いた確実に。山が。(倒置法)
しばし凝視。モコスコ動く。山頂が。
やだ怖い。すごく嫌。
まさか渋谷区のど真ん中でもぐら。
きっと土竜。
やだあ怖いもうだめ死ぬ。

年齢を重ねるほどに未経験に対する恐怖が増す。
土竜ならまだいい。
でっかいネズミとか大蛇だったらどうする。
ねえ銀杏マダムたちどうよ。気付いてんの?
そんなに地面さすってるからモグラがぼこぼこ出てきちゃってんじゃあないの。

だめ。無理。木陰ベスポジさようなら。
今日は木漏れ日を浴びるには適さない日だったらしい。

仕方なくとか言って実際めちゃ慌てて荷物抱えて逃げる。

代々木公園は広い。
メンタルを保つためとの口実でキッチンカーでクレープとコーヒーを買い、
モグラの心配がなさそうな日向のベンチを新たな陣地とする。
テロップをつけるなら、「ここをキャンプ地とする」である。

水曜どうでしょう より

代々木公園は広い(2回目)
みんながみんなチルアウトしていると思ったら大間違い。
爽やかにランしていると思ったら大間違い。
キャンプ地の目の前では小さな撮影会が始まった。
なぜここで。わたしはここに居るよ。

モデル:豊満ボディの小柄な若い女性。女子大学生風
カメラマン:モデルと同世代と思しき男性二人

ひたすらモデルを撮る。
立ち、座り、芝生に寝転び、一頻りそれっぽいポーズが終わると縄跳びを始める。
縄跳び。跳ねる跳ねる。
豊満ボディはゆさゆさと、はち切れそうにわさわさと。
カメラは引いたり寄ったり、シャッターを切りまくる。
それを目の前にキャラメルナッツクレープを食べるわたし。

she is photographed untile play skipping rope.
they're staring at her XXX body. oh…

 縄跳びで体が温まったのか、火照るわぁ言うようにカーディガンを脱ぐ彼女。

完全なるビフォアフを再現してくれたこの画像

いやもうそれ、エアリズムじゃん。
それ一枚で着るやつちゃう。そしてここは公園。公の園と書いて公園。
他人様の趣味に物言いをつけたくないが、でっかいハリセンがあったら振り回してツッコミしに行きたいくらいだった。
こんな目の前でやってくれるならいっそ、本日の撮影コンセプトは~とか教えてくれたら一緒に盛り上げたよ。

クレープ?まったく味の記憶がない。
今日も穏やかである。

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