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noteを始めるわけ

投資や資産運用に関する色々な思いをつづっていきます。

はじめまして。鎌田恭幸です。

大学卒業後、日系・外資系の金融機関で35年にわたり資産運用業務に携わってきました。2008年11月に鎌倉投信を設立し、創業当時から代表取締役社長として経営全般をみています。

鎌倉投信では、2010年3月から主として上場企業の株式を投資対象とした公募型の投資信託「結い2101(ゆいにいいちぜろいち)」の運用・販売(直販のみ)を開始しました。独自の視点で「いい会社」に投資し、その発展・成長を支援することを通じて「投資家の資産形成と社会の持続的発展の実現」を目指しています。
2021年3月には、これからの社会を創発する可能性を秘めたスタートアップを伴奏・支援する有限責任投資事業組合(私募)「創発の莟(つぼみ)」の運用・募集を始めました。

この二つの事業を通じて、投資家から預かった大切なお金をふやしながら、社員数人のスタートアップから100年を超えて続く上場企業までを含めて「いい会社」をふやし、持続的で心豊かに成長できる社会に貢献する投資の在り方を目指しています。


投資から見る景色

この子が成人したら「結い 2101」をプレゼントします。
その時、「いい会社」がふえて「いい社会」になっていることを願っています。楽しみにしています!

「結い2101」とは、私が立ち上げた鎌倉投信が運用する投資信託の名前です。以前、お子さんが生まれたばかりの母親が、その子の名前で「結い 2101」にお金を預けてくれた時にこう話してくれました。
この言葉は、今でも深く心に残っています。

また、終活を控えて「結い 2101」を換金しようと考えていた男性は、久しぶりに私の話を聴きに来て、帰り際にこう話してくれました。

換金しようと思っていたが止めました。子供に引き継がせます。

投資を通じて色々なことを学び、自分の将来を考えようと「結い 2101」に投資をする学生や若者も少なくありません。

この人たちが投資から見ようとした景色は、お金を持った将来の自分の姿だけではありません。
投資に託したものは、「未来への希望」ではないでしょうか。

私も、一人でも多くの人に、出逢えてよかった、と思ってもらえるような運用商品を贈り届けることができたらどれだけ幸せだろう。
その時にそう感じました。

投資から見る景色は、自分に合った彩りの服を身にまとうように、百人百通りです。この人たちのように、自分の生き方に合った投資、自分らしい投資に出逢えたら素敵だと思います。

運用商品は、全てが数字で表現されます。
しかし、投資の先には、人の営み、企業の営み、社会の営み、未来社会が必ずあります。誰かが何かに取り組む真剣な眼差し、思い、ぬくもりがあります。運用商品にも、食べ物や着る物と同じように、そんな味わいや手触り感があるといいと感じています。一人ひとりにとって投資が豊かなものであることを実感するには、そうしたことが伝わる運用商品が必要だと思っています。

投資のモヤモヤ感からたどり着いた答え

最近、日本の政府が国民の自立的な資産形成を積極的に推し進めていることもあって、証券投資などを通じてお金をふやすことに関心を向ける人がふえてきました。

銀行預金にお金を預けていても、お金はふえないし、物の値段が上がると、お金の実質的な価値は目減りしていくばかりです。人生百年時代といわれる中で、早いうちから資産を計画的に蓄えることも大切でしょう。なにより、大事なお金を何かに投資をするとなると、それなりにお金を振り向ける先を考えたり、多少なりとも経済の先行きに関心を持ったりします。そうしたことは、仕事や生活をする上で役に立つでしょう。

こうした諸々のことを考えると、元本が保証されているとはいえ、何も考えずに銀行預金に預けっぱなしはさすがにもったいないことです。何かをきっかけにして、前向きに投資に取り組む人がふえることはよいことだと思っています。

その一方で、投資に興味を持ち始めた人と話をしていると、
「何を買えばいいんだろう」
「損はしたくない」
「何となく怖い」
「金儲けのことだけ考えていいのだろうか」
「次の世代、子供が成長した時にいい社会にしたいのだが」・・・
といったモヤモヤ感を耳にすることが少なくありません。

私は、社会人になってから今に至るまで、投資に関わる仕事しかしていません。このように長年にわたり様々な投資経験を積んだ私でも、投資についてモヤモヤした気持ちをずっと持ち続けています。

投資や資産運用、広くいえば金融は、お金をふやしたり、融通したりする役割を担っています。しかし、本当の意味で社会の中身をよくしているのだろうか、社会を豊かにしているのだろうか、社会に貢献しているのだろうか、というモヤモヤ感です。

本来、金融とは、社会や経済を豊かにするための水脈のような存在です。決して、経済も表舞台にしゃしゃり出て、派手に動き回る存在ではありません。主役は人や企業であり、金融はあくまで裏方です。

しかし、金融は、個人や企業から預かったお金を投資や融資などを通じて、手っ取り早く儲けること、お金をふやすことだけを考えた結果、日本の不動産バブルの崩壊やリーマンショックなどを引き起こし、しばしば経済や社会を混乱させてきました。これらのことで、一般生活者にも随分と負担をかけた罪は決して軽くはありません。こうしたことにモヤモヤする気持ちから行きついた答えが、

「社会そのものをよくする投資」です。

社会をよくすることで利益は出せる?

「社会をよくする」というと、お金をふやすことの反対にある「寄付」をイメージしたり、「経済的な利益は犠牲にするの?」と、疑問に思ったりする人もいるでしょう。

しかし決してそうでありません。年を追うごとに身近に感じるようになった異常気象や自然災害、高齢化や少子化、食の安心・安全や廃棄ロス、経済格差、教育を取り巻く環境など、日本も世界も様々な課題に直面しています。こうした社会課題、すなわち社会の困りごとを解決することは、いわば潜在的な顧客ニーズの掘り起こしに他ならないのです。

企業が、単にモノやサービスをふやして規模の経済を追い求めて成長する時代は過去のものです。社会課題から自社の存在目的や顧客のニーズを掘り起こし、新たな事業を創出したり、モノやサービスに新たな意味づけをしたりすることができれば、売上げ、利益を伸ばすことにつながります。そうすれば、企業の価値は高まり、株価も上がり、投資したお金はふえて投資家の手元にもどってくるのです。

「社会をよくする投資」とは、言葉を替えると社会に新たな価値を創出するお金の流れを生むことを意味します。それは、同時に経済価値の創出でもあり、投資する人からすれば利益(リターン)の源泉でもあるのです。

リターンとは、名前のとおり、社会に貢献する結果として「戻ってくるもの」であり、つながりのある「お金の循環」がもたらすものなのです。モノが充足した今の社会においては、社会課題を解決し、社会をよりよくするお金の流れの中にこそ、新たな経済価値を生みだすための収益機会が存在するのです。

しかし、投資の世界では、途中の経過はどうであれ最終的に「いかにお金がふえるか」が全てといっても過言ではありません。
そのため、運用商品を選択するとき、「いかに効率的にお金をふやすか、いかに手数料が安いか」、などに目が向いてしまい、標準的で均質的な投資商品にお金が集中する傾向にあります。個性や多様性、その背景にある「自分らしさ」が求められる今の時代において違和感を覚えるのは私だけでしょうか。

投資とは何か

日本の政府は、資産運用立国の旗を掲げ、個人のお金を一気に金融市場に向かわせようとしています。これによって、投資を通じたお金の運用は、銀行預金や生命保険と同じように、多くの国民にとっても当たり前の世界になるでしょう。つまり「投資の大衆化」です。

そもそも私たち一人ひとりにとって投資とは何でしょうか。
私は、お金、時間、愛情、体など、自分にとって大切な何かを使って、自分が大切だと思う何かを生み出すことの全てが投資だと思っています。投資とは、お金だけの話ではありません。大切な人に愛情を注ぐことは、投資の中でも最上の投資といえるでしょう。

お金の投資を含めて、そうした全ての投資には、自分の想いや価値観、個性が宿ります。先が見通しにくい時代において、お金をいかに計画的にふやすか、は確かに大切です。しかし、リスクとリターンという二つの尺度でつくられる投資の世界観に縛られない、自分らしい投資の選択肢が求められているように感じています。それぞれの投資家が、投資に自分なりの価値観を宿した時、意思を持ったお金が、企業を動かし、社会を動かし始めて、リターンを犠牲にすることなく未来社会をつくります。

これが「投資の大衆化」から「投資の民主化」へと向かう道筋だと思っています。

投資にも多様性と自分らしさがあっていいと感じています。
どうせ投資を始めるなら、いつか自分らしい投資に出逢って欲しいと思っています。

このnoteを読んでくださる方にとって、ここで書くことが、そうした出逢いを生むきっかけになれば、とてもうれしいです。

まずは、はじめて読む人のために、鎌倉投信はどんなことを目指し、どのようなことに取り組んでいるか、から書き始めたいと思います。

#自己紹介 #経営者 #投資信託


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