鎌田 恭幸(鎌倉投信 社長)

独自の視点で「いい会社」に厳選投資する公募投信「結い 2101」と、社会を創発するスタートアップを支援する有限責任投資事業組合(私募)「創発の莟(つぼみ)」を通じて、心豊かに成長できる社会に貢献することを目指しています。取材・講演依頼は鎌倉投信HPの問合せよりご連絡ください。

鎌田 恭幸(鎌倉投信 社長)

独自の視点で「いい会社」に厳選投資する公募投信「結い 2101」と、社会を創発するスタートアップを支援する有限責任投資事業組合(私募)「創発の莟(つぼみ)」を通じて、心豊かに成長できる社会に貢献することを目指しています。取材・講演依頼は鎌倉投信HPの問合せよりご連絡ください。

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noteを始めるわけ

投資や資産運用に関する色々な思いをつづっていきます。 はじめまして。鎌田恭幸です。 大学卒業後、日系・外資系の金融機関で35年にわたり資産運用業務に携わってきました。2008年11月に鎌倉投信を設立し、創業当時から代表取締役社長として経営全般をみています。 鎌倉投信では、2010年3月から主として上場企業の株式を投資対象とした公募型の投資信託「結い2101(ゆいにいいちぜろいち)」の運用・販売(直販のみ)を開始しました。独自の視点で「いい会社」に投資し、その発展・成長を

    • 経済、社会を形づくるキーワード

      先週から「結い 2101」の運用報告会が始まりました。昨年度は、円安が進行し、大型割安株のみが大きく上昇する極端な相場の中で、「結い 2101」から投資をする、特徴のある、比較的中小型寄りの「いい会社」の株価は反応せず、強い逆風が続きました。 しかし、今年度に入り逆風は収まり、株式市場参加者の視線は少しずつ変わり始めているように感じています。為替動向などのマクロ要因で株式市場の方向性を見る動きから、徐々に個別企業の実体として業績に目を向け始めていますので、業績が堅調で、かつ

      • 地方創生の視点

        1. 島根県大森町からの学び独特の雰囲気を持つ大森町は、海外からの注目度も高く、長期滞在する外国人もしばしば訪れるようです。また、普段都会で暮らしている親子が、数週間、自然豊かな地方の保育園に子供を通わせ、親はその近くでリモートワークをしながら田舎暮らしを体験する「保育園留学」でも人気スポットです。 保育園留学とは、鎌倉投信が運営するスタートアップ支援のファンド「創発の莟(つぼみ)」(私募型の有限責任投資事業組合)から投資する「(株)キッチハイク」(本社 東京都台東区)が

        • 人生はよき言葉によって導かれる

          今年のノーベル平和賞に日本被団協(日本原水爆被害者団体協議会)の受賞が決まった。受賞が決まった時の映像から、関係者が核廃絶を諦めることなく、少しでもその実現に近づこうと、草の根の活動を直向に続けてこられた姿が伝わってきて心が熱くなった。それと同時に、人類の叡智が試される究極のテーマ「争いなき世界平和」の実現のために、地球の住人の一人として何ができるのだろうか。そんな想いも頭をよぎった。 僕の周りには、世界の紛争や貧困で苦しむ人を少しでもなくそうと活動する知人・友人が何人もい

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          「コト」を起こす力

          先日、5年ぶりに長野県伊那市にある「伊那食品工業」を訪問した。伊那食品さんは、主に寒天を素材にした食品の製造・販売を手掛けており、個人向けには寒天ゼリーなど「かんてんぱぱ」ブランドで有名な会社だ。外部資本を必要としていないので鎌倉投信の投資先ではないが、社員と地元地域をとても大切にする「いい会社」なので勉強のために数年に1回程度訪問している。 同社の経営理念は、「いい会社をつくりましょう。~たくましく そして やさしく~」。僕の知る限り、社員を幸せにすることを経営理念の目的

          未来に変化をもたらす「場」としての受益者総会

          1. 鎌倉投信について鎌倉投信は、「いい会社」への投資を通じて、よりよい社会、よりよい未来をつくるという想いを掲げて2008年11月に設立した運用会社です。2010年3月に「結い 2101」の運用を初めて14年半が経ちました。あっという間です。それなりに苦労したからでしょうか、会社設立当時、真っ黒だった髪の毛は、すっかり白くなりました(苦笑)。 会社設立はリーマンショックの直後、金融経済大混乱の真っただ中でした。当時、「いい会社」とか「投資はまごころ」とか、そんなきれいご

          未来に変化をもたらす「場」としての受益者総会

          「受益者総会」に登壇する「いい会社」(受益者総会 その2)

          「今年の夏の暑さは半端ではない。雨の降り方が異常だ。」 この夏は、このような会話をしない日はなかったのではないだろうか。年ごとに気候変動の脅威は強まるばかりだ。 人も会社も環境問題を含めた経済のグローバリゼーションが抱えるリスクにどう向き合えばいいのだろうか。先日ある経営学会で、この点について話をする機会があった。与えられたお題は、「投資の実務からみる『パーパス経営』の可能性と限界 〜企業と投資家はグローバリゼーションが内包するリスクにどう向き合うか〜」だった。 こうした

          「受益者総会」に登壇する「いい会社」(受益者総会 その2)

          未来を託したい会社と出会う「受益者総会」(その1)

          「結い 2101」の投資先には、社員が生き生きと働き成長する会社、世界が注目する匠の技術で新たな市場や産業創造に取り組み、皆さんが「こんな凄い会社があるんだ」とビックリする会社が並んでいます。そして、そうした会社への投資は、社会を豊かにするだけではなく投資家にリターンももたらします。今回の総会では、日本の会社が持つそうした「凄さ」、日本の可能性を実感して欲しいと思っています。 「いい会社」の経営者に会ってみよう鎌倉投信では、運用報告の一環として、投資先のいい会社とお客様をつ

          未来を託したい会社と出会う「受益者総会」(その1)

          揺るがない投資視点を持って市場に対峙する胆力を持つ

          ① 足下の株式市場について「強気相場は悲観のなかで生まれ、懐疑のうちに育ち、楽観とともに成熟し、陶酔のなか消えていく」。世界的に有名な米国の運用会社「フランクリン・テンプルトン」の創業者「ジョン・テンプルトン」の言葉です。相場の転機は、市場参加者が、株価が値上がりし続けることを疑わない時や、パニック売りのような総悲観の状況から生まれることを謳ったもので、今の株式相場を象徴しているようにも感じます。 今回の株価の下落は、8月1日に発表された米国のマクロ経済指標において、製造

          揺るがない投資視点を持って市場に対峙する胆力を持つ

          投資で成功するための8つのカギ(後編)

          【目次】 投資で成功するための8つのカギ ① 先入観を解く ② 株価(価格)ではなく価値に投資する ③ 経済法則(複利と分散効果)を利用する ④ 感情を排除する ⑤ シンプルに投資する ⑥ 予測しない ⑦ 投資に期限を設けない ⑧ 投資観を持つ 前回のnoteでは、「投資で成功するための8つのカギ」の①~➂について書きました。 今回は、④~⑧について考えてみましょう。 ④ 感情を排除する世界情勢や経済情勢が目まぐるしく変化するなかで、投資で成功する人が実践していることを

          投資で成功するための8つのカギ(後編)

          投資で成功するための8つのカギ(前編)

          私は、個人投資家やプロといわれる年金等の機関投資家に接しながら、35年にわたり投資の世界で仕事をしてきました。その中で、個人投資家が投資で成功するために大切なことが8つあると感じています。 それが、拙著「社会をよくする投資入門」でも書いた、 ① 先入観を解く ② 株価(価格)ではなく価値に投資する ③ 経済法則(複利と分散効果)を利用する ④ 感情を排除する ⑤ シンプルに投資する ⑥ 予測しない ⑦ 投資に期限を設けない ⑧ 投資観を持つ です。 そもそも、資産形成に

          投資で成功するための8つのカギ(前編)

          お金は奪い合うことしかできないが未来は共有できる

          【目次】 ①       お金にまつわる3つの謎とは ②       お金にはみんなを結び付ける力がある ③       お金の向こうに人がいる ④       一人ひとりが社会を形作っている ⑤       お金は奪い合うことしかできないが未来は共有できる ⑥       贈与が経済を発展させる ①~➂については前回のnoteをご覧下さい。 今回のnoteは、本に書かれている④~⑥について、ボスが七海と優斗に教えたことについて、僕なりの解釈を交えながら要約したいと思いま

          お金は奪い合うことしかできないが未来は共有できる

          お金自体には価値はない

          【目次】 ①  お金にまつわる3つの謎とは ②  お金にはみんなを結び付ける力がある ③  お金の向こうに人がいる ④  一人ひとりが社会を形作っている ⑤  お金は奪い合うことしかできないが未来は共有できる ⑥  贈与が経済を発展させる ① 謎の資産家ボスが問いかけた「お金にまつわる3つの謎」 この本の物語は、謎の資産家ボスが、七海と優斗に ― お金自体には価値がない。 ― お金で解決できる問題はない。 ― みんなでお金を貯めても意味がない。 と謎めいた3つのお題をつき

          お金自体には価値はない

          新著「社会をよくする投資入門」で伝えたかったこと

          お金をふやすことと「社会をよくする」ことは両立する将来が不安で、お金をふやすために投資をしようとしているのに、「社会をよくする」なんて、「そんなお人好しなことは言っていられない」と思う人が多いかもしれません。「社会をよくする」というと、お金をふやすことの反対にある「寄付」をイメージしたり、「経済的な利益が犠牲になりがちなのでは」と、疑問に思う人もいるでしょう。けっしてそうではありません。 お金をふやすことと「社会をよくする」ことは本来両立するのです。 「社会をよくする投

          新著「社会をよくする投資入門」で伝えたかったこと

          新著「社会をよくする投資入門」の「はじめに」を全文公開します

          <章立て> 第1章 「社会をよくする投資」とは何か 第2章 リターンの大元は「事業」である 第3章 経済の海と金融クジラ 第4章 「欲望」が集まる金融市場の構造 第5章 投資の「新しい選択肢」 第6章 「社会をよくする投資」の実践 最終章 投資の先にどんな「10年後」を描くか ~はじめに~「『社会をよくする投資』なんて、きっと儲からないんだろう」 「自分の老後も不安なのに、『社会』なんて優先できない」 僕たちはいつも忙しく、自分のことで精一杯だ。どうすれば投資で儲かるか、手

          新著「社会をよくする投資入門」の「はじめに」を全文公開します

          投資が社会を形づくるわけ

          資本主義はどこに向かうのか2022年、米国の日本銀行にあたる連邦準備制度理事会(FRB)議長を務めたベン・バーナンキ氏ら3人がノーベル経済学賞に選ばれました。同氏の受賞は、1930年代の世界恐慌の研究から、銀行の経営破綻がいかに金融危機を深刻化させるかなどの分析が評価されたものです。 バーナンキ氏は、FRB議長在任中に起きた2008年のリーマンショックの時、この研究をもとに、事実上のゼロ金利政策の導入、米国債や住宅ローン担保証券をFRBが買いとるなど、市場に大量のマネーを供

          投資が社会を形づくるわけ