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嬉しかった言葉も傷付いた言葉も、全部私のもの

私は新卒で入った会社を辞めて、転職することを決めた。
とはいえ、「仕事しながら転職活動って本当にできるの?」「いや、そもそも今の私を採用してくれる会社ってあるのかな…」と不安しかなかった私は先に転職をした先輩に相談することに。

1つひとつ、丁寧に答えてもらって、漠然とした不安は小さくなった。あとは自分が始めるだけ。
何よりも「3ヶ月だけがんばれば、なんとかなる。」という言葉に背中を押された。
ゴールの見えないものはつらい。“3ヶ月”とだいたいの目安があれば、なんとかやっていけそうだと、腹をくくった。

今年の5月ごろから転職活動を始めて、8月のお盆明け、内定をいただいた。
それが先輩が言っていた、ちょうど3ヶ月目のこと。

すぐに先輩に報告すると、
「おめでとう!お祝いしよ!」と言ってもらえた。

以前から転職の話をしていた友達にも「転職先決まった!」と連絡すると、やっぱりみんなも「おめでとう!」と祝ってくれた。

嬉しかったし、なによりも、誰かに報告できるっていいな、と心からそう思っている。 


 次は会社の上長に報告へ。

「そうか、辞めるのか。期待しててんけどな。でも、わかった。タイミング見て、上の人らに伝えとくわ。」

後日、社長から呼び出しがあり、1時間ほど話した。

転職することに対して、応援はしてもらえなかった、ように思う。

言葉1つひとつがナイフのようにどんどん刺さっていった。
“社長が言った言葉は他の社員の気持ち”のように思えてきた。
どんどん俯いてしまって、社長の目が見れない、涙がでてくる。
「私は裏切ったのかな。もう誰も応援してくれないのか」と頭の中がパニックと不安でいっぱいになり、周りが急に怖くなった。

私はただ、つぎのステップに進もうとしてるだけなのに、やりたいことを仕事にしようとしてるだけなのに、なんでこんなことになったんだろう、ともうワケがわからない。
「いっそ、転職活動をしなかったらよかったのか」とも思ったり「いやいや、私の人生だしな…」「いや、でも社長や上の人の気持ちを考えると…」といろんな立場になって考えてみた。
考えてみると、なんとなく社長がああ言った気持ちもわからなくはない。
とはいえ、私の人生は私のもの。
やっぱり転職のタイミングは今だったんだと、結論を出した。

一応、役員、社長にも話を通したし、一緒に仕事してるみんなにも辞めることを少しずつ伝えた。もうなにを言われてもいいや、しっかり引継ぎさえできればいい、2ヶ月だけ我慢すれば、次の職場が待っている。と言い聞かせて、一人ひとりに退職することを伝えた。

「実は、10月で会社を辞めるんです」

「え、そうなん?寂しくなるな。でもやりたいことができるんだったら、がんばれ」

伝えた人たちから返ってきた言葉は全部前向きなものだった。
リアクションはそれぞれだったけど「辞めるなんてあり得ない」みたいな言葉は飛んでこなかった。
退職日当日に伝える人も多くて「え、急すぎるわ…」と寂しがってくれる人もいた。

「次も楽しみやな、がんばってな」「仕事で悩んだら連絡してな。また飲みにでも行こうや」と言ってくれる人もいた。

もう2度と会う機会もないんだろう、それでいいんだと思っていたので、正直驚いた。特に尊敬していた先輩から「また何かの機会に一緒に仕事できたらいいな」と言われたときは嬉しかったし、それが現実になるようにがんばりたいと思った。

一緒に仕事をした近くにいる人たちから、こんなにあたたかくて前向きな言葉をたくさんいただいた。

本当に本当に嬉しかった。勝手に悪い方へ想像して、こんなことも、あんなことも言われるかもと怯えていた分、安心もした。
自分で勝手に妄想した言葉、誰かから又聞きした言葉ではなく、直接受け取った言葉を信じて大切にしていこうと思う。


言葉は勇気にもなるし、傷つける凶器にもなる。

悪意を含んだ言葉が勇気を潰してしまいそうになる時もあるけど、そんなときは信じてきた言葉を思い返して、深呼吸。

私はたくさんの人たちから、たくさんの言葉をもらって、今がある。
背中を押してくれた言葉も、傷つけられた言葉も。 

言葉を仕事にしていくからには、その大切さと重さは忘れないように。

次の職場での初仕事を早く見てもらえるように、前に進みます。

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